公開日 2018/03/19 09:00
大きく進化して登場した新Kシリーズ
生演奏に限りなく近い音。エソテリックのSACDプレーヤー「K-01Xs/K-03Xs」を聴く
鈴木 裕
多くのファンを虜にしたエソテリックの一体型高級SACD/CDプレーヤーの銘機「K-01」「K-03」が誕生したのは2010年。その音質に磨きをかけ2014年には「X」に進化し、多くのファンの垂涎のモデルとなった。そして2018年2月、3世代目となる「Xs」が登場した。一見すると外観の変化はほぼ無いものの、中身にはフラッグシップモデル「Grandioso K1」や「N-01」に採用された新しいDACプラットフォームの導入や、最新のデジタル入力部、独自の「ES-LINK Analog」伝送方式など、最新の技術とこだわりをフルに投入。想像を遥かに超える進化を遂げた音楽再生の表現力、その高い品位をレポートする。
本機の概要を知る
■発売以来人気を誇ってきた中核機がフルモデルチェンジ
そもそも一体型のプレーヤー「K-01/03」は、Kシリーズが2010年に登場した時の最初のモデルであり、その後に「K-05/07」などが登場してきた。日本国内はもとより、北米やヨーロッパでも成功し、その後もX付きの世代に進化。ある意味エソテリックにとっての屋台骨のようなモデルであり続けてきた。
この8年間を考えてみると、アンプ類のラインナップの拡充やGrandiosoシリーズの登場など、シーンを動かすほどのダイナミズムを感じさせてきた同ブランドだが、その中核にずっとい続けたのが「K-01/03」なのだ。それがこの度、音の面でフルモデルチェンジに近い変化を遂げた。
■DACデバイスは最新型を搭載。バッファーアンプ部が新回路に
新しいモデルの概要を紹介してみよう。まずメカドライブはSACDに対応させたVRDS-NEOで、「K-01Xs」にはVMK-3.5-20S。K-03XsはVMK-3.5-10と、基本的に先代からキャリーオーバーしている。そしてD/Aコンバーター部は、Grandioso K1で採用されたプラットフォームに基づき、DACデバイスは旭化成エレクトロニクスのフラッグシップ「AK4497」を採用。これによって、USB-DACとしての対応フォーマットが最大DSD 22.5MHz、PCM系は768kHz/32bitにまで拡大している。
続いて、このDACデバイスから出力されたアナログ信号をその直後にバッファーアンプに入れるという新しい回路構成を紹介しよう。高音質オペアンプとして新日本無線の「MUSE02(K-01Xs)」、「MUSES8820(K-03Xs)」を採用したバッファーアンプ部だ。そしてチャンネルあたり8回路(03Xsでは4回路)のパラレル/ディファレンシャル回路構成としているのは先代を踏襲しつつ、その後に来るリレースイッチの部分については色々な方式を験した結果、半導体を使ったFETスイッチに変更している。ここも音が大きく成長した一つの要因だという。
電源部も充実している。そもそも電源トランスを4個(03Xsは2個)搭載し、左右、アナログ/デジタルなどのアイソレーションを徹底しているが、電源レギュレーター部をより複雑な構成にして、さらに進化させた。
■ES-LINKAnalogを搭載。細かいこだわりまでも施された
大きなトピックとしては電流伝送である「ES-LINK Analog」端子を装備したこと。エソテリック独自のアナログ信号の伝送形式で、信号経路のインピーダンスの影響を受けにくくして、信号の純度を上げられる(ケーブル自体はXLRのバランスケーブルを使用)。
外観的には、有機ELディスプレイ採用やフロントパネルへのESOTERICのロゴの刻印などが挙げられるが、細かく見るとバックパネルのネジの数が減っていたり、剛性コントロールのスリットが見直されていたりと、入念な開発がされたことを窺わせる。
本機の概要を知る
■発売以来人気を誇ってきた中核機がフルモデルチェンジ
そもそも一体型のプレーヤー「K-01/03」は、Kシリーズが2010年に登場した時の最初のモデルであり、その後に「K-05/07」などが登場してきた。日本国内はもとより、北米やヨーロッパでも成功し、その後もX付きの世代に進化。ある意味エソテリックにとっての屋台骨のようなモデルであり続けてきた。
この8年間を考えてみると、アンプ類のラインナップの拡充やGrandiosoシリーズの登場など、シーンを動かすほどのダイナミズムを感じさせてきた同ブランドだが、その中核にずっとい続けたのが「K-01/03」なのだ。それがこの度、音の面でフルモデルチェンジに近い変化を遂げた。
■DACデバイスは最新型を搭載。バッファーアンプ部が新回路に
新しいモデルの概要を紹介してみよう。まずメカドライブはSACDに対応させたVRDS-NEOで、「K-01Xs」にはVMK-3.5-20S。K-03XsはVMK-3.5-10と、基本的に先代からキャリーオーバーしている。そしてD/Aコンバーター部は、Grandioso K1で採用されたプラットフォームに基づき、DACデバイスは旭化成エレクトロニクスのフラッグシップ「AK4497」を採用。これによって、USB-DACとしての対応フォーマットが最大DSD 22.5MHz、PCM系は768kHz/32bitにまで拡大している。
続いて、このDACデバイスから出力されたアナログ信号をその直後にバッファーアンプに入れるという新しい回路構成を紹介しよう。高音質オペアンプとして新日本無線の「MUSE02(K-01Xs)」、「MUSES8820(K-03Xs)」を採用したバッファーアンプ部だ。そしてチャンネルあたり8回路(03Xsでは4回路)のパラレル/ディファレンシャル回路構成としているのは先代を踏襲しつつ、その後に来るリレースイッチの部分については色々な方式を験した結果、半導体を使ったFETスイッチに変更している。ここも音が大きく成長した一つの要因だという。
電源部も充実している。そもそも電源トランスを4個(03Xsは2個)搭載し、左右、アナログ/デジタルなどのアイソレーションを徹底しているが、電源レギュレーター部をより複雑な構成にして、さらに進化させた。
■ES-LINKAnalogを搭載。細かいこだわりまでも施された
大きなトピックとしては電流伝送である「ES-LINK Analog」端子を装備したこと。エソテリック独自のアナログ信号の伝送形式で、信号経路のインピーダンスの影響を受けにくくして、信号の純度を上げられる(ケーブル自体はXLRのバランスケーブルを使用)。
外観的には、有機ELディスプレイ採用やフロントパネルへのESOTERICのロゴの刻印などが挙げられるが、細かく見るとバックパネルのネジの数が減っていたり、剛性コントロールのスリットが見直されていたりと、入念な開発がされたことを窺わせる。