公開日 2020/03/06 06:30
「老若男女問わず幅広いシーンで活躍する高コスパ機」
テレビもスマホ音楽も快適に楽しめる首掛けスピーカー! JVC「SP-A7WT」レビュー
土方久明
近年、両肩に乗せて使う小型のワイヤレススピーカー「ウェアラブルスピーカー」が注目されている。平たくいえば、スピーカーでありながらヘッドホンのようなパーソナルリスニングを実現できるもので、別の作業を行いながら音を聞く“ながら聴き”で使用している人が多い。スピーカーと耳の位置が近いから、小音量で音を出して周囲に迷惑を掛けることも少ないし、ヘッドホン/イヤホンのように外音と遮断される事もないという絶妙な位置づけの製品で、多くのメーカーが参入する人気オーディオジャンルとなっている。
筆者にとって初めてのウェアラブルスピーカー体験は、ケンウッドブランドから発売された「CAX-NS1BT」。ヘッドホンとスピーカーの「いいとこ取り」を実現した、大変興味深い製品という印象だった。JVCブランドからも、コストパフォーマンスに優れる「SP-A7WT」が発売されているので、今回、クオリティをチェックしたい。
改めて本モデルのアウトラインを解説すると、Bluetoothに対応した軽量ウェアラブルスピーカーで、サブネームに「NAGARAKU」とある通り、スマホやパソコンと組み合わせて音楽を“ながら聴き”して下さいという製品だ。また、付属するBluetooth送信トランスミッターをテレビにセットすれば、テレビの音声も受信して耳元で聞くことができる。つまり深夜でも音量を気にせずテレビを楽しめるわけだ。
ボディはウェアラブルスピーカーでおなじみのネックバンドタイプで、美しく無駄のない流線型。そして本体重量は83gと軽量だ。内部には、20mm×15mmのメインスピーカーが2基、それに加え20mm×15mmのパッシブラジエーターも2基搭載され、ウェアラブルスピーカーの弱点ともいえる低音再生能力を補間している。
さらに本機はマイクも内蔵しており、スマホと組み合わせた場合には、ハンズフリーかつイヤーフリーによる通話にも対応。また、ペアリングしたスマートフォンの音声アシスタント機能の起動なども行えるなど、後発らしく機能性も高めている。
Bluetoothのバージョンは5.0で、コーデックはSBCに加え、高音質接続コーデックのaptXに対応する。そして大きなポイントとして、低遅延を実現するaptX LLに対応していることも挙げられる。Bluetoothはしばし音声遅延が問題になる。音楽鑑賞では気にならないものの、テレビやYouTube動画、さらにゲームコンテンツで画面と音声がズレることは致命的で、その点、本機は低遅延を実現するコーデックに対応しているから安心だ。
またウェアラブルスピーカーの選択ポイントとしてバッテリーの持続時間があるのだが、本モデルは約15時間の連続再生時間を確保しているのが嬉しい。充電時間は約3時間となっている。さらにIPX4相当の防水機能を備えるので、キッチンなどでの使用も安心だ。
まずは、Astell&Kern「SE100」とaptX でBluetooth接続して、第61回グラミー賞にて「最優秀ロック・アルバム」を受賞したグレタ・ヴァン・フリート『フロム・ザ・ファイアーズ』を再生した。サウンドはクリアーで、事前に予想しているよりもしっかりとした気疲れのない再生音だ。小型ボディだから重低音というわけにはいかないが、鋭く立ち上がりの良いベースやドラムのビートが気持ち良い。
続いてテレビと組み合わせる。事前準備はシンプルで、付属のトランスミッターをテレビのUSB端子へ挿入(トランスミッターの電源供給のため)し、テレビのイヤホン端子とトランスミッターを付属ケーブルで結ぶだけだ。
部屋の大きさは8畳で、近くで家族がパソコンを使いながら別作業をしている中、筆者がテレビを見るという状態だ。これまでこのようなケースでは、家族に迷惑がかからないようにテレビの音をかなり小さめにして、なんとなく映像だけで楽しんでいた。
それがCAX-NS1BTを使うと、家族には聞こえず自分のパーソナル空間でテレビの音声を聞くことができる。小音量時でもバランスが良い音で、ニュースのセリフも明瞭だ。さらにドキュメンタリー番組などでの環境音もしっかりと聞こえてくる。海外製の安価な製品とは全く違う秀逸なサウンドで、流石は老舗オーディオブランドの製品といったところだ。
また、大きく感心したのは付け心地の良さである。重量は83グラムと軽く、肩に乗せた瞬間「軽い!」と感じ、そのまま着けている意識さえなくなっている。試しに撮り溜めした2時間半の映画を見たが、肩周りの疲労感はほとんど感じない。さらにソファに寄っかかるようなラフな姿勢でも安定しており、使い勝手は最高だった。
本製品は音質、付け心地、機能性と非常にバランスが取れており、VGP2020のウェアラブルネックスピーカー部門でも金賞を受賞している。何よりもクラス最軽量という絶大なアドバンテージがあり、Bluetooth送信ユニットも付属するので購入後の使用範囲が広いのが大きな魅力だ。
また、ウェアラブルスピーカーは多くのメーカーから発売されており、形状や重さは様々だ。音質を最も重視するのであれば、比較的大型のものを選んでも良いが、長時間の音楽視聴や、最も使用用途が高いであろう映画鑑賞やテレビ視聴においては、肩が疲れない本モデルのような軽量な製品を強くお勧めしたい。老若男女問わず、かつ音楽視聴からテレビ視聴まで多くのシーンで大活躍してくれるコストパフォーマンスの高い製品だった。
筆者にとって初めてのウェアラブルスピーカー体験は、ケンウッドブランドから発売された「CAX-NS1BT」。ヘッドホンとスピーカーの「いいとこ取り」を実現した、大変興味深い製品という印象だった。JVCブランドからも、コストパフォーマンスに優れる「SP-A7WT」が発売されているので、今回、クオリティをチェックしたい。
改めて本モデルのアウトラインを解説すると、Bluetoothに対応した軽量ウェアラブルスピーカーで、サブネームに「NAGARAKU」とある通り、スマホやパソコンと組み合わせて音楽を“ながら聴き”して下さいという製品だ。また、付属するBluetooth送信トランスミッターをテレビにセットすれば、テレビの音声も受信して耳元で聞くことができる。つまり深夜でも音量を気にせずテレビを楽しめるわけだ。
ボディはウェアラブルスピーカーでおなじみのネックバンドタイプで、美しく無駄のない流線型。そして本体重量は83gと軽量だ。内部には、20mm×15mmのメインスピーカーが2基、それに加え20mm×15mmのパッシブラジエーターも2基搭載され、ウェアラブルスピーカーの弱点ともいえる低音再生能力を補間している。
さらに本機はマイクも内蔵しており、スマホと組み合わせた場合には、ハンズフリーかつイヤーフリーによる通話にも対応。また、ペアリングしたスマートフォンの音声アシスタント機能の起動なども行えるなど、後発らしく機能性も高めている。
Bluetoothのバージョンは5.0で、コーデックはSBCに加え、高音質接続コーデックのaptXに対応する。そして大きなポイントとして、低遅延を実現するaptX LLに対応していることも挙げられる。Bluetoothはしばし音声遅延が問題になる。音楽鑑賞では気にならないものの、テレビやYouTube動画、さらにゲームコンテンツで画面と音声がズレることは致命的で、その点、本機は低遅延を実現するコーデックに対応しているから安心だ。
またウェアラブルスピーカーの選択ポイントとしてバッテリーの持続時間があるのだが、本モデルは約15時間の連続再生時間を確保しているのが嬉しい。充電時間は約3時間となっている。さらにIPX4相当の防水機能を備えるので、キッチンなどでの使用も安心だ。
まずは、Astell&Kern「SE100」とaptX でBluetooth接続して、第61回グラミー賞にて「最優秀ロック・アルバム」を受賞したグレタ・ヴァン・フリート『フロム・ザ・ファイアーズ』を再生した。サウンドはクリアーで、事前に予想しているよりもしっかりとした気疲れのない再生音だ。小型ボディだから重低音というわけにはいかないが、鋭く立ち上がりの良いベースやドラムのビートが気持ち良い。
続いてテレビと組み合わせる。事前準備はシンプルで、付属のトランスミッターをテレビのUSB端子へ挿入(トランスミッターの電源供給のため)し、テレビのイヤホン端子とトランスミッターを付属ケーブルで結ぶだけだ。
部屋の大きさは8畳で、近くで家族がパソコンを使いながら別作業をしている中、筆者がテレビを見るという状態だ。これまでこのようなケースでは、家族に迷惑がかからないようにテレビの音をかなり小さめにして、なんとなく映像だけで楽しんでいた。
それがCAX-NS1BTを使うと、家族には聞こえず自分のパーソナル空間でテレビの音声を聞くことができる。小音量時でもバランスが良い音で、ニュースのセリフも明瞭だ。さらにドキュメンタリー番組などでの環境音もしっかりと聞こえてくる。海外製の安価な製品とは全く違う秀逸なサウンドで、流石は老舗オーディオブランドの製品といったところだ。
また、大きく感心したのは付け心地の良さである。重量は83グラムと軽く、肩に乗せた瞬間「軽い!」と感じ、そのまま着けている意識さえなくなっている。試しに撮り溜めした2時間半の映画を見たが、肩周りの疲労感はほとんど感じない。さらにソファに寄っかかるようなラフな姿勢でも安定しており、使い勝手は最高だった。
本製品は音質、付け心地、機能性と非常にバランスが取れており、VGP2020のウェアラブルネックスピーカー部門でも金賞を受賞している。何よりもクラス最軽量という絶大なアドバンテージがあり、Bluetooth送信ユニットも付属するので購入後の使用範囲が広いのが大きな魅力だ。
また、ウェアラブルスピーカーは多くのメーカーから発売されており、形状や重さは様々だ。音質を最も重視するのであれば、比較的大型のものを選んでも良いが、長時間の音楽視聴や、最も使用用途が高いであろう映画鑑賞やテレビ視聴においては、肩が疲れない本モデルのような軽量な製品を強くお勧めしたい。老若男女問わず、かつ音楽視聴からテレビ視聴まで多くのシーンで大活躍してくれるコストパフォーマンスの高い製品だった。