公開日 2021/12/06 06:30
【PR】音が風景に溶け込み、ともに長く暮らせる一台
“ながら聴き”完全ワイヤレスambie「AM-TW01」が日常を変える。快適なサウンドと使い心地を体感
海上 忍
自分の生活のなかに “さり気なく” 音楽を取り込んで、様々なシチュエーションを演出する。そんな、良い意味で音楽に集中しすぎない、“ながら聴き” というトレンドを推進するのがambieだ。その “ながら聴き” を、さらにストレスなく実現する、ブランド初の完全ワイヤレスイヤホン「AM-TW01」が登場した。実際の使い勝手や聴こえ方をレビューしていこう。
■“音を着る”コンセプトを変えず、完全ワイヤレス化した「AM-TW01」
気がつけば、イヤホンは「音楽を愉しむもの」から「生活を充実させるもの」へと進化した。その背景には、スマートフォンの普及とネット動画など、音楽以外の音コンテンツの充実もあるが、より「個」を尊重するライフスタイルの浸透と、日常化するビデオ会議などコロナ禍により変貌した「音を含む環境との付き合いかた」の影響があることも見逃せない。
ここに紹介する「ambie AM-TW01(以下、AM-TW01)」は、ソニーからスピンオフする形で創業した “ambie” ブランド初の完全ワイヤレスイヤホン。2017年に発売した最初のイヤホン「sound earcuffs AM-01」、第2弾のネックバンド型Bluetoothイヤホン「wireless earcuffs AM-BT01」と同様、耳に引っ掛けるタイプのアクセサリー「イヤーカフ」に着想を得たデザインを採用。ひと目でambieの製品とわかる。
ダンベルを折り曲げたような筐体は、2つのパートに分かれている。大きい方にバッテリーと通信部・アンプ部を格納し、小さい方に搭載された9mm径ダイナミックドライバーを駆動する。
耳穴付近から鼓膜方向へ音を送り出す構造は従来のambie製品同様だが、大きい方にドライバーを格納して、音導管を通じて小さい方に設けられた開口部から音を出力する、という従来モデルに共通していた構造からは一変している。
この変更について、ambie CEO・三原氏に話を訊くと、完全ワイヤレスイヤホンならではの事情を考慮した結果だという。「『音を着る』というイヤーカフ型イヤホンのコンセプトを変えずに、バッテリーやアンテナを配置し、連続再生時間や受信性能など完全ワイヤレスイヤホンとしての性能を確保しました」(三原氏)とのことで、なるほどと頷ける、理にかなった設計だ。
また、タッチセンサーではなく物理ボタンを採用。大きい方の球形部先端に備えている。三原氏いわく、タッチセンサー式による誤動作が生じにくく、ボタンを押した際に操作感のフィードバックもしっかり得られるなど、物理ボタンのメリットは大きいとしている。
それにしても、音の出る部分が耳から離れている。我々の経験則からすると、盛大に音漏れしてもおかしくないように見える。だが、耳の奥へ音を送り込むような構造とすることで、日常的な利用には差し支えないレベルに抑えているという。
耳を塞がず音漏れしない構造としては、骨伝導という選択肢もあったのでは?と水を向けてみると、「当初検討したことはありますが、有利な点・不利な点を考慮した結果、現在のイヤーカフ型に落ち着きました」と三原氏は語る。結果として、完全ワイヤレスに形状を変えつつも、ひと目でambie製品とわかるスタイルを維持しているのだから、なかなかのものだ。
通信性能と音質を左右するBluetoothチップには、最新仕様をうたう完全ワイヤレスイヤホンで定番のQualcomm QCC3040を採用する。本機では、耳の裏側に当たる部分にBluetoothチップ、上部のカーブに沿ってアンテナを配置しており、他の完全ワイヤレス製品と比べて不利なレイアウトとなっていることから、接続安定性の高いチップを選択しているのだという。
左右独立伝送技術のTrueWireless Mirroingに対応し、オーディオコーデックにはSBCとAACに加えて、aptX Adaptiveをサポートする。マイクから入力した音声の雑音を低減する技術「cVc 8.0」にも対応するから、音声通話やテレビ会議での活用という点でも抜かりない。
■風景に音楽が溶け込み、装着もサウンドも快適そのもの。ともにずっと暮らせる一台
AM-TW01はイヤーカフ型という他にない形状なだけに、装着感は独特だ。カフスやイヤリングに近いファッション性があり、20代から30代向けという印象を受けるが、開放型イヤホンとして自宅・テレワーク用としても活用できるため、性別も年齢も問わず誰もが使いやすい仕様だ。
装着手順も他の完全ワイヤレスイヤホンとは大きく異なる。ダンベルを折り曲げたような筐体の隙間を外耳に挟み込むような形だが、これが片手では難しい。筆者の場合、片手でAM-TW01を持ち、もう片方の手で耳を引っ張って隙間に滑り込ませるスタイルに落ち着いたが、イヤリングやピアスを扱い慣れた女性ならばもっとスマートに装着できるはず。ともあれ、いちど装着すれば異物感は少なく、耳穴をふさがないので軽快だ。
音楽の再生を開始すると、開放型ならではの響きが穏やかで心地いいサウンドが聴こえてくる。周囲の人の声や環境雑音はそのまま耳に入ってくるものの、音楽がほどよくミックスされる。イヤホンというよりは、耳穴近くで鳴るスピーカーと喩えたほうが適切だろう。
全体的な印象は、“風景に音楽が溶け込む” と表現すればいいだろうか、主役だったはずの曲の旋律が脇役に回ったような、目に映る景色の引き立て役になったような印象。ストリーミングサービスでウクレレの演奏をしばらく聴いたが、マンションの一室でも気分はハワイだ。
個人的には、弦楽器のみ、アコースティックギター1本、といったシンプルな構成の曲がおすすめだが、バンド構成で音圧高めの曲もしっかり鳴らせる。9mm径という完全ワイヤレスイヤホンにしては大きめのドライバーを搭載した効果か、音のキレが明瞭でエナジー感もあり、ノリのいい曲をBGMにしてデスクワークに集中、といった使いかたもアリだろう。
音声通話では、とにかく相手の声が自然に聞こえる。もちろん、声の聞こえ方そのものは相手が使用する電話機(あるいはイヤホン、ヘッドセット)の状態とマイク性能によるが、声が環境音と一緒に鼓膜へ届くから、閉塞感や密閉感を感じながら相手の声だけが響くといったことはない。両耳利用時でも開放的だから、電話やテレビ会議のたびに片方を外す、といった手間は無用だ。
日課のランニングにも持ち出してみた。ホールドする力、というより力をいれて隙間から耳を滑り出させないかぎり外れないから、走っていても外れることはない。ズレはほとんど感じられず、汗が滴り落ちてきてもイヤな感じがしない。周囲の音がよく聴こえるだけに、自転車や歩行者とすれ違うときにも安心だ。
1週間も利用していると、きめ細かい漆喰のようなサラサラとした表面の質感、なにより開放的な装着感とそのサウンドに愛着が湧いてくる。長時間装着できるし、長い期間ともに暮らせる完全ワイヤレスイヤホンだ。
本記事はプレミアムヘッドホンガイドマガジンVOL.17 2022 WINTERからの転載です。
(協力:ambie)
■“音を着る”コンセプトを変えず、完全ワイヤレス化した「AM-TW01」
気がつけば、イヤホンは「音楽を愉しむもの」から「生活を充実させるもの」へと進化した。その背景には、スマートフォンの普及とネット動画など、音楽以外の音コンテンツの充実もあるが、より「個」を尊重するライフスタイルの浸透と、日常化するビデオ会議などコロナ禍により変貌した「音を含む環境との付き合いかた」の影響があることも見逃せない。
ここに紹介する「ambie AM-TW01(以下、AM-TW01)」は、ソニーからスピンオフする形で創業した “ambie” ブランド初の完全ワイヤレスイヤホン。2017年に発売した最初のイヤホン「sound earcuffs AM-01」、第2弾のネックバンド型Bluetoothイヤホン「wireless earcuffs AM-BT01」と同様、耳に引っ掛けるタイプのアクセサリー「イヤーカフ」に着想を得たデザインを採用。ひと目でambieの製品とわかる。
ダンベルを折り曲げたような筐体は、2つのパートに分かれている。大きい方にバッテリーと通信部・アンプ部を格納し、小さい方に搭載された9mm径ダイナミックドライバーを駆動する。
耳穴付近から鼓膜方向へ音を送り出す構造は従来のambie製品同様だが、大きい方にドライバーを格納して、音導管を通じて小さい方に設けられた開口部から音を出力する、という従来モデルに共通していた構造からは一変している。
この変更について、ambie CEO・三原氏に話を訊くと、完全ワイヤレスイヤホンならではの事情を考慮した結果だという。「『音を着る』というイヤーカフ型イヤホンのコンセプトを変えずに、バッテリーやアンテナを配置し、連続再生時間や受信性能など完全ワイヤレスイヤホンとしての性能を確保しました」(三原氏)とのことで、なるほどと頷ける、理にかなった設計だ。
また、タッチセンサーではなく物理ボタンを採用。大きい方の球形部先端に備えている。三原氏いわく、タッチセンサー式による誤動作が生じにくく、ボタンを押した際に操作感のフィードバックもしっかり得られるなど、物理ボタンのメリットは大きいとしている。
それにしても、音の出る部分が耳から離れている。我々の経験則からすると、盛大に音漏れしてもおかしくないように見える。だが、耳の奥へ音を送り込むような構造とすることで、日常的な利用には差し支えないレベルに抑えているという。
耳を塞がず音漏れしない構造としては、骨伝導という選択肢もあったのでは?と水を向けてみると、「当初検討したことはありますが、有利な点・不利な点を考慮した結果、現在のイヤーカフ型に落ち着きました」と三原氏は語る。結果として、完全ワイヤレスに形状を変えつつも、ひと目でambie製品とわかるスタイルを維持しているのだから、なかなかのものだ。
通信性能と音質を左右するBluetoothチップには、最新仕様をうたう完全ワイヤレスイヤホンで定番のQualcomm QCC3040を採用する。本機では、耳の裏側に当たる部分にBluetoothチップ、上部のカーブに沿ってアンテナを配置しており、他の完全ワイヤレス製品と比べて不利なレイアウトとなっていることから、接続安定性の高いチップを選択しているのだという。
左右独立伝送技術のTrueWireless Mirroingに対応し、オーディオコーデックにはSBCとAACに加えて、aptX Adaptiveをサポートする。マイクから入力した音声の雑音を低減する技術「cVc 8.0」にも対応するから、音声通話やテレビ会議での活用という点でも抜かりない。
■風景に音楽が溶け込み、装着もサウンドも快適そのもの。ともにずっと暮らせる一台
AM-TW01はイヤーカフ型という他にない形状なだけに、装着感は独特だ。カフスやイヤリングに近いファッション性があり、20代から30代向けという印象を受けるが、開放型イヤホンとして自宅・テレワーク用としても活用できるため、性別も年齢も問わず誰もが使いやすい仕様だ。
装着手順も他の完全ワイヤレスイヤホンとは大きく異なる。ダンベルを折り曲げたような筐体の隙間を外耳に挟み込むような形だが、これが片手では難しい。筆者の場合、片手でAM-TW01を持ち、もう片方の手で耳を引っ張って隙間に滑り込ませるスタイルに落ち着いたが、イヤリングやピアスを扱い慣れた女性ならばもっとスマートに装着できるはず。ともあれ、いちど装着すれば異物感は少なく、耳穴をふさがないので軽快だ。
音楽の再生を開始すると、開放型ならではの響きが穏やかで心地いいサウンドが聴こえてくる。周囲の人の声や環境雑音はそのまま耳に入ってくるものの、音楽がほどよくミックスされる。イヤホンというよりは、耳穴近くで鳴るスピーカーと喩えたほうが適切だろう。
全体的な印象は、“風景に音楽が溶け込む” と表現すればいいだろうか、主役だったはずの曲の旋律が脇役に回ったような、目に映る景色の引き立て役になったような印象。ストリーミングサービスでウクレレの演奏をしばらく聴いたが、マンションの一室でも気分はハワイだ。
個人的には、弦楽器のみ、アコースティックギター1本、といったシンプルな構成の曲がおすすめだが、バンド構成で音圧高めの曲もしっかり鳴らせる。9mm径という完全ワイヤレスイヤホンにしては大きめのドライバーを搭載した効果か、音のキレが明瞭でエナジー感もあり、ノリのいい曲をBGMにしてデスクワークに集中、といった使いかたもアリだろう。
音声通話では、とにかく相手の声が自然に聞こえる。もちろん、声の聞こえ方そのものは相手が使用する電話機(あるいはイヤホン、ヘッドセット)の状態とマイク性能によるが、声が環境音と一緒に鼓膜へ届くから、閉塞感や密閉感を感じながら相手の声だけが響くといったことはない。両耳利用時でも開放的だから、電話やテレビ会議のたびに片方を外す、といった手間は無用だ。
日課のランニングにも持ち出してみた。ホールドする力、というより力をいれて隙間から耳を滑り出させないかぎり外れないから、走っていても外れることはない。ズレはほとんど感じられず、汗が滴り落ちてきてもイヤな感じがしない。周囲の音がよく聴こえるだけに、自転車や歩行者とすれ違うときにも安心だ。
1週間も利用していると、きめ細かい漆喰のようなサラサラとした表面の質感、なにより開放的な装着感とそのサウンドに愛着が湧いてくる。長時間装着できるし、長い期間ともに暮らせる完全ワイヤレスイヤホンだ。
本記事はプレミアムヘッドホンガイドマガジンVOL.17 2022 WINTERからの転載です。
(協力:ambie)
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