公開日 2021/12/07 06:35
【特別企画】オーディオアクセサリー銘機賞 グランプリ受賞
コード・カンパニーの最新兵器。「パワーアレイ・プロフェッショナル」は音質改善効果も超パワフル
林 正儀
英国を代表するケーブルブランド、コード・カンパニーの電源用ノイズ対策アイテムとして登場したPowerARAY(パワーアレイ)に、なんと“プロフェッショナル”版が登場した。従来の「パワーアレイ」が10個分以上の効果とも言われるが、実際の効果はいかに。オーディオアクセサリー銘機賞でもグランプリを獲得した本モデル、そのサウンドを林 正儀氏が体験する。
■電源が超パワフルかつクリーンに
英国コード・カンパニーより、新しく「パワーアレイ」の強化バージョンが登場するという。「パワーアレイ」といえば、同社が渾身の思いで開発した強力な電源用“ノイズポンプ”。拙宅でも愛用中だ。そうそう簡単にバージョンアップできるのか? そんなことを考えながら同製品を取り扱うアンダンテラルゴの試聴室を訪問する私である。
電源プラグのお化けみたいなイメージでいたのだが、体面したのは何やら秘密のボックスだった。かなりの重さがあり、正式仕様は電源ケーブル付きであるという。その名も「パワーアレイ・プロフェッショナル」。スタンダードの「パワーアレイ」と比べてもその効果はすさまじく、電源全体が活性化されて超パワフルになったのだ。長いオーディオ歴のなかでも天地がひっくりかえるほどで、“ノイズポンプ”のボス的な存在といってよい。実際の試聴レポートの前に、読者に予備知識として知っておいて欲しいことがある。アンダンテラルゴの代表、鈴木 良さんはいう。
「プロフェッショナルという発想は以前からあったそうです。“ノイズポンプ”の効果を、家庭における再生だけでなく録音の現場まで立ち上がって上流側で音に貢献したい。そんな想いでこう命名したそうです」。内部の詳細は企業秘密だが、コード・カンパニー社代表のアラン・ギブは相当な自信を持っているという。
一体「パワーアレイ」の何個分に匹敵するのか? 聴く前からゾクゾクとする。試聴室で鈴木さんが選んだCDは、ドイツの演奏家兼作曲家ニルス・フラームの、鍵盤楽器主体の即興的な曲だった。シンプルなメロディでわかりやすく、試聴盤にぴったりである。
いきなり「プロフェッショナル」と「パワーアレイ」「グラウンドアレイ」も含めた全部挿しからの試聴だ。プラグは合わせて10本近くあるだろう。これはズッウ〜ンと沈む重低音。ベースとも違う打鍵のような強い響きで、高い方もクリアかつ生々しい。
ところが「プロフェッショナル」だけを抜いてみると、低音がどこかへいったような感触だ。出てはいるのだが強さやたっぷり感が薄く、音圧も下がって聴こえた。もとに戻すとまたズッウ〜ンが復活。何度やっても同じである。
最新モデル「プロフェッショナル」のパフォーマンスが際立つ実験だが、改めて「パワーアレイ」「グラウンドアレイ」の連合軍と10対1でガチンコ対決をさせてみよう。普通なら多勢に無勢で10本のアレイプラグが有利なはずだ。しかし空き端子に全部挿してその音を聴くと、情報量はあるがどうも密度が薄い感じだ。低音の豊かさも不足ぎみ。それを全て抜いてかわりに「プロフェッショナル」を1台つないだところ、来た来たすごい低音が。減衰が長く自然で音場のバランスも上々。
■アレイ・シリーズとの併用で最高レベルの相乗効果を発揮
とはいえ、「プロフェッショナル」があれば「グラウンドアレイ」や標準の「パワーアレイ」がいらないわけじゃない。「プロフェッショナル」を挿したままCDプレーヤーの空き端子に「グラウンドアレイ」を挿してみると、そこから高域の解像度と情報量が上がる。クッキリ明瞭になる感じだ。次にプリに挿そう。CDプレーヤーのとき一旦高域によったのが、低域が付加されトータルな音としてバランスがよくなった印象だ。
電源対策も見事に積み上げ効果を発揮する。「パワーアレイ」をまずパワーアンプ用の電源に挿す。上流のプリとCDにもと、挿せば挿すほどパワーが注ぎ込まれ、音楽が有機的に生き生き躍動することがわかった。低音のエネルギーが一分間も消えずに残っていることが驚きだ。
「グラウンドアレイ」や「パワーアレイ」単独では気付かなかった様々な効果が、新製品の「パワーアレイ・プロフェッショナル」によって引き出されてくるようである。筆者が持参した藤田恵美のヴォーカルや角田健一ビックバンド、室内楽やピアノ曲など、これまで体験したことのない最高レベルの音を聴かせてくれたのだ。
「プロフェッショナル」は、電源用のとてつもなく巨大な“ノイズポンプ”だといえる。いままでの「パワーアレイ」が一戸建てのノイズポンプだとすれば、これはビルに匹敵する。それぐらいの能力があるのではないか。下手なパワーアンプを買い換えるより「プロフェッショナル」1台を買う方がよいと、私は断言する。アンプの改善以上のサウンドと音楽が手に入るからだ。
最後に「プロフェッショナル」を導入する際のアドバイスをひとつ。もし電源フィルター等を使っていたらそれを必ず外そう。本機の価値が十分出ない恐れがあるからだ。併用する場合は同じメーカー(コード・カンパニー社製)で統一するのがセオリーである。あなたもぜひ「パワーアレイ・プロフェッショナル」の世界へ。
(提供:アンダンテラルゴ)
本記事は『季刊・analog vol.73』からの転載です。
■電源が超パワフルかつクリーンに
英国コード・カンパニーより、新しく「パワーアレイ」の強化バージョンが登場するという。「パワーアレイ」といえば、同社が渾身の思いで開発した強力な電源用“ノイズポンプ”。拙宅でも愛用中だ。そうそう簡単にバージョンアップできるのか? そんなことを考えながら同製品を取り扱うアンダンテラルゴの試聴室を訪問する私である。
電源プラグのお化けみたいなイメージでいたのだが、体面したのは何やら秘密のボックスだった。かなりの重さがあり、正式仕様は電源ケーブル付きであるという。その名も「パワーアレイ・プロフェッショナル」。スタンダードの「パワーアレイ」と比べてもその効果はすさまじく、電源全体が活性化されて超パワフルになったのだ。長いオーディオ歴のなかでも天地がひっくりかえるほどで、“ノイズポンプ”のボス的な存在といってよい。実際の試聴レポートの前に、読者に予備知識として知っておいて欲しいことがある。アンダンテラルゴの代表、鈴木 良さんはいう。
「プロフェッショナルという発想は以前からあったそうです。“ノイズポンプ”の効果を、家庭における再生だけでなく録音の現場まで立ち上がって上流側で音に貢献したい。そんな想いでこう命名したそうです」。内部の詳細は企業秘密だが、コード・カンパニー社代表のアラン・ギブは相当な自信を持っているという。
一体「パワーアレイ」の何個分に匹敵するのか? 聴く前からゾクゾクとする。試聴室で鈴木さんが選んだCDは、ドイツの演奏家兼作曲家ニルス・フラームの、鍵盤楽器主体の即興的な曲だった。シンプルなメロディでわかりやすく、試聴盤にぴったりである。
いきなり「プロフェッショナル」と「パワーアレイ」「グラウンドアレイ」も含めた全部挿しからの試聴だ。プラグは合わせて10本近くあるだろう。これはズッウ〜ンと沈む重低音。ベースとも違う打鍵のような強い響きで、高い方もクリアかつ生々しい。
ところが「プロフェッショナル」だけを抜いてみると、低音がどこかへいったような感触だ。出てはいるのだが強さやたっぷり感が薄く、音圧も下がって聴こえた。もとに戻すとまたズッウ〜ンが復活。何度やっても同じである。
最新モデル「プロフェッショナル」のパフォーマンスが際立つ実験だが、改めて「パワーアレイ」「グラウンドアレイ」の連合軍と10対1でガチンコ対決をさせてみよう。普通なら多勢に無勢で10本のアレイプラグが有利なはずだ。しかし空き端子に全部挿してその音を聴くと、情報量はあるがどうも密度が薄い感じだ。低音の豊かさも不足ぎみ。それを全て抜いてかわりに「プロフェッショナル」を1台つないだところ、来た来たすごい低音が。減衰が長く自然で音場のバランスも上々。
■アレイ・シリーズとの併用で最高レベルの相乗効果を発揮
とはいえ、「プロフェッショナル」があれば「グラウンドアレイ」や標準の「パワーアレイ」がいらないわけじゃない。「プロフェッショナル」を挿したままCDプレーヤーの空き端子に「グラウンドアレイ」を挿してみると、そこから高域の解像度と情報量が上がる。クッキリ明瞭になる感じだ。次にプリに挿そう。CDプレーヤーのとき一旦高域によったのが、低域が付加されトータルな音としてバランスがよくなった印象だ。
電源対策も見事に積み上げ効果を発揮する。「パワーアレイ」をまずパワーアンプ用の電源に挿す。上流のプリとCDにもと、挿せば挿すほどパワーが注ぎ込まれ、音楽が有機的に生き生き躍動することがわかった。低音のエネルギーが一分間も消えずに残っていることが驚きだ。
「グラウンドアレイ」や「パワーアレイ」単独では気付かなかった様々な効果が、新製品の「パワーアレイ・プロフェッショナル」によって引き出されてくるようである。筆者が持参した藤田恵美のヴォーカルや角田健一ビックバンド、室内楽やピアノ曲など、これまで体験したことのない最高レベルの音を聴かせてくれたのだ。
「プロフェッショナル」は、電源用のとてつもなく巨大な“ノイズポンプ”だといえる。いままでの「パワーアレイ」が一戸建てのノイズポンプだとすれば、これはビルに匹敵する。それぐらいの能力があるのではないか。下手なパワーアンプを買い換えるより「プロフェッショナル」1台を買う方がよいと、私は断言する。アンプの改善以上のサウンドと音楽が手に入るからだ。
最後に「プロフェッショナル」を導入する際のアドバイスをひとつ。もし電源フィルター等を使っていたらそれを必ず外そう。本機の価値が十分出ない恐れがあるからだ。併用する場合は同じメーカー(コード・カンパニー社製)で統一するのがセオリーである。あなたもぜひ「パワーアレイ・プロフェッショナル」の世界へ。
(提供:アンダンテラルゴ)
本記事は『季刊・analog vol.73』からの転載です。
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