公開日 2023/07/24 06:30
【特別企画】コード・カンパニーのノイズ対策技術を活用
ネットワーク再生“本来の音”に出会う。LANケーブルに直列接続するアクセサリー「EE1」に注目!
井上千岳
コード・カンパニーのサブブランドであるイングリッシュ・エレクトリックから、ネットワーク専用のノイズ対策アイテム「EE1」が登場した。ヨーロッパに先駆け、アクセサリー市場が活発な日本では、7月3日より先行で予約受付を開始している。「EE1」の実力はいかなるものか、井上千岳氏の試聴レポートをお届けしよう。
イングリッシュ・エレクトリックはハイエンド・ケーブルで知られる英国コード・カンパニーのサブブランドで、まず8Switchというスイッチングハブで我が国に登場した。この「EE1」はその第2弾で、独自の考察とテクノロジーに基づくアイソレーターである。
LANケーブルでのノイズを低減するアクセサリーは、すでに各社からいくつも発売されている。それだけ需要が多いということだが、コード・カンパニーによるとネットワークではとりわけモデムやルーター経由でのノイズが目に見えて大きいという。それ以外の外来ノイズも含めて、ネットワーク経由で流入するノイズを低減するのが本機である。
一般的な100Mbpsを念頭に高周波ノイズの減衰を行う設計で、独自の専用チップを入出力間に直列で挟み、ノイズを遮断する。コモンモード・ノイズの除去比は50dBという。遮断したノイズは熱に変換して発散し、音楽信号だけを出力側へ伝送する仕組みだ。さらにインピーダンス整合を入念に取ることで、いっそう効果的なノイズ対策を可能にしている。筐体はアルミの引き抜き材。これがまた電磁波シールドにもなる。
試聴にあたっては、コード・カンパニーの高品質なLANケーブルを接続して、スフォルツァートのネットワークプレーヤーとハブの間に挿入して聴いてみた。
周囲のもやっとした暗騒音のような雰囲気、これがデジタルノイズの正体だが、それがさっと引いてしまうのが分かる。もちろん静かだが、それ以上に音のひとつひとつにまとわり付く汚れのようなノイズが目覚ましく消えてしまうのを感じる。ピアノのタッチがクリーンなのはもちろんだし、バロックの澄み切った響きはいっそう瑞々しい。
さらに変わるのはエネルギーの乗り方で、どのソースでも汚れが落ちた代わりに質感が豊かさを増し骨格が強い。そして高域へも低域の底の方にも、引っかかりなく音が伸びている。
ネットワーク再生は本来こういう音を想定していたのだ、ということがよく分かる。そのポテンシャルがようやく開かれてゆくのを感じるのである。
(提供:アンダンテラルゴ)
本記事は『季刊・アナログ 80号』からの転載です。
独自チップがノイズを遮断、音楽信号だけを出力する
イングリッシュ・エレクトリックはハイエンド・ケーブルで知られる英国コード・カンパニーのサブブランドで、まず8Switchというスイッチングハブで我が国に登場した。この「EE1」はその第2弾で、独自の考察とテクノロジーに基づくアイソレーターである。
LANケーブルでのノイズを低減するアクセサリーは、すでに各社からいくつも発売されている。それだけ需要が多いということだが、コード・カンパニーによるとネットワークではとりわけモデムやルーター経由でのノイズが目に見えて大きいという。それ以外の外来ノイズも含めて、ネットワーク経由で流入するノイズを低減するのが本機である。
一般的な100Mbpsを念頭に高周波ノイズの減衰を行う設計で、独自の専用チップを入出力間に直列で挟み、ノイズを遮断する。コモンモード・ノイズの除去比は50dBという。遮断したノイズは熱に変換して発散し、音楽信号だけを出力側へ伝送する仕組みだ。さらにインピーダンス整合を入念に取ることで、いっそう効果的なノイズ対策を可能にしている。筐体はアルミの引き抜き材。これがまた電磁波シールドにもなる。
まとわるノイズが消え、質感と強い骨格が出る
試聴にあたっては、コード・カンパニーの高品質なLANケーブルを接続して、スフォルツァートのネットワークプレーヤーとハブの間に挿入して聴いてみた。
周囲のもやっとした暗騒音のような雰囲気、これがデジタルノイズの正体だが、それがさっと引いてしまうのが分かる。もちろん静かだが、それ以上に音のひとつひとつにまとわり付く汚れのようなノイズが目覚ましく消えてしまうのを感じる。ピアノのタッチがクリーンなのはもちろんだし、バロックの澄み切った響きはいっそう瑞々しい。
さらに変わるのはエネルギーの乗り方で、どのソースでも汚れが落ちた代わりに質感が豊かさを増し骨格が強い。そして高域へも低域の底の方にも、引っかかりなく音が伸びている。
ネットワーク再生は本来こういう音を想定していたのだ、ということがよく分かる。そのポテンシャルがようやく開かれてゆくのを感じるのである。
(提供:アンダンテラルゴ)
本記事は『季刊・アナログ 80号』からの転載です。