公開日 2023/09/16 07:00
これまで音の再生系ではイヤホン/ヘッドホンを中心に製品展開を行ってきたSENNHEISER(ゼンハイザー)ブランドが、サウンドバー「AMBEO Soundbarシリーズ」を発表した時は誰しもが驚いたのではないか。初号機である「AMBEO Soundbar|Max」発売以降、「AMBEO Soundbar|Plus」も続き、突発的な製品展開ではないことを証明し、その存在感を示してきた。そしてこの秋、シリーズ最小モデル「AMBEO Soundbar|Mini」が誕生したのである。
ゼンハイザーが音響分野でも数多くの知見を持つ研究機関、フラウンホーファーと共同開発した3Dイマーシブサウンド技術『AMBEO(アンビオ)』は、専用収録マイクなど、音楽制作現場に向け先行して製品開発が進んでいた。AMBEOは独自のアルゴリズムを用いた立体音響テクノロジーであり、ゼンハイザーは録音・ミックス・再生というすべてのソリューションを網羅している。
特に再生においてはビームフォーミングやバーチャルスピーカーのマッピングなどの機能を最大限発揮できるよう、緻密かつ高機能なキャリブレーションを実施。このキャリブレーションの正確さ、性能の高さがAMBEOの特徴であり、壁の素材や壁までの距離、そして家具による反射やカーテンなどの吸音要素までも認識し、リスニングルームに合わせた音響効果が得られるよう最適化を図れるという。
このように優れた特性を持つAMBEOの技術を用いて収録された音源を理想の形で再生できる手段が欲しい、という要望に応えて登場したのがAMBEO Soundbar|Maxである。AMBEOよりも先行してイマーシブサラウンドを展開していたDolby Atmosなど、映画コンテンツとの共存によって、シームレスにAMBEOならではの素晴らしさも体験できるアイテムとして注目されたが、薄型TVと組み合わせるサウンドバーとしては非常に大きく、使い勝手は今一つであった。しかし、5.1.4chを本体一つで実現し、音の量感の豊かさに加え、定位や移動感など、正確な空間再現を味わえる、非常に優れた高級サウンドバーであり、この音を生かしつつ小型化できないものかと感じたものだ。
その思いが通じたのか、続いて発表されたシリーズ第2弾AMBEO Soundbar|Plusはサイズを大幅に小型化しつつも一体型7.1.4ch対応を実現。AMBEOの要となるキャリブレーションについても4基の内蔵マイクを用いる手法へ変更。より一層スマートなプロダクトへと進化した。価格面でも35万円超えの高級機だったAMBEO Soundbar|Maxに比べ、25万円以下に抑え、より現実味のあるプライス設定としていたが、まだまだ国内市場においては高く、大きいサウンドバーであったのかもしれない。
そして今回新登場となるAMBEO Soundbar|Miniは、AMBEO Soundbar|Plusよりもさらに一回り小さくなり、55型の薄型TVとの組み合わせに最適なサイズとなった。その上で一体型での7.1.4ch対応も実現しており、魅力が格段に増している。価格も税込13万2千円と、AMBEO Soundbar|Plusのほぼ半値となり、導入へのハードルも大きく下がった。とはいえ、一体型サウンドバーとしては依然高級機というプライスレンジではあるが、AMBEOコンテンツに加え、Dolby Atmos、DTS:X、360 Reality Audio、MPEG-H AUDIOなどのイマーシブサラウンドも存分に楽しめる、設置性に優れた一体型高機能モデルとして完成度も高く、これまでのAMBEO Soundbarにおける経緯を含め、シリーズ随一の高コスパモデルと呼ぶにふさわしい出来栄えである。
筐体にはSonova Consumer Hearing社が自ら開発した2発の10cmロングスローウーファーと4発のセルロース振動板採用4cmハイエンドフルレンジを搭載。フルレンジはフロントに2発、左右両サイドに1発ずつ配置され、ウーファーは上向き(前後放出スリットを装着)に取り付けられている。内蔵アンプは6ch合計で250Wの大出力を誇るD級アンプを採用。ウーファーについては43Hzというサイズからは想像できない深く響く低域を実現したという。
セットにはリモコンも付属するが、接続やキャリブレーション、操作を一括して行えるシリーズ共通のアプリケーション『Smart Control』が用意されており、映画/音楽/ニュース/ニュートラル/スポーツという5つのサウンドモードに加え、再生しているコンテンツに合わせて前述の5モードから自動で最適化できるアダプティブモードも用意。各モード選択時に編集設定から4バンド・グラフィックEQ(基礎【低域】/中-低域/透明度【中高域】/輝き【高域】)の調整も可能だ。
また夜間に最適なナイトモード、セリフや声を明瞭にするボイスエンハンスメントモードも搭載。ステレオ音声や5.1ch音声もアップミックスできるが、その効果を調整できるAMBEOのバーチャルサウンドレベルについては3段階で切り替えることもできる。入力はHDMI(eARC対応)1系統のみ。Wi-Fi接続に加え、Bluetooth接続(AACコーデックまで対応)も行える。
シリーズ最小筐体に上位機譲りの技術を投入
この音ならずっと使いたい。7.1.4ch対応サウンドバー「AMBEO Soundbar|Mini」のトレンドに左右されない普遍的な魅力
岩井 喬■シリーズ最小、価格も抑えた7.1.4ch対応一体型サウンドバー
これまで音の再生系ではイヤホン/ヘッドホンを中心に製品展開を行ってきたSENNHEISER(ゼンハイザー)ブランドが、サウンドバー「AMBEO Soundbarシリーズ」を発表した時は誰しもが驚いたのではないか。初号機である「AMBEO Soundbar|Max」発売以降、「AMBEO Soundbar|Plus」も続き、突発的な製品展開ではないことを証明し、その存在感を示してきた。そしてこの秋、シリーズ最小モデル「AMBEO Soundbar|Mini」が誕生したのである。
ゼンハイザーが音響分野でも数多くの知見を持つ研究機関、フラウンホーファーと共同開発した3Dイマーシブサウンド技術『AMBEO(アンビオ)』は、専用収録マイクなど、音楽制作現場に向け先行して製品開発が進んでいた。AMBEOは独自のアルゴリズムを用いた立体音響テクノロジーであり、ゼンハイザーは録音・ミックス・再生というすべてのソリューションを網羅している。
特に再生においてはビームフォーミングやバーチャルスピーカーのマッピングなどの機能を最大限発揮できるよう、緻密かつ高機能なキャリブレーションを実施。このキャリブレーションの正確さ、性能の高さがAMBEOの特徴であり、壁の素材や壁までの距離、そして家具による反射やカーテンなどの吸音要素までも認識し、リスニングルームに合わせた音響効果が得られるよう最適化を図れるという。
このように優れた特性を持つAMBEOの技術を用いて収録された音源を理想の形で再生できる手段が欲しい、という要望に応えて登場したのがAMBEO Soundbar|Maxである。AMBEOよりも先行してイマーシブサラウンドを展開していたDolby Atmosなど、映画コンテンツとの共存によって、シームレスにAMBEOならではの素晴らしさも体験できるアイテムとして注目されたが、薄型TVと組み合わせるサウンドバーとしては非常に大きく、使い勝手は今一つであった。しかし、5.1.4chを本体一つで実現し、音の量感の豊かさに加え、定位や移動感など、正確な空間再現を味わえる、非常に優れた高級サウンドバーであり、この音を生かしつつ小型化できないものかと感じたものだ。
その思いが通じたのか、続いて発表されたシリーズ第2弾AMBEO Soundbar|Plusはサイズを大幅に小型化しつつも一体型7.1.4ch対応を実現。AMBEOの要となるキャリブレーションについても4基の内蔵マイクを用いる手法へ変更。より一層スマートなプロダクトへと進化した。価格面でも35万円超えの高級機だったAMBEO Soundbar|Maxに比べ、25万円以下に抑え、より現実味のあるプライス設定としていたが、まだまだ国内市場においては高く、大きいサウンドバーであったのかもしれない。
そして今回新登場となるAMBEO Soundbar|Miniは、AMBEO Soundbar|Plusよりもさらに一回り小さくなり、55型の薄型TVとの組み合わせに最適なサイズとなった。その上で一体型での7.1.4ch対応も実現しており、魅力が格段に増している。価格も税込13万2千円と、AMBEO Soundbar|Plusのほぼ半値となり、導入へのハードルも大きく下がった。とはいえ、一体型サウンドバーとしては依然高級機というプライスレンジではあるが、AMBEOコンテンツに加え、Dolby Atmos、DTS:X、360 Reality Audio、MPEG-H AUDIOなどのイマーシブサラウンドも存分に楽しめる、設置性に優れた一体型高機能モデルとして完成度も高く、これまでのAMBEO Soundbarにおける経緯を含め、シリーズ随一の高コスパモデルと呼ぶにふさわしい出来栄えである。
筐体にはSonova Consumer Hearing社が自ら開発した2発の10cmロングスローウーファーと4発のセルロース振動板採用4cmハイエンドフルレンジを搭載。フルレンジはフロントに2発、左右両サイドに1発ずつ配置され、ウーファーは上向き(前後放出スリットを装着)に取り付けられている。内蔵アンプは6ch合計で250Wの大出力を誇るD級アンプを採用。ウーファーについては43Hzというサイズからは想像できない深く響く低域を実現したという。
セットにはリモコンも付属するが、接続やキャリブレーション、操作を一括して行えるシリーズ共通のアプリケーション『Smart Control』が用意されており、映画/音楽/ニュース/ニュートラル/スポーツという5つのサウンドモードに加え、再生しているコンテンツに合わせて前述の5モードから自動で最適化できるアダプティブモードも用意。各モード選択時に編集設定から4バンド・グラフィックEQ(基礎【低域】/中-低域/透明度【中高域】/輝き【高域】)の調整も可能だ。
また夜間に最適なナイトモード、セリフや声を明瞭にするボイスエンハンスメントモードも搭載。ステレオ音声や5.1ch音声もアップミックスできるが、その効果を調整できるAMBEOのバーチャルサウンドレベルについては3段階で切り替えることもできる。入力はHDMI(eARC対応)1系統のみ。Wi-Fi接続に加え、Bluetooth接続(AACコーデックまで対応)も行える。
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