公開日 2021/12/29 07:00
ag「COTSUBU for ASMR」
おじさん完全屈服、「えっちな完全ワイヤレスイヤホン」にわからせられた
編集部:押野 由宇
ついに世界で初となる、ASMR専用の完全ワイヤレスイヤホンが登場した。その名も「COTSUBU for ASMR」だ。
本機を手がけたのはag。日本の誇るオーディオブランドfinalが、「優れた製品を手に届きやすい価格で」をコンセプトに立ち上げた自社ブランドだ。そしてfinalといえば、『えっちなイヤホン』こと「E500」、『すごくえっちなイヤホン』こと「VR3000 for Gaming」を世に送り出した、高い技術力を正しく需要と供給に活かすブランドである。
そして今回の「COTSUBU for ASMR」は、「E500のワイヤレス化」を目指して開発されたというモデルとなる。つまりは「えっちな完全ワイヤレスイヤホン」。最高にクールジャパン、日本に生まれてよかった。
しかし、あのえっちなイヤホンが完全ワイヤレス化されたとなればいよいよ黙っていられない。なぜなら、完全ワイヤレスイヤホンはASMRにとっての最適解では、と思っているからだ。
以前に『ASMRはイヤホンとヘッドホンのどっちが気持ちいいのか』という記事を書いたことがある。その際に色々試したが、昂ぶったときにケーブルが引っかかれば現実にかえってしまうし、万が一にもケーブルが抜けてしまい、そのまま音が再生されて周囲にバレたとしたら、死を選ぶしかない。ヘッドホンはゴロンゴロンと悶えるのには邪魔だ。結果として「ワイヤレスイヤホン」が適していると感じたのだ。
そしてついに、音作りまでASMRに適したというモデルが登場したわけで、もしかしてオレの願いが通じたのかな? なんちゃっテ(滝汗)
ということでレビューしていきたい。今回はDL Siteで無料提供されている『モフられのお稲荷様 五十鈴編』(CV:安野希世乃)を試聴音源とした。安野さんが「泣かしたくなる感じの強気の女の子」を演じた “のじゃ系” 作品だ。この場を借りて、これを無料としてくれる社会に礼を述べたい。
まずASMR向けを謳っていない通常の完全ワイヤレスイヤホンで聞く。これが案外、声の距離感がしっかり感じられる。聞き手である自分に対して、五十鈴がどこにいるかという位置関係もはっきり伝わる。ただ、神社の風景を感じさせる背景音をしっかり聞き取るためには、声のボリュームがいささか大きく、耳に刺さるようなシーンもあるようだ。安野さんが「五十鈴はうるさめというか、喧々しているタイプ」と評しているのがよく理解できる。なんというか、わからせたくなる。
続いて一度、有線接続でE500を聞く。E500の特徴のひとつといえる、声がまろやかに聞こえる点がポジティブに作用し、柔らかな耳あたりの音になった。位置関係は左右や背後だけでなく、上下まで感じ取れ、五十鈴がクンクンと匂いをかぐシーンではわずかな首の動きまで幻視できるようになった。純粋に声の可愛さが感じられ、わからせたい気持ちを、甘やかしたいような気持ちが上回ってきた。
そしていよいよ、COTSUBU for ASMR。これは確かに、えっちなイヤホンの遺伝子を感じさせるサウンド傾向だ。音の柔らかさ、位置関係の感じ取れ方、見事なチューニングが施されている。なんならむしろ、声にわずかについていたささくれのような部分が取れ、よりまろやかさが出た。後半の尻尾わしゃわしゃモフモフ耳かきタイムでは、「毛の密度が大きいな」など色々な気付きも得られる。五十鈴に優しく語りかけられるシーンでは、もはやわからせるはずが、わからせられていた。
なにより、ケーブルがないことのメリットが絶大だ。ASMRによってゾワゾワしてつい身体がピクリとしてしまう瞬間も、ケーブルのタッチノイズが起きない。「尊い…」と思わず天を仰いでも、没入感が阻害されない。ベースモデルのag「COTSUBU」がシリーズ最小最軽量モデルということもあって、フィット感が高く外音をほどよく遮断。着けていても疲れにくく、装着性の高さが発揮されている。
またワイヤレスということで気になるのは遅延だが、まずボイスドラマのような音声作品では映像のマッチングを気にしなくていいため問題ない。YouTubeなどで多数投稿されている「気持ちいい音」などを聞ける動画だが、これもほぼ遅延が気にならない。例えばモノとモノがぶつかる音なども、“その瞬間” に音が飛び込んでくるように感じられる。
あえて言うなら金属的な音も多少まろやかになるため、人によっては逆にもっと鋭さが欲しいと感じるかもしれない。声についてもゾワゾワ感が薄まるというのは言える。ここは好みの範疇だろうが、長く楽しむことやそのまま微睡むようなことを考えると「COTSUBU for ASMR」が向いているのではないだろうか。
このようにE500で確立した方向性を完全ワイヤレス化した本機は、バイノーラル/ASMR作品を楽しむための “没入感” において群を抜いた存在だ。今後ますますコンテンツが増えるであろうこのジャンルに注目するなら、用意しておいて損はない。
なお、「えっちな完全ワイヤレスイヤホン」はここで勝手に言っているだけのこと。そんな名前はついていないし、そういう目的でなくても楽しめるので、誤解なきよう。
本機を手がけたのはag。日本の誇るオーディオブランドfinalが、「優れた製品を手に届きやすい価格で」をコンセプトに立ち上げた自社ブランドだ。そしてfinalといえば、『えっちなイヤホン』こと「E500」、『すごくえっちなイヤホン』こと「VR3000 for Gaming」を世に送り出した、高い技術力を正しく需要と供給に活かすブランドである。
そして今回の「COTSUBU for ASMR」は、「E500のワイヤレス化」を目指して開発されたというモデルとなる。つまりは「えっちな完全ワイヤレスイヤホン」。最高にクールジャパン、日本に生まれてよかった。
しかし、あのえっちなイヤホンが完全ワイヤレス化されたとなればいよいよ黙っていられない。なぜなら、完全ワイヤレスイヤホンはASMRにとっての最適解では、と思っているからだ。
以前に『ASMRはイヤホンとヘッドホンのどっちが気持ちいいのか』という記事を書いたことがある。その際に色々試したが、昂ぶったときにケーブルが引っかかれば現実にかえってしまうし、万が一にもケーブルが抜けてしまい、そのまま音が再生されて周囲にバレたとしたら、死を選ぶしかない。ヘッドホンはゴロンゴロンと悶えるのには邪魔だ。結果として「ワイヤレスイヤホン」が適していると感じたのだ。
そしてついに、音作りまでASMRに適したというモデルが登場したわけで、もしかしてオレの願いが通じたのかな? なんちゃっテ(滝汗)
ということでレビューしていきたい。今回はDL Siteで無料提供されている『モフられのお稲荷様 五十鈴編』(CV:安野希世乃)を試聴音源とした。安野さんが「泣かしたくなる感じの強気の女の子」を演じた “のじゃ系” 作品だ。この場を借りて、これを無料としてくれる社会に礼を述べたい。
まずASMR向けを謳っていない通常の完全ワイヤレスイヤホンで聞く。これが案外、声の距離感がしっかり感じられる。聞き手である自分に対して、五十鈴がどこにいるかという位置関係もはっきり伝わる。ただ、神社の風景を感じさせる背景音をしっかり聞き取るためには、声のボリュームがいささか大きく、耳に刺さるようなシーンもあるようだ。安野さんが「五十鈴はうるさめというか、喧々しているタイプ」と評しているのがよく理解できる。なんというか、わからせたくなる。
続いて一度、有線接続でE500を聞く。E500の特徴のひとつといえる、声がまろやかに聞こえる点がポジティブに作用し、柔らかな耳あたりの音になった。位置関係は左右や背後だけでなく、上下まで感じ取れ、五十鈴がクンクンと匂いをかぐシーンではわずかな首の動きまで幻視できるようになった。純粋に声の可愛さが感じられ、わからせたい気持ちを、甘やかしたいような気持ちが上回ってきた。
そしていよいよ、COTSUBU for ASMR。これは確かに、えっちなイヤホンの遺伝子を感じさせるサウンド傾向だ。音の柔らかさ、位置関係の感じ取れ方、見事なチューニングが施されている。なんならむしろ、声にわずかについていたささくれのような部分が取れ、よりまろやかさが出た。後半の尻尾わしゃわしゃモフモフ耳かきタイムでは、「毛の密度が大きいな」など色々な気付きも得られる。五十鈴に優しく語りかけられるシーンでは、もはやわからせるはずが、わからせられていた。
なにより、ケーブルがないことのメリットが絶大だ。ASMRによってゾワゾワしてつい身体がピクリとしてしまう瞬間も、ケーブルのタッチノイズが起きない。「尊い…」と思わず天を仰いでも、没入感が阻害されない。ベースモデルのag「COTSUBU」がシリーズ最小最軽量モデルということもあって、フィット感が高く外音をほどよく遮断。着けていても疲れにくく、装着性の高さが発揮されている。
またワイヤレスということで気になるのは遅延だが、まずボイスドラマのような音声作品では映像のマッチングを気にしなくていいため問題ない。YouTubeなどで多数投稿されている「気持ちいい音」などを聞ける動画だが、これもほぼ遅延が気にならない。例えばモノとモノがぶつかる音なども、“その瞬間” に音が飛び込んでくるように感じられる。
あえて言うなら金属的な音も多少まろやかになるため、人によっては逆にもっと鋭さが欲しいと感じるかもしれない。声についてもゾワゾワ感が薄まるというのは言える。ここは好みの範疇だろうが、長く楽しむことやそのまま微睡むようなことを考えると「COTSUBU for ASMR」が向いているのではないだろうか。
このようにE500で確立した方向性を完全ワイヤレス化した本機は、バイノーラル/ASMR作品を楽しむための “没入感” において群を抜いた存在だ。今後ますますコンテンツが増えるであろうこのジャンルに注目するなら、用意しておいて損はない。
なお、「えっちな完全ワイヤレスイヤホン」はここで勝手に言っているだけのこと。そんな名前はついていないし、そういう目的でなくても楽しめるので、誤解なきよう。
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