公開日 2023/08/04 06:30
「午前十時の映画祭13」にて上映
元祖モゲラも超美麗!4Kリマスターで甦る『地球防衛軍』、本日から順次上映スタート
編集部:松永達矢
古今東西の傑作映画を全国の映画館で1年間にわたって連続上映する「午前十時の映画祭」。第13回の開催となる今回は、過去最大となる全国67劇場にて、計27作もの名作を映画館にて上映している。
多くの映画ファンから愛される傑作『ショーシャンクの空に』や、第1作の公開から30周年を迎える『ジュラシック・パーク』シリーズ3作品、本年5月の運営終了まで、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのアトラクションとしても楽しまれてきた『バックドラフト』などが上映ラインナップとして並ぶ。
いずれもまさしく「珠玉の傑作」にふさわしいタイトルだが、特撮ファンとして見逃せないのが、2021年開催の第11回の『モスラ(1961年)』4Kデジタルリマスター版、昨年の第12回にて公開された『空の大怪獣ラドン 4Kデジタルリマスター版』に続く、東宝特撮映画枠では無いだろうか? その期待に答えるように、今年は1957年公開の『地球防衛軍』が、4K修復によって美麗な姿で甦った。本日8月4日から順次上映される。
◇
『地球防衛軍』は、東宝特撮初のカラー、スコープサイズによるSFスペクタクル大作。1954年公開の『ゴジラ』から3年を経て、東宝特撮映画初のSF映画として制作された本作では、宇宙空間や空飛ぶ円盤、光線兵器などが当時のミニチュア技術や、光学作画などで描かれる。その中でもミステリアンの侵略兵器、巨大ロボット・モゲラの存在は、特徴的なデザインと劇中での活躍も相まって特に印象に残っているというファンも多いだろう。
なお、後年モゲラは、1994年公開の『ゴジラvsスペースゴジラ』にて、対G(ゴジラ)超兵器という設定と、リファインされたデザイン、「Mobile Operation Godzilla Expert Robot Aero-type」という正式名称を携えて再登場を果たす。公開当時に1桁歳の子供をやっていた記者的には、「モゲラ」と言われるとついつい「vs版」を連想してしまうのが正直なところ。
そう考えると、令和の世にモゲラのオリジナルが登場する『地球防衛軍』が、4Kレストアで甦るだけでも意義深く感じてしまう。全国のスクリーンに映写される最新のモゲラがミステリアンのモゲラとなり、東宝特撮作品初のロボット怪獣が4Kの美麗な画質でスクリーンにそそり立つ……まさにロマンだ。
話が逸れてしまったが、本作の4K修復作業は、ラドン同様に東京現像所(東現)にて、オリジナルネガを元にした修復が行われた。同年代の東宝特撮映画の例に漏れず傷の多いタイトルであるが、「その傷をどこまで消すか」というのを念頭に修復作業を行ったと、東現の清水俊文氏は語る。
その結果は、元の画とのビフォーアフターを見れば一目瞭然。先立ってマスコミ試写で本作を鑑賞した際には、ホリゾントの青や、ビビットなミステリアンの衣装といった色再現性はいうまでもなく、アオリや、フレームの揺れも無い東現による丁重なレストア作業を全編に渡って味わうことができる。現在ビデオグラムなどで見ることのできる本作は、制作年からやはり古ぼけた感じが否めないが、4Kリマスタリングで甦った『地球防衛軍』は、まさに別物だ。
音に関しては、『地球防衛軍』として、初めてパースペクタステレオを復元。レストア作業を実施した際に、音ネガ(サウンドネガ)を確認したところパースペクタの制御信号が入っていたとのことで、その信号を用いてレフト、ライト、センターの3.0chに振り分けを実施したという。戦闘シーンよりも会議シーンなどで、チャレンジングにサウンドを振ったというその音響は、抜け感が非常に良好だった。
スクリーンでしか味わえない、生まれ変わった『地球防衛軍』は、「グループA」の上映館にて本日8月4日から2週間限定で上映がスタートする。ぜひお近くの上映館で楽しんで頂きたい。
■「午前十時の映画祭13」
『地球防衛軍』
■上映日程
グループA劇場:8月4日(金)〜17日(木)
グループB劇場:8月18日(金)〜31日(木)
上映館の詳細は「午前十時の映画祭13」公式サイトに記載。上映開始時間、および鑑賞料金は劇場ごとに異なるため、上映を実施する各劇場にて確認されたい。
(C)1957 東宝
多くの映画ファンから愛される傑作『ショーシャンクの空に』や、第1作の公開から30周年を迎える『ジュラシック・パーク』シリーズ3作品、本年5月の運営終了まで、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのアトラクションとしても楽しまれてきた『バックドラフト』などが上映ラインナップとして並ぶ。
いずれもまさしく「珠玉の傑作」にふさわしいタイトルだが、特撮ファンとして見逃せないのが、2021年開催の第11回の『モスラ(1961年)』4Kデジタルリマスター版、昨年の第12回にて公開された『空の大怪獣ラドン 4Kデジタルリマスター版』に続く、東宝特撮映画枠では無いだろうか? その期待に答えるように、今年は1957年公開の『地球防衛軍』が、4K修復によって美麗な姿で甦った。本日8月4日から順次上映される。
『地球防衛軍』は、東宝特撮初のカラー、スコープサイズによるSFスペクタクル大作。1954年公開の『ゴジラ』から3年を経て、東宝特撮映画初のSF映画として制作された本作では、宇宙空間や空飛ぶ円盤、光線兵器などが当時のミニチュア技術や、光学作画などで描かれる。その中でもミステリアンの侵略兵器、巨大ロボット・モゲラの存在は、特徴的なデザインと劇中での活躍も相まって特に印象に残っているというファンも多いだろう。
なお、後年モゲラは、1994年公開の『ゴジラvsスペースゴジラ』にて、対G(ゴジラ)超兵器という設定と、リファインされたデザイン、「Mobile Operation Godzilla Expert Robot Aero-type」という正式名称を携えて再登場を果たす。公開当時に1桁歳の子供をやっていた記者的には、「モゲラ」と言われるとついつい「vs版」を連想してしまうのが正直なところ。
そう考えると、令和の世にモゲラのオリジナルが登場する『地球防衛軍』が、4Kレストアで甦るだけでも意義深く感じてしまう。全国のスクリーンに映写される最新のモゲラがミステリアンのモゲラとなり、東宝特撮作品初のロボット怪獣が4Kの美麗な画質でスクリーンにそそり立つ……まさにロマンだ。
話が逸れてしまったが、本作の4K修復作業は、ラドン同様に東京現像所(東現)にて、オリジナルネガを元にした修復が行われた。同年代の東宝特撮映画の例に漏れず傷の多いタイトルであるが、「その傷をどこまで消すか」というのを念頭に修復作業を行ったと、東現の清水俊文氏は語る。
その結果は、元の画とのビフォーアフターを見れば一目瞭然。先立ってマスコミ試写で本作を鑑賞した際には、ホリゾントの青や、ビビットなミステリアンの衣装といった色再現性はいうまでもなく、アオリや、フレームの揺れも無い東現による丁重なレストア作業を全編に渡って味わうことができる。現在ビデオグラムなどで見ることのできる本作は、制作年からやはり古ぼけた感じが否めないが、4Kリマスタリングで甦った『地球防衛軍』は、まさに別物だ。
音に関しては、『地球防衛軍』として、初めてパースペクタステレオを復元。レストア作業を実施した際に、音ネガ(サウンドネガ)を確認したところパースペクタの制御信号が入っていたとのことで、その信号を用いてレフト、ライト、センターの3.0chに振り分けを実施したという。戦闘シーンよりも会議シーンなどで、チャレンジングにサウンドを振ったというその音響は、抜け感が非常に良好だった。
スクリーンでしか味わえない、生まれ変わった『地球防衛軍』は、「グループA」の上映館にて本日8月4日から2週間限定で上映がスタートする。ぜひお近くの上映館で楽しんで頂きたい。
■「午前十時の映画祭13」
『地球防衛軍』
■上映日程
グループA劇場:8月4日(金)〜17日(木)
グループB劇場:8月18日(金)〜31日(木)
上映館の詳細は「午前十時の映画祭13」公式サイトに記載。上映開始時間、および鑑賞料金は劇場ごとに異なるため、上映を実施する各劇場にて確認されたい。
(C)1957 東宝