ソニー・エリクソンのスタッフに一条真人氏が直撃
本日発売の注目スマホ「Xperia arc」 − ソニエリ担当者に聞いた開発の背景と今後の展望
山田氏:そして、Exmor R for mobileやクリアブラックパネルといったソニー独自の技術をしっかり活かすこともそうです。
そしてその上にソニー・エリクソン独自のUI、ユーザビリティを載せ、それを進化させていくことも重要です。そうした思想を具現化したのが、「Xperia SO-01B」の「Timescape」や「Mediascape」でした。今回はユーザーからの声を聞き、それらを進化させ、そうしたコンテンツ再生アプリの入口をウィジェット化するなど、使い勝手は変えずに全体のパフォーマンスを向上させるような工夫をしています。
━━ Timescapeは動作も速くなるなど機能も向上していますね。
山田氏:「Xperia SO-01B」ではTimescapeで表示できるタイルの数が約50枚だったのですが、今回は約150枚表示できるようにもしています。
━━ 最後に、今後の展開についてお聞かせください。ソニーグループ全体の連携といった話が少し出ましたが、そうなるとQriocityなどへの対応が気になるファンも多いと思います。この点についてはどうお考えですか。
山田氏:弊社CEOのバート・ノルドベリが年明けぐらいに語ったように、ソニーグループのひとつとして、そのようなメディアサービスの対応についても前向きに取り組んでいきたいと考えています。弊社としてもソニーグループの持っている資産を生かす方向でいこうとしています。
━━ さて、Xperiaをシリーズ全体として見ると「Xperia PLAY」(関連ニュース)も発表されています。こちらの日本国内での発売時期も気になるところですが、いかがでしょうか。
山田氏:北米では3月末から順次発売していきますが、日本発売は未定です。製品ごとに各地域に対する戦略がありますので、まず日本ではXperia arcをしっかりと展開していこうという考えです。
━━ なるほど。本日はありがとうございました。
■単純なスペック競争とは別次元で進化したXperia arc
実は筆者はプライベートで「Xperia SO-01B」を使っている。今回、両氏にお話をうかがい、さらにXperia arcも借り受けて試用させてもらったのだが、全体的に大きく“商品性”をアップさせているなと感じた。
ここで“商品性”と表現したのは、機能向上だけでなく製品全体として従来機から進化しているからだ。Exmor R for mobileによる撮影機能の向上やクリアブラックパネル、モバイルブラビアエンジンによる表示機能の向上などの単純なスペックアップだけではなく、デザイン、使い勝手や快適性を含めたトータルのパッケージとして進化しているのだ。この点を筆者は大いに評価したい。
現在のAndroidスマホ市場は、スペック面での数値競争という様相になっている。しかし、Xperiaはそれらとは別の次元で進化を成し遂げたと注目機であると実感できたインタビューだった。