ソニー・エリクソンのスタッフに一条真人氏が直撃
本日発売の注目スマホ「Xperia arc」 − ソニエリ担当者に聞いた開発の背景と今後の展望
石井氏:これはプラットフォーム的な制限もあり、今回は720p対応としました。次世代でのフルHD動画撮影対応については、もちろん検討材料のひとつです。
━━ 画像処理エンジンにはモバイルブラビアエンジンを採用していますね。こちらの効果についてはどうお考えですか。
山田氏:動画だけでなく、静止画でも効果は大きいと自負しています。私も初めて見たときは「こんなに効果があるのか!」と驚いてしまったくらいです。
━━ 確かに、拝見するとコントラスト感や映像のシャープさ、精細感が大きく向上している印象を受けます。なお、最近のデジタルカメラではHDR機能の搭載が盛んになってきていますが、Xperia arcには搭載されているのでしょうか。
山田氏:HDRは搭載していません。と言いますのも、「Exmor R for mobile」は裏面照射によって極めて暗所撮影に強く、しかもF値2.4という明るいレンズを搭載しています。他のスマートフォンではF値2.8くらいのレンズが一般的ですから、レンズだけ見ても明るさの面で強いことがお分かり頂けるかと思います。こうしたことから、現時点でHDRの必要性があるとは考えていません。
━━ カメラ機能では、撮影時のレスポンスやインターフェースもかなり進化していますよね。従来のXperiaでは連写が遅く、シャッターチャンスを逃すこともあったので個人的にもとてもありがたい進化だと感じています。
石井氏:よりスムーズな使い心地を実現できたのではないかと思っています。そのほか、カメラ機能では今回からフラッシュも発光するようにしました。従来のXperiaではライトがつくだけでしたから、より暗いところでも写真が撮れるようになったわけです。これには、写真をメモ的に使うといったように、どこでも撮れるようにしたかったという思いも関係しています。
━━ ディスプレイにも工夫を施しているそうですね。
山田氏:液晶とガラス面を貼りつけ、空気層をなくした「クリアブラックパネル」を採用しています。このため、本当にディスプレイ表面に画像が表示されているように見えます。従来は空気層などのために、表面から少し奥まったところで画像が表示されるように見えていたのですが、これが改善されたわけです。また、こうした工夫には光の乱反射を防ぐ効果もあります。反射がないため、コントラストがより高く見えるのです。
さらにディスプレイ周辺ということで言えば、狭額縁も注目して頂きたいポイントですね。液晶とガラス面を貼り付けたことで、まわりのフレームが不要になり狭額縁が実現できました。これにより、幅は前モデルと変わらないのに、画面サイズを4.0インチから4.2インチへと拡大しています。
━━ そのほかのAV機能についてもご説明頂けますか?
石井氏:今回から新たにFMラジオも搭載しています。また、これまで同様にTrackIDも搭載していますので、ラジオで放送されている楽曲名を検索することも可能です。なお、本体のマイクで拾った音にもTrackID機能は使えますので、例えば街中で流れていた音楽を検索するといったようなこともできます。
━━ 有名アプリで言えばShazamのような機能が最初から利用できるというわけですね。ところで、音楽関連ではノイズキャンセリング機能は搭載しているのでしょうか。
山田氏:サブマイクを搭載しており、ノイズキャンセリング機能に対応しています。
■Xperia独自の思想や戦略 − Qriocityへの対応は?「Xperia PLAY」の国内投入は?
━━ Xperiaの思想や戦略についても聞かせて頂けますか。
山田氏:Xperiaには3つの柱があります。ひとつはAndroid OSをしっかり提供していくこと。これは国内で初めてAndroid 2.3搭載機を提供するといった姿勢に現れています。