「ビジュアルグランプリ2011 SUMMER・ユニバーサルデザイン賞」受賞モデル開発者に聞く
心地良く付き合える商品開発に全力をかける − 三菱電機の「ユーザー目線」のDNA
「らく楽アシスト」で一気通貫。ますます加速する提案力
−− 冒頭にもお話が出ましたリモコンでは、新たにシートリモコンが採用されました。
栗崎 BDレコーダーで実現したテレビとレコーダーの両面リモコンのポイントは、実はこのシートリモコンの採用に秘密があります。通常のゴムキーでは裏が厚く、重たくなってしまうため、両面使いは実現できないのです。表面だけでビデオとテレビを切り替えるアイデアは昔からありましたが、モード切り替えに気付かない人が実に多く、「動かない!」といった苦情が絶えませんでした。それを両面にすることで、機能も制限されなくなりました。
今、録画テレビが大変好評ですが、その理由は使い勝手にあります。テレビを見ていて、ボタンひとつですぐに録画や再生ができる。テレビとレコーダーが別々の時は、テレビの入力切換えが必要ですが、その必要がないことがいかに快適なことか。実は、シートリモコンにより実現した両面リモコンで一番訴えたかったのは、この録画テレビならではの使い勝手を、テレビと録画機をそれぞれ単体で使っている人にも提供することなのです。
録画機の買い替えがまだという人は大勢いらっしゃいますが、このレコーダーを買っていただければ、リンクの利便性どころではない、内蔵型同様の使い勝手を手に入れることができるのです。
−− ユーザーへの愛情を感じますね。専門的になればなるほど、どうしても、重箱の隅をつつくような議論になりがちですが、お客様が欲しているものは何か。それをきちんと見ているからこそ出てくる発想ではないかと思います。
栗崎 やはり、「らく楽アシスト」で一本、筋が通っていますからね。ひとつのシーズをどのようにお客様に伝えていくか。こんなことができる、あんなこともできると、アイデアが膨らんでいくのが三菱の強みです。当たり前のように、皆が必死になって考えています。
−− こうしたDNAは、かなり以前から根付いていて、オートターンなどは「らく楽アシスト」の原点ともいえる機能ですね。
栗崎 テレビのオートターンは、一度使用したユーザーから「この機能がないと」と指名いただけるケースも非常に多いです。また、効率的に録画した番組が見られる「見どころ再生」では、今回のレコーダーからバラエティ番組等にも対応しました。番組の内容を独自に解析する技術ですが、これも、アナログ放送対応のDVD時代からのこだわり機能になります。さらに、リモコンのボタン操作が音で確認できる「報知音」を搭載しており、操作する上での安心感を向上させるようにしております。
また、テレビには以前から、番組を見ているときに、明るさを気付かないほどジワジワと落していく省エネ機能も搭載されています。目の特性を利用して、最適画質と省エネを実現しているのが特徴です。
−− これからネットワーク機能が必須になってきますが、店頭でも売り場づくりに苦心されています。「らく楽アシスト」は、お客様にとって大変わかりやすい、販売店もお客様に説明しやすい、営業マンにとっても販売店へ説明しやすいということで、ここでも大きく期待されますね。
栗崎 「三菱の考えるネットワーク機能はこうだ!」という切り口をビシッと見つけて提案していきたいですね。
−− さらに、“音“も加えると「4つビシッとの三菱」になりますね。
栗崎 MDRシリーズの10連スピーカーのクオリティを体験いただいたら、他のテレビの音では満足できなくなりますね。高画質・高音質へのこだわりには一切手は抜いていませんし、これからもこだわり続けていきます。ただ、音は店頭で出すことがなかなかできませんから、伝えていく工夫ももっと必要になってくると思います。
テレビはいつまでも家庭の真ん中にいるものです。ひとつひとつ対話をしながらでないと操作できないというのでは、心地よくつきあっていくことはできません。より使いやすく、わかりやすいものへ、これからもとことん追求していきたい。使いやすさがお客様にとっての大事な視点であると確信していますし、それが、三菱の大きな強みなのです。