映像の“4K時代”が始まった
<CEATEC>「4Kレグザ」「レグザサーバー」が変えるライフスタイル − 開発者に訊く“レグザワールド”の魅力
“REGZA”「55X3」の誕生で、“4K時代”が始まった
ー 今回“REGZA”の新モデル「55X3」で「4K対応」を実現したこともたいへんな注目を浴びています。
本村氏:「55X3」に付けた“X”というシリーズネームは、“CELL REGZA”「55X1」の系譜に位置づけられるもので、東芝“REGZA”の中でも特にチャレンジングなモデルだけに付けられるものです。おかげさまで今回、多くの皆様にご注目いただいている「4K対応」といフィーチャーは、私たち開発陣にとっても大きな意味を持っています。テレビの進化を高画質という軸でたどると、白黒からカラーへ、SDからHDへと流れてきた進化の過程で、今回の4K対応はその純粋進化の「ど真ん中」にあると考えています。もちろん「55X3」は、もう一つのハイライトである裸眼3D対応の大画面テレビとして注目を浴びている部分もありますが、テレビの高画質化という流れの中で、いまこうして「55X3」を商品化し、いち早く「4K対応」の先端をつかまえることができたということで、私たち開発陣もたいへん気持ちを高めています。
当社のCEATEC JAPANブースのデモでは、実際に4K映像の魅力を体験していただけるよう、様々なコンテンツを用意しました(関連ニュース)。NTTぷらら様のご協力によって、「ひかりTV」の新サービスとして検討されている「4K映像配信」のデモコンテンツをご覧いただくことができます。4Kテレビを開発するにあたり、私たちも4Kカメラで色々なデモ用・テスト用のコンテンツを撮影してきましたが、今回「ひかりTV」の4K映像配信を目の当たりにして、デモ映像にはないリアリティが実感でき、新鮮な感動がありました。映像が4Kであることの意義と、その魅力を多くの方に実感していただけると思います。
「55X3」は今年の12月中旬に発売を予定していますが、4Kの魅力をお楽しみいただけるコンテンツとして、例えばこんなものをおすすめしたいと思います。一つは、本機ではフルHD映像を4倍画素で表示する「QFHD超解像技術」を搭載しているので、BDタイトルの映像が、一皮もふた皮も剥けたように楽しめると思います。言い方を変えれば「QFHD超解像技術」によってBDタイトルの元の撮影クオリティが見えてきますので、どれだけ画質にこだわったタイトルかが明らかになってしまいます。上質なコンテンツを「QFHD超解像技術」で選りすぐりながら視聴する、新たな楽しみ方もできるのではないでしょうか。
もう一つおすすめしたいのが、4Kパネルで見る高精細静止画の魅力です。デジタル一眼レフで撮影したJPEG画像を、約829万画素の解像度で表示できます。しかもこれに再構成型超解像やカラーテクスチャー復元などが加わり、今までにない写真体験を味わっていただけると思います。
ー “Xシリーズ”として、サイズや機能のバリエーション展開はあり得るのでしょうか。
本村氏:今回は55V型でスタートしましたが、サイズ展開は今後ぜひ検討していきたいと考えています。また「55X3」については「グラスレス3D搭載」の4Kテレビというかたちで商品化されましたが、例えば“Zシリーズ”にはタイムシフトマシン搭載機や、アクティブシャッター3D、パッシブ3Dなど色々なバラエティがあります。Xシリーズの展開を広げていくという方向性については「アリ」だと思いますし、その中で、例えばグラスレス3Dではないけれど、メガネ付きの3Dテレビだったり、タイムシフトマシン搭載機、または3Dなしの4Kストレートモデルなど、様々なスタイルが考えられるでしょう。
4Kという次のステップに至り、我々テレビメーカーが新しくチャレンジできることが色々と出てきました。「ひかりTV」の「4K映像配信」のようなサービスが新たに出てくることで、私たちの映像コンテンツの視聴スタイルもまた大きく変わってくると思います。4Kはディスクや放送と比べ、ネット配信との親和性がとても高いコンテンツです。4Kの大容量データを保存し、安定して伝送できる媒体はネットワークがベストと言えるでしょう。例えば「ネットオーディオ」のように、映像配信が高画質映像の在り方に価値転換をもたらすことも有り得ると考えています。
新たな「4K時代」が、まさに“REGZA”とともに始まったと実感しています。ぜひ期待していただければと思います。