DIGA/nasneと密接連携
iPhone/iPadへの番組ムーブにも対応へ − デジオンに聞くDLNA/DTCP-IPのいま
■DiXiMシリーズのアドバンテージとは?
今回発表された「DiXiM for Android」におけるDIGAとの連携機能のサポートは、Panasonicとの協業により実現された。他社のDLNAソフトウェアでは、DLNA+Panasonicの拡張機能を利用できないが、Panasonicとの協業により実現したDIGAとの連携機能により、DiXiM側からDIGAへトランスコードされたストリームの配信をリクエストできるようになったという。「今年春以降発売のDIGAであれば、H.264のハイビジョン(720p)にトランスコードしてAndroid端末へ配信することが可能です。それ以前の機種は、VGAになります」(橋本氏)
テレビ番組のライブ視聴(放送転送)も協業の成果であり、「他のDLNAプレーヤーではチューナーを選択しても視聴できません」(橋本氏)とのこと。放送波とは約10数秒のタイムラグが発生するが、これは転送処理に加えてDIGA側でトランスコードが行われるためだという。
nasneのサポートについても、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の理解があって実現された。「開発中のDiXiM for Androidでは、nasneが録画時に同時に作成する720×480の録画番組データを選択し、DiXiMにムーブしています」(橋本氏)。通常、持ち出し用コンテンツはDLNAクライアントで選択できないが、SCEの仕様開示を受けて実装が可能になったとのことだ。ライブ視聴についても、仕様開示により得られた情報により、nasne側でトランスコードしたものを配信する機能を実装できたという。
■書き込みや持ち出しに便利なダウンロード型ムーブ
市場に出回るDTCP-IP対応DLNAソフトウェアが数あるなか、「DiXiM BD Burner 2013」と「DiXiM for Android」では、いち早く「ダウンロード型ムーブ」を実装して、録画番組の持ち出しに利用している。
DTCP-IP/DLNAネットワーク経由でコンテンツをムーブすることを「DTCP-IPムーブ」というが、従来のDLNAソフトウェアでは、レコーダーなど録画番組を保存している機器からの操作を行う「アップロード型」だった。しかし今回の2製品は、ダウンロード型ムーブに対応しているDIGAとnasneにかぎり、手元の機器(スマートフォン/タブレット)で操作が完結する。「ダウンロード型のほうがスマートフォン/タブレットの操作性になじみやすいのでは」(三阪氏)との言葉どおり、手元ですべての操作が完結するのは理解しやすい。
■iPhone/iPadでのテレビ視聴が当たり前に
さて、今回の取材におけるハイライトが「iOS対応」だ。これについては次ページでくわしく紹介しよう。