<山本敦のAV進化論 第78回>TOKYO SMARTCAST 武内氏インタビュー
“デジタル地上波最高音質放送”とは? 来春開始「i-dio」キーマンに訊く
「TS ONEは音楽やカルチャー、ニュースを中心とするステーションになります。音質についてはサービスインの時点ではAAC形式・320kbpsからスタートして、2017年にはサンプリング周波数96kHzのハイレゾに迫る高音質音源にも対応を予定しています」
同社が現在予定している代表的な番組は以下の通りだ。
・「NEXT ONE」
音楽業界の活性化を目指して、新人アーティストを発掘・応援していく番組。視聴者の応援参加企画などインタラクティブな展開も予定する。
・「PREMIUM ONE」
ミュージシャンや音楽評論家などツウなDJを迎えた音楽レコメンデーション番組。プレイリストや音楽レビューなど「Now On Air」機能では、通信の特徴を活かした楽曲購入なども利用できるようになる。
・「Rockwell Sirkus」
ロンドン・パリ・NY・東京の4都市の最先端カルチャーを紹介するインターナショナルプログラム。パーソナリティはMIYAVI、サイモン・テーラー、宮下智裕、ファンタジスタ歌麿呂が週替わりで担当。
・「COTTON CLUB MUSIC TREE」
ライブハウス「COTTON CLUB」と連携した音楽番組。各ジャンルのトップアーティストにスポットを当てながら、その軌跡と名演をオンエア。アーティストが影響を受けた音楽やプレーヤーなど「MUSIC TREE」として辿って行く仕掛けも。
・「billboard JAPAN Special」
Billboard JAPANとの連携による国内外の最新チャートを紹介する番組。往年の名曲紹介や、来日アーティストのインタビュー、特集企画も予定。
武内氏は「ラジオから続くプロモーションメディアとしての特性を活かして、音楽の魅力を広く多くのユーザーにお伝えしながら音楽文化に貢献したい」とTS ONEの役割について語る。「そのために“デジタル地上波最高音質”を実現し、多くの方々に良い音に触れていただきたいです。アーティストが演奏する音楽だけでなく、鳥のさえずりや波の音など、独自に録音した“癒し”の音源もプログラムに組み込む予定です」という。
本サービスは“通信”ではなく“放送”であるため、ハイレゾに迫る高品質な音楽コンテンツを、通信費用を発生させず利用できる。この点も一般的な音楽配信サービスと異なるi-dioの大きな特徴だ。武内氏は「高音質」という特徴を活かした新しいコンテンツサービスに挑戦していきたいと意気込む。
「話題のハイレゾ音源配信ではアニソンの人気が高い等、ユニークな現象が起きています。固定概念にとらわれないニーズについては積極的に挑戦したいと考えています。番組編成にも柔軟性を持たせたいですね」。
「ユーザーの方々が目当てにされている番組を聴き逃すことが減るよう、フレキシブルなリピート放送の仕組みを整えることも検討しています。大型シネコンのように、番組の人気に応じてユーザーとのタッチポイントを強化していくような運営の仕方もあっていいのではないでしょうか。とにかくスタート当初の段階から色々なトライアルをやってみたいと思っています」。
「これは私の仮説ですが、音楽をいい音で聴きたいというニーズは、Apple Watchなどの新しいガジェットやハイレゾ音源にお金をかけられる高感度層が多いと見ています。感度の高い方々の期待に応えるステーションにするため、ボリューム層である方々を意識した番組編成にも注力するべきだと考えています」。
■「DTS Headphone:X」対応番組も
TS ONEのプレミアム戦略の一つとして、ヘッドホンやイヤホンで臨場感のあるバーチャルサラウンド再生が楽しめるDTSの音声技術「DTS Headphone:X」などを活かしたコンテンツ制作も構想に上がっている。
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