V&S商品企画部統括部長 北島氏インタビュー
<CES>ソニーも2016年度中にUHD Blu-rayプレーヤー投入予定。今後の展開を訊く
― オーディオ製品では、「h.ear」シリーズに新しいモデルが登場しました。ハイレゾ対応以外のものについてもラインナップが増えていますね。
北島 ソニーのオーディオ製品全体の戦略としては、3つの柱があります。「h.ear」シリーズによる「楽しいハイレゾ」、「EXTRA BASS」という重低音でお客様に楽しんでもらえる製品、「ホームワイヤレスオーディオ」という無線製品では、サウンドバーやワイヤレススピーカーも展開しています。
特に私が商品企画として意識しているのは、お客様が音楽を楽しむときに、ソニー製品同士につながりがある、ということです。モバイルからホーム、ヘッドホンだけでなく、プレーヤーやウォークマンからワイヤレススピーカーに対して飛ばすといった、横のつながりを考えています。
― 「h.ear」シリーズの発売以降の売れ行き、ユーザー属性や、例えば売れ筋の色などはいかがでしょうか。
北島 色に関しては、実はまんべんなく売れています。全体的なユーザー像は、まだ最初の年末商戦が終わったばかりなので分析にはもう少し時間が必要ですが、従来のソニー製品をご購入いただいていた年配のファンではない、若年層に届いたと考えています。
― 「ハイレゾ」の普及推進について、北米ではどのような戦略を考えていますか。
北島 ハイレゾは地域差がありまして、北米とヨーロッパは普及するまで時間がかかります。ただし、ベストバイの中でもマグノリアセンターというプレミアム商品を扱う79店舗で、昨年の10月からウォークマン「ZX2」や「MDR-Z7」などモバイルのプレミアムな商品を置いています。他にもハイレゾのWEBサイトを構築し、ハイレゾ楽曲を購入できる場所として「HD Track」への誘導もしています。
― 今回はハイレゾロゴが付いたアナログレコードプレーヤー「PS-HX500」も提案されていました。うがった見方をすると、最近流行りの「ハイレゾ」と「アナログ」が両方付いた製品のようにも取れるのですが。
北島 いえ、それは違います。多様化するお客様の音楽の楽しみ方、聴き方にあわせ、既にお客様がお持ちのアナログ・レコードの音源をDSDやWAVにデジタル化してウォークマンで聴くという、ユニークな提案をさせていただきました。
― つまり「ハイレゾ」ロゴは、アナログ音源をDSDやハイレゾでアーカイブできる点で取得したということなんですね。音楽の楽しみを広げてくれる、面白い提案だと思います。本日はありがとうございました。