ローンチから半年、今後の展開を聞く
Netflixが考える “4K/HDRの次” とは? グレッグ・ピーターズ社長インタビュー
■「世界でどれだけの人が見るか」を基準にコンテンツを作る
−−続いてコンテンツ制作について伺います。Netflixではコンテンツ制作に対し、2016年にグローバルで50億ドルを投資すると発表されていますが、このうち日本ではどの程度が使われるのでしょうか?
ピーターズ氏:Netflixのサービスが世界規模になった以上、制作予算もすべてグローバルで考えています。国単位で「このマーケットにこの程度使おう」という発想ではありません。このような考え方なので、「火花」もグローバルに配信しますし、これまでに制作した「テラスハウス ボーイズ&ガールズ イン・ザ・シティ」なども海外で配信を行っています。
−−インタビューの冒頭に仰った「日本人はローカルコンテンツを好む」ということと、「グローバルに向けてコンテンツを作る」のを両立させることは、難しいのではないでしょうか?
ピーターズ氏:そんなことはありません。我々は、日本であろうがブラジルであろうが、どこかの国でドラマを作ろうと検討するとき「世界中でどれだけのユーザーがこのコンテンツを見るか」ということを考えます。
ひょっとしたら日本制作のドラマを見るユーザーは、日本人が50%を占めるかもしれない。ですが我々としては、あくまで「世界でどれだけのメンバーが見るか」ということをベースに考えます。
ですので、ローカルコンテンツのグローバル配信は、難しいというより、新たなチャンスと捉えて欲しいのです。作り手の方々も、日本のオーディエンスだけを意識して作品を作るのではなく、より大きな規模で、そして高いクオリティでコンテンツ制作ができます。我々が4K/HDR対応といった技術的サポートを行わせていただきます。
こういったビジネスモデルだからこそ、Netflixはクリエイターの方々に対して、より自由さを提供することができます。スポンサーに気を遣う必要もないですし、いろいろな制約が無い中で、自分が思い描いた通りのものを作っていただくチャンスを提供できます。
−−ライブ放送をする予定はありますか? 海外ではHuluがライブ放送への参入を発表しています。
ピーターズ氏:ライブ放送は考えていません。我々としては、お客様にとって最も価値あるコンテンツを提供するにはオンデマンドが良いと思っています。ライブ放送では、すでにテレビ放送があります。我々はそれを補うサービスを提供していきたいと考えています。
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