ローンチから半年、今後の展開を聞く
Netflixが考える “4K/HDRの次” とは? グレッグ・ピーターズ社長インタビュー
■「Netflix Recommended TV」プログラムのねらい
−−Netflixを最適な環境で楽しめるテレビを推奨する「Netflix Recommended TV(Netflix推奨テレビ)」プログラムも始めましたね(関連ニュース)。日本ではソニーとLGの2016年モデルが認定されています。いくつかの審査項目が公表されていますが、それぞれの具体的な要求数値が書かれていないので、やや曖昧に感じます。当然、Netflixさんの内部では細かく規定を定めているものと思いますが。
ピーターズ氏:数字を公開していないのは、お客様に対して、よりわかりやすくお伝えするためです。メーカーさんも採り入れることができる機能、かつお客様が求めていることをもとに審査基準を設定しました。
数字の一例を挙げましょう。この推奨プログラム開始前にNetflix対応のスマートTVをテストしたところ、電源オフの状態からNetflixでコンテンツを再生するまでにかかった時間は約40秒でした。今年の2016年の推奨モデルでは、それが4秒以下に縮まったのです。
もちろん、テレビによっても短縮の度合いというのはそれぞれ違ってきます。私どもとしては、ユーザーがなるべく早く簡単に目的のコンテンツにたどり着けるというのが目的であり、推奨テレビであれば快適ですよ、ということをわかりやすくお伝えするためにこのマークを作ったのです。
ただ、4秒でもまだ我々は満足していません。お客様にご満足いただくためにはもっと短縮ができるのではないかと思います。このプログラムを通して、メーカーの取り組みや努力もお客様に伝わっていくでしょう。
−−ところで、私も自宅で毎日Netflixを使っています。登録できるユーザーが最大5人までですよね。もう少しユーザーを登録できるようになったら嬉しいのですが…。
ピーターズ氏:ユーザープロフィール数とストリーミング数のバランスについては見直そうと思っています。大家族の方々のことも考えないといけないですね。
インタビューの中で、同社の究極の目標を「目で見たものとおなじものを映し出すこと」と明確に述べたことが強く印象に残った。映像に関するテクニカルな質問をしても、即座に具体的な数字を伴う答えが返ってくる。同社が画質向上に本気で取り組んでいることが伝わってきた。
次なる高画質化の方向性として、解像度アップではなく、ハイフレームレートや色再現性の向上を目指すと宣言したこともポイントだ。いまや同社の意見はテレビメーカー各社も無視できない。それどころか8,000万人以上のユーザーを抱える同社は、テレビの進化の方向性に大きな影響力を持つ。それだけに今回ピーターズ社長が語った内容は示唆に富んでいる。