古代祐三×ストレイテナー×日向悠二 インタビュー
『世界樹の迷宮』の音楽について作曲家と大ファンとイラストレーターに聞いてみたらめちゃくちゃ濃かった
イラストと音楽が影響を与え合う |
−−『世界樹の迷宮』の音楽は、どのような世界観をイメージして作られているんですか?
サウンド的には70〜80年代というのが1つの模範になっていて、そこを中心に、この世界を表現してみたらこうなるな、というのはあります。ただ実は、『世界樹の迷宮』の音楽を作る時に、私はあんまり世界観を考えないようにしているんです。
−−えっ、それはなぜでしょう?
発祥はダンジョン・ミュージックなんですよね。ダンジョンって、薄暗くて、壁に阻まれて、というのが元々なので、あんまり民族色が強かったり、スペーシーだったりというのを避けるようにしているです。でも何よりも、世界背景というより、日向さん(シリーズのキャラクターイラストを手掛ける日向悠二)の絵に引っ張られたということの方が大きいんですよね。背景を見るより、日向さんのキャラクターを見ながら曲を考えたりしていました。
−−そうなんですね。ここで唐突なんですが、たまたまこの場にいらっしゃったイラストレーターの日向さんにお話を聞きたいと思います。
本当に唐突ですね!
−−すいませんが、この偶然を逃すわけにはいきません。日向さんは最初に『世界樹の迷宮』のイラストを描くにあたっては、どういう風にイメージされたのでしょうか?
僕の場合は、最初からネタバレ全開で企画書などを渡されました。それに合わせて、中世の西洋ファンタジーというテイストに包むように、自分の中のファンタジー感に合わせて絵を描いたという感じですね。そこから、どのくらい嘘をつくか。つまり留め金であるとか、ネジであるとか、そういう現実的なパーツを使っていくかを考えていきました。
−−古代さんの音楽が、イラストのイメージに反映されることはありますか?
それはもう、サントラはもちろんUは曲を全部聴いてジャケット画像を描いていますし、絵全般のテンションが、古代さんの曲のあるなしで大きく変わりますよ。最初はキャラクターを頭身の高い素の状態で考えるんですけど、そこからキャラクターをロールプレイするんです。どこの出身で、どういう性格で、どういう風に動くというのを頭の中でやって、ポーズをつけて、デフォルメしていく作業を行います。その時に、音楽の力があると、自分の中で凄く状況が展開していって、「こうだ!」という感じで描けますね。
−−イラストと音楽が、お互いに強い影響を与え合っているんですね。気になっていたんですが、『世界樹の迷宮』シリーズではお馴染み、先着購入特典のサントラ・ラフスケッチVerは、ジャケット画像にヘッドフォンやイヤフォンを必ずしていますよね。
サントラだから、ということではありますが・・・。これ、言っても大丈夫だと思うんですけど、入り口が『ペルソナ』(アトラスのRPGシリーズ)なんですよ。『ペルソナ3』って、主人公が耳掛けのイヤフォンをしていて、バトルシーンではキャラクターが横顔で表示されるじゃないですか。
−−そうですね。
なので。
−−はい。
「それだ!」って(笑)
僕はアトラスさんが好きなので、社内コラボを自分の中で勝手にやっちゃえ、の流れで、ジャックフロストを入れてみたりとか、模様を『ペルソナ4』のカラーにするとか。その上でサントラだから、皆何かを聴いているわけです。でもこれ、勝手にだから、突っ込まれると「ごめんなさい!」としか言いようのない感じなんですよ(笑)
−−今、部屋の隅の方から「大丈夫です」とのお言葉がいただけました。