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【特別企画】DSD 11.2MHzにも対応するハイスペック機

開発者が自ら明かす、JVC “CLASS-S”のハイエンドポタアン「SU-AX01」高音質化の秘密!

公開日 2016/12/15 12:29 土方久明
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美和:「ESS製 ES9018K2M」を使用しています。

土方:音質に定評のあるチップですね。

取材時の様子

美和:これより新しいDACチップも発売されていますが、「最新DACを採用!」などといったトピック作りのために載せるということはやめて、音質を最優先に考えました。開発チームの評価も高く、私自身も気に入っているDACチップです。

ただし、このチップは情報量が優れていますが、後段にしっかりとしたアナログ回路がないとそれ一辺倒で終わってしまいます。これに対し、SU-AX01はアナログ部に物量を投入できたので優れた音楽性も持ち合わることに成功しました。

土方:アンプ部分についてご説明して頂けますか?

美和:SU-AX01のアンプ部は音の立ち上がりと立ち下がりの特性に優れる、新開発のハイスピード電流帰還アンプを搭載しています。出力段には大型の大電流トランジスタを採用したディスクリート構造としました。

土方:かなり大型のトランジスタですね。

美和:通常このサイズのポータブルアンプでは採用されない大きなものです。熱処理に苦労しましたが、そのおかげで再現性に優れながら力強い音質を実現するとともに、大型のヘッドホンにも対応することが出来ました。

また、基板はアナログとデジタルをセパレートした2枚構成にすることにより、それぞれ理想的な回路レイアウトを実現しています。2枚の基板をつなぐコネクターにも基板にストレスのかからないグレードの高いものを使用しており、コネクター使用によるデメリットを最小限に抑えています。

そして基板を載せるシャーシにもこだわっています。SU-AX7の1.5倍圧の非磁性ステンレス素材を使用した新開発の「fホールシャーシプラス」を採用することで、シャーシ剛性としなやかさを両立して、芯のある力強い音と伸びやかな音に貢献しています。

fホールに加えて“バナナホール”も設けることで剛性としなやかさのバランスを最適に調整

■据え置き環境では「ハイインテンシティモード」でさらに高音質に

土方:基板とシャーシの接合部も工夫されているのですよね?

美和:はい、基板をシャーシからフローティングさせる「アドバンスドフローティング構造」を採用しています。

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