MQAの仕様についても言及
「MQA-CD」データは24bit情報を持ったまま16bitで伝送。疑問をキーマンにぶつけたら新事実が次々判明!
■【検証結果4】
ーーMQA-CDをリッピングしたFLAC音源(44kHz,16bit)を、Mac上のオーディオ再生ソフトウェア「Audirvana Plus 3」で再生した。その表示はオリジナルの176.4kHz/24bitではなく、88kHz/24bitであった。
ボブ・スチュワート氏のコメント:これは正しい結果だ。「Audirvana Plus」や「Tidalプレーヤー」でのソフトウェア・デコードでは最大サンプリングレートは88kHzまたは96kHzまでとなる。これはオーディオ・オリガミにおいて一つ目の折り返しだけデコードしたことになる。オリガミ圧縮の2つ目をデコードして元の176kHzを得るためにはハードウェアデコードが必要であり、これにはMQA対応DACが必要だ。なぜかというと、この2つ目の折り返しのデコードではDACおよび再生ハードウェアを考慮した作り込みが必要なためだ。
なおダウンロードしたMQA音源(拡張子:.flac)のヘッダー(タグ)にはオリジナルサンプルレートやMQAバージョンデータが入ってるが、これらはプレーヤーソフト(Audirvanaなど)のためのものだ。MQA-CDではバイナリーの中に同様のデータが格納されていて、デコードした際に取り出すことができる。
■【検証結果5】
ーー今回の検証により、MQAはダウンロード音源、ストリーミング音源だけではなくCD音源にも対応することがわかった。つまりデジタルオーディオにおけるすべての領域で応用が可能でMQAの応用性の高さを感じさせた。
ボブ・スチュワート氏のコメント:たしかにその通りだ。16bitにおいてもMQAが応用できるということは、AirPlayにも応用できるということだ。これは(AirPlayがよく使われている)カーオーディオでも応用できるようになるだろう。さらにMQAでは32bit音源でも使用することができる。このときには24bitのMQAデータになる。
◇
検証結果の1から4までをまとめると、以下の通りになる。MQAをMQA非対応システムで再生してもメリットはある。エンコードして作られたマスターにすでに時間的正確さの効果があるからだ。ただしメリットは限定的だ。
MQAをソフトウェアデコードするとさらにメリットがある。これは1回目(x2)のオリガミの折り返しを再生できるからだ。
MQAをハードウェアデコード(フルデコード)するとさらに最大のメリットがある。これはオリガミの2回折り返しも再生できるからだ。二回折り返しはデコーダがDACの特性をしらないと再生することができない。
どちらかと言うとフルデコードは192kHzまで再生すると言うよりも、ハードウェアに適した再生ができると考えた方が良いと思う。
またMytekとMeridianのMQAデコーダーは同じフィルター特性ではない。ハードウェアデコーダについては実際はDACプロファイルというだけでなくアナログにするための回路のすべてが関係するとのことだ。
つまりMQAのハードウェアエンコードにおけるファームウェアの実装は、1回目のオリガミの折り返し(96kHzまで)はどのデコーダでも同じだが、2回目のオリガミの折り返し(192kHzまで)はハードウェアによってデコーダの実装が異なるということである(それゆえソフトウェアデコードでは96kHzまでとなる)。
ちなみにMQAデコーダーに対して、MQAエンコーダーについては2Lやチェスキーとといったレーベルが変わっても、MQAエンコーダーは同じということだ。チェスキーなどはMQA ltdがエンコードを担当しているそうである。
今回のインタビューにおいて我々の検証結果が正しいことが証明されたと言える。またMQAの拡張部分がホワイトノイズとしてスクランブルされていることなど、興味深い詳細についても聴くことができた。
16bitのMQA-CDの登場で、MQA技術についてかえって理解が深まったとも言える。これからもMQAについては注視していく必要があると言えるだろう。
(佐々木喜洋)
ーーMQA-CDをリッピングしたFLAC音源(44kHz,16bit)を、Mac上のオーディオ再生ソフトウェア「Audirvana Plus 3」で再生した。その表示はオリジナルの176.4kHz/24bitではなく、88kHz/24bitであった。
ボブ・スチュワート氏のコメント:これは正しい結果だ。「Audirvana Plus」や「Tidalプレーヤー」でのソフトウェア・デコードでは最大サンプリングレートは88kHzまたは96kHzまでとなる。これはオーディオ・オリガミにおいて一つ目の折り返しだけデコードしたことになる。オリガミ圧縮の2つ目をデコードして元の176kHzを得るためにはハードウェアデコードが必要であり、これにはMQA対応DACが必要だ。なぜかというと、この2つ目の折り返しのデコードではDACおよび再生ハードウェアを考慮した作り込みが必要なためだ。
なおダウンロードしたMQA音源(拡張子:.flac)のヘッダー(タグ)にはオリジナルサンプルレートやMQAバージョンデータが入ってるが、これらはプレーヤーソフト(Audirvanaなど)のためのものだ。MQA-CDではバイナリーの中に同様のデータが格納されていて、デコードした際に取り出すことができる。
■【検証結果5】
ーー今回の検証により、MQAはダウンロード音源、ストリーミング音源だけではなくCD音源にも対応することがわかった。つまりデジタルオーディオにおけるすべての領域で応用が可能でMQAの応用性の高さを感じさせた。
ボブ・スチュワート氏のコメント:たしかにその通りだ。16bitにおいてもMQAが応用できるということは、AirPlayにも応用できるということだ。これは(AirPlayがよく使われている)カーオーディオでも応用できるようになるだろう。さらにMQAでは32bit音源でも使用することができる。このときには24bitのMQAデータになる。
検証結果の1から4までをまとめると、以下の通りになる。MQAをMQA非対応システムで再生してもメリットはある。エンコードして作られたマスターにすでに時間的正確さの効果があるからだ。ただしメリットは限定的だ。
MQAをソフトウェアデコードするとさらにメリットがある。これは1回目(x2)のオリガミの折り返しを再生できるからだ。
MQAをハードウェアデコード(フルデコード)するとさらに最大のメリットがある。これはオリガミの2回折り返しも再生できるからだ。二回折り返しはデコーダがDACの特性をしらないと再生することができない。
どちらかと言うとフルデコードは192kHzまで再生すると言うよりも、ハードウェアに適した再生ができると考えた方が良いと思う。
またMytekとMeridianのMQAデコーダーは同じフィルター特性ではない。ハードウェアデコーダについては実際はDACプロファイルというだけでなくアナログにするための回路のすべてが関係するとのことだ。
つまりMQAのハードウェアエンコードにおけるファームウェアの実装は、1回目のオリガミの折り返し(96kHzまで)はどのデコーダでも同じだが、2回目のオリガミの折り返し(192kHzまで)はハードウェアによってデコーダの実装が異なるということである(それゆえソフトウェアデコードでは96kHzまでとなる)。
ちなみにMQAデコーダーに対して、MQAエンコーダーについては2Lやチェスキーとといったレーベルが変わっても、MQAエンコーダーは同じということだ。チェスキーなどはMQA ltdがエンコードを担当しているそうである。
今回のインタビューにおいて我々の検証結果が正しいことが証明されたと言える。またMQAの拡張部分がホワイトノイズとしてスクランブルされていることなど、興味深い詳細についても聴くことができた。
16bitのMQA-CDの登場で、MQA技術についてかえって理解が深まったとも言える。これからもMQAについては注視していく必要があると言えるだろう。
(佐々木喜洋)