【特別企画】世界的エンジニアが定番モニターのサウンドを分析
Goh Hotodaさん&NOKKOさんが語る「ATH-M50x」ー オーディオテクニカが担う“音の入口と出口”
■NOKKOさんの考える理想のモニタリング環境とは
ここからはNOKKOさんにもご登場いただいた。ご存じの通り、NOKKOさんはロックバンド REBECCA(レベッカ)のボーカリストであり、レベッカの活動休止後もソロアーティストとして幅広い活動を行ってきた。2015年にはレベッカを再結成。今年は28年ぶりの全国ツアーを行ってファンを熱狂させ、11月1日には17年ぶりとなるニューシングル「恋に堕ちたら」を発売した。
青春をレベッカに捧げたファンの、活動再開に対する歓喜と熱狂は、報道やSNSでも大きく取り上げられた。NOKKOさん自身、多くのファンが熱い想いを抱いてライブに訪れ、まるで自分の青春を投映するかのようにライブに向き合っていたのがステージから感じられたという。
NOKKOさんはアーティストとして、そしてボーカリストとして、モニターヘッドホンをどう捉えているのだろうか。そして、ATH-M50xのサウンドをどう感じたのだろうか。
ーー 先ほどHotodaさんから伺いましたが、現在進行中のレコーディングはオーディオテクニカのマイク「AT5047」を使われているとのことです。まず、このオーディオテクニカ最新のマイクにはどのような印象をお持ちですか。
NOKKOさん AT5047はとても瑞々しい音が録音できると感じています。かつてAKGの「C 12」というマイクが、とても繊細な音が録れるということで、女性ボーカルを美しく録音する場合には定番モデルでした。自分にとっても憧れだったのですが、私のようにサビに目がけてだんだん音圧が上がっていくスタイルだと、結局録りきれなくなってしまうのです。AT5047だとそんなことはなくて、吹く(マイクに息があたってノイズになってしまう)こともなかったです。
■ATH-M50xはモニターしていることを意識させない
ーー その一方で、出口側であるヘッドホンについて伺います。アーティストとして、ボーカリストとしての観点からお伺いしたいのですが、NOKKOさんがパフォーマンスを行う上で、モニターヘッドホンとはどのような存在でしょうか。
NOKKOさん ヘッドホンでモニタリングしながら歌うということは、違和感があって普通です。自分の歌声をマイクが電流に変換してそれが増幅されて、様々な機器を経てヘッドホンから戻ってくるわけですからね。ただ、いま歌っているのか聴いているのかわからなくなることがあります。そういうときはとても良く歌えているのです。
ーー 自分が歌っていることと、ヘッドホンを通してその歌を聴いていることが一体になるような環境が理想的であり、素晴らしいパフォーマンスを生むということですね。
NOKKOさん 聴くことを意識して歌ってしまうと、そんなに良い歌にならないです。だからモニターの環境が合わないときは、モニターヘッドホンを外して片耳で歌うこともありますね。だからこそ、モニターヘッドホンが、違和感のない素直な音であることはとても大事です。
もちろんモニター環境はヘッドホンだけではなくて、マイクからミキシングコンソールまで様々な要素で成り立っているものです。ですからヘッドホンも大事ですが、それだけというわけではありません。
ーー なるほど。今回は実際のレコーディングでATH-M50xを使ってみていただいたということですが、音の印象はいかがでしたでしょうか。
NOKKOさん とても素直な音のヘッドホンだと思いました。ボーカル録りをする場合に、音が素直かどうかというのはとても大切で、このヘッドホンのように帯域の上から下までを自然に再現してくれることはありがたいです。例えばモニターからハイが実際よりもたくさん返ってくると、自分としてはもっとハイを出したいのに、体が無意識にリミッターをかけてしまうということがあります。ATH-M50xではそういったこともありませんでした。
Hotodaさん そこがモニターヘッドホンと鑑賞用のヘッドホンの大きな違いだと思います。モニターヘッドホンは自分が歌ったり演奏したりする音が違和感なく再生できなくてはいけません。それが鑑賞用のヘッドホンだと、リスニング用の音として加工されて戻ってくるのですから、そこが大きな違いと言えます。鑑賞用のヘッドホンでは歌えないでしょう?
NOKKOさん 難しいですね。マイクもそうなのですが、人工的に煌びやかさが加わると、自分が歌っても歌ってもその音に吸い込まれてしまうような、自分の声が違う音に混ざってしまうような感覚になってしまうのです。歌うときのモニターは、声がマイクのなかを擦れながら入っていくのが聴こえるような音が理想的です。ATH-M50xを使ってボーカルを収録したときも、その感覚を体感することができました。
ここからはNOKKOさんにもご登場いただいた。ご存じの通り、NOKKOさんはロックバンド REBECCA(レベッカ)のボーカリストであり、レベッカの活動休止後もソロアーティストとして幅広い活動を行ってきた。2015年にはレベッカを再結成。今年は28年ぶりの全国ツアーを行ってファンを熱狂させ、11月1日には17年ぶりとなるニューシングル「恋に堕ちたら」を発売した。
青春をレベッカに捧げたファンの、活動再開に対する歓喜と熱狂は、報道やSNSでも大きく取り上げられた。NOKKOさん自身、多くのファンが熱い想いを抱いてライブに訪れ、まるで自分の青春を投映するかのようにライブに向き合っていたのがステージから感じられたという。
NOKKOさんはアーティストとして、そしてボーカリストとして、モニターヘッドホンをどう捉えているのだろうか。そして、ATH-M50xのサウンドをどう感じたのだろうか。
ーー 先ほどHotodaさんから伺いましたが、現在進行中のレコーディングはオーディオテクニカのマイク「AT5047」を使われているとのことです。まず、このオーディオテクニカ最新のマイクにはどのような印象をお持ちですか。
NOKKOさん AT5047はとても瑞々しい音が録音できると感じています。かつてAKGの「C 12」というマイクが、とても繊細な音が録れるということで、女性ボーカルを美しく録音する場合には定番モデルでした。自分にとっても憧れだったのですが、私のようにサビに目がけてだんだん音圧が上がっていくスタイルだと、結局録りきれなくなってしまうのです。AT5047だとそんなことはなくて、吹く(マイクに息があたってノイズになってしまう)こともなかったです。
■ATH-M50xはモニターしていることを意識させない
ーー その一方で、出口側であるヘッドホンについて伺います。アーティストとして、ボーカリストとしての観点からお伺いしたいのですが、NOKKOさんがパフォーマンスを行う上で、モニターヘッドホンとはどのような存在でしょうか。
NOKKOさん ヘッドホンでモニタリングしながら歌うということは、違和感があって普通です。自分の歌声をマイクが電流に変換してそれが増幅されて、様々な機器を経てヘッドホンから戻ってくるわけですからね。ただ、いま歌っているのか聴いているのかわからなくなることがあります。そういうときはとても良く歌えているのです。
ーー 自分が歌っていることと、ヘッドホンを通してその歌を聴いていることが一体になるような環境が理想的であり、素晴らしいパフォーマンスを生むということですね。
NOKKOさん 聴くことを意識して歌ってしまうと、そんなに良い歌にならないです。だからモニターの環境が合わないときは、モニターヘッドホンを外して片耳で歌うこともありますね。だからこそ、モニターヘッドホンが、違和感のない素直な音であることはとても大事です。
もちろんモニター環境はヘッドホンだけではなくて、マイクからミキシングコンソールまで様々な要素で成り立っているものです。ですからヘッドホンも大事ですが、それだけというわけではありません。
ーー なるほど。今回は実際のレコーディングでATH-M50xを使ってみていただいたということですが、音の印象はいかがでしたでしょうか。
NOKKOさん とても素直な音のヘッドホンだと思いました。ボーカル録りをする場合に、音が素直かどうかというのはとても大切で、このヘッドホンのように帯域の上から下までを自然に再現してくれることはありがたいです。例えばモニターからハイが実際よりもたくさん返ってくると、自分としてはもっとハイを出したいのに、体が無意識にリミッターをかけてしまうということがあります。ATH-M50xではそういったこともありませんでした。
Hotodaさん そこがモニターヘッドホンと鑑賞用のヘッドホンの大きな違いだと思います。モニターヘッドホンは自分が歌ったり演奏したりする音が違和感なく再生できなくてはいけません。それが鑑賞用のヘッドホンだと、リスニング用の音として加工されて戻ってくるのですから、そこが大きな違いと言えます。鑑賞用のヘッドホンでは歌えないでしょう?
NOKKOさん 難しいですね。マイクもそうなのですが、人工的に煌びやかさが加わると、自分が歌っても歌ってもその音に吸い込まれてしまうような、自分の声が違う音に混ざってしまうような感覚になってしまうのです。歌うときのモニターは、声がマイクのなかを擦れながら入っていくのが聴こえるような音が理想的です。ATH-M50xを使ってボーカルを収録したときも、その感覚を体感することができました。