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[特別企画]デザインも一新、装着性にもこだわり

解像感も両立、“パナソニックならでは”のワイヤレス+NCヘッドホン「RP-HD600N」開発者インタビュー

公開日 2018/04/06 11:00 インタビュー:折原一也/構成:PHILE WEB編集部
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快適な装着性と美しいデザインを両立し、「新しいパナソニック」を表現

ーー 実際に長時間使ってみたら、装着感も良いと感じました。どんな工夫をされたのですか?

桔梗氏: 2つポイントがあります。1つは「3Dボールジョイント機構」で、ハウジング自体が自由に動く機構となっています。人の耳の形状によりフィットしやすくするための工夫ですが、実はこの機構には、ヘッドバンドのフィッティングをしやすくするねらいもあります。

「3Dボールジョイント機構」により様々な耳にフィット。ヘッドバンドも頭部に沿うようデザインされた

もう1つはイヤーパッドです。頭の形状に合うよう、数々の工夫が盛り込まれています。横から見ていただくと、平坦ではなく、3次元形状になっていることがお分かりかと思います。耳の後ろは凹んでいるので、その部分は膨らんだ形状にするなど、よりぴったりフィットするようにしています。思想としては、Technicsブランドの「EAH-T700」と同じです。ぴったりフィットすることで、遮音性にも良い効果が表れます。

しっかりフィットして高い遮音性も発揮する、3次元形状のイヤーパッドもポイント

柔らかく手触りも良い。イヤーカップ内側からは玉虫色のMLF振動板が透けて見える

ーー 操作性にもこだわりがありそうですね。使い始めたらすぐにボタンの配置に慣れて、すぐ操作できるようになりました。

桔梗氏: はい、ヘッドホンだけですべての操作が完結します。ボタンの配置についても、これまでの設計思想を踏襲した並び順で、手探りでも使っていただきやすい配置になっているかと思います。

操作ボタン類は全て右側イヤーカップの側面に備え、手探りでも使いやすい配置を心がけたという

ーー 製品のデザインについては、どのようなこだわりがあったのでしょうか?

デザインコンセプトは「装着美と装着性の両立」です。つまり、装着した時の外から見た美しさと、実際に着けた時の装着性。これを両立したい、ということです。

美しいデザインを実現するために、素材にもこだわりました。ヘッドバンド部やハウジング部の素材は高級感を持たせた上で、あえて過度な主張を抑えて、ファッションと合わせやすいよう配慮しました。

装着性については、頭部に沿うようなヘッドバンドのデザインに加えて、見た目にスリムに見えるよう、様々な機能や折りたたみ機構などを極力薄い筐体に詰め込む、ということにこだわりました。

美しさと快適さを兼ね備えた、“体に溶け込む”ような落ち着きあるデザインにもこだわり

ーー 3色のカラーが用意されていますが、どれも魅力的ですね。

桔梗氏: RP-HD600Nのコア層のお客様としてイメージしたのは、30代の男性です。30代ともなると、かなりファッションも落ち着いてくると思いますし、持ち物についても、派手さよりはこだわり感のあるものを選ぶ、そういったイメージです。

想定されるコアなユーザー層と同年代の折原氏。ファッションにも合わせやすくオシャレな「オリーブグリーン」がお気に入り

こういったイメージに合うよう、黒は定番色としてラインナップしながら、オリーブグリーン、マルーンブラウンという2色もご用意しました。オリーブグリーンを選んだ理由は、緑がいまトレンドカラーであるということと、ほかにあまりない色だからです。お好きな方は、とても気に入っていただける色ですね。

もうひとつのマルーンブラウンは、革小物のイメージです。男性はもちろん、女性にも使っていただきやすいデザインかと思います。

革小物をイメージした「マルーンブラウン」は、女性にも使いやすい優しい印象

これまでパナソニックのヘッドホンは、いわゆるヘッドホンらしいデザインが多かったのですが、今回のRP-HD600Nもそうですし、RP-HTX80Bもそうなのですが、「新しいパナソニックのヘッドホンを表現したい」という思いをデザインにも込めたつもりです。

ただ、こういったスリムなデザインを実現しながら、内蔵する部品も多いので、設計サイドも苦労したと思います(笑)。

鈴木氏: 基板はドライバーの後ろに配置しています。スリムなデザインに内蔵物を多く入れながら音質を高める、ということを行いました。

ノイズキャンセル機能を省いた兄弟機「RP-HD500B」

ーー ノイズキャンセリングのない「RP-HD500B」も兄弟機としてラインナップされています。

桔梗氏: RP-HD500Bは、これまでワイヤードヘッドホンを使っていた方がワイヤレスに乗り換えるとき、選んでいただけるものとして開発しました。

いろいろ調べてみますと、若い方はアニソンなどをハイレゾヘッドホンで聴いてらっしゃることが多く、そういうときに“ハイレゾ相当のワイヤレス” というRP-HD500Bの特徴が活きてくると思います。

「RP-HD500B」はブラックカラーのみの展開

ーー RP-HD500Bの、音のチューニングについてはいかがでしょう? RP-HD600Nと変えたのですか?

鈴木氏: 全く同じ方向性をねらっています。回路構成、アンプの構成が異なっているので、そこの違いはありますが、狙った方向性は同じで、それを実現できていると思います。

ーー お話を伺っていると、パナソニックさんの持つノウハウや技術、知見など、様々な要素がこの「RP-HD600N」「RP-HD500B」に結集していると感じました。

桔梗氏: ありがとうございます。最後にもうひとつだけお伝えしたいことがあります。耐久性です。

鈴木氏: 基本的には外出先で、長くご愛用いただく製品ですので、様々な耐久試験を行っており、耐久性にも万全を期しています。もしご購入いただけたら、ぜひどんどん持ち歩いていただきたいですね。

ーー 本日はありがとうございました。

(特別企画 協力:パナソニック株式会社)

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