<山本敦のAV進化論 第176回>
「AQUOS R3」は“シャープらしい”着眼点で使いやすさ追求。開発者に聞く多機能のポイント
シャープの最新フラグシップスマホ「AQUOS R3」が国内3大通信キャリアから発売された。最新の高画質ディスプレイ「Pro IGZO」の搭載やAIカメラなど、盛りだくさんの機能とその使いこなしをシャープの開発担当者に聞いた。
インタビューに答えていただいたのはAQUOS R3の商品企画を担当した楠田晃嗣氏と小野直樹氏、ならびに技術開発に携わったディスプレイ担当の関文隆氏、カメラ担当の河野広岳氏だ。
AQUOS Rシリーズは、シャープが発売するスマートフォンのフラグシップに位置付けられる。各キャリアで展開されていたフラグシップモデルが2017年以降にAQUOS Rとしてシリーズを統一した。アルファベットのRにはReality(臨場感)・Response(快適なレスポンス)・Reliability(信頼性)・Robotics(人工知能などロボティクス技術)という意味が込められている。
今は多くのスマホをつくるメーカーがディスプレイとカメラの付加価値を高めることに注力しているが、AQUOS R3の魅力はそれぞれにシャープらしい着眼点を意識して、高度な機能を多くのユーザーが使いたくなるようにまとめ上げていることだと思う。
■明るく高精細なPro IGZOディスプレイ
最初にディスプレイ側の魅力を掘り下げていこう。
AQUOS R3にはシャープが独自に開発した最新世代の約6.2インチ「Pro IGZO液晶ディスプレイ」が搭載されている。スマホは様々な場面で使われるデバイスである。テレビのディスプレイと大きく違うところは、ユーザーが見るだけでなく触ることも想定して、あらゆる環境下で視認性と操作性を高めなければならないことだと、ディスプレイの開発に携わる関氏が説いている。
近年では画質を高めたり、本体の薄型化を図るためにメーカー各社のハイエンドモデルには有機ELディスプレイが採用されることが増えている。AQUOS Rシリーズでは消費電力の効率が高く、明るく色鮮やかな映像が得られることから、あえて液晶を採用することにこだわった。
最新モデルではAQUOS Rシリーズとして初めて、パネル表示とドライバーの駆動も含めて映像処理を10bit化した。これにより高解像できめ細かなグラデーション表現を可能にしている。
パネルは従来モデルのAQUOS R2に比べて透過率が約18%アップして、最大輝度が約2倍になった。HDR対応の映像を画面に映してみると明部の描画力が格段に高まったことが明らかにわかる。映像の深い奥行きと立体感、肌に伝わってくるようなリアルな空気感が6.2インチの画面から生々しく伝わってくる。
基本の画づくりについては培ってきたノウハウを継承しながら、そこに「画質モード」を加えてユーザーが視聴環境に最適な映像を楽しめるようにした。選択肢は標準/ダイナミック/ナチュラルのほか、アプリによって適した画質に変更してくれる「おススメ」があり、こちらがデフォルト値になる。スマホのエントリーユーザーも設定を意識することなく、常にベストコンディションの画質が楽しめるというわけだ。
■屋外での見やすさを追求した
関氏が特に力を込めて解説してくれた機能が、屋外でもディスプレイを見やすくするために初搭載した「アウトドアビュー」だ。これから陽射しがますます強くなる夏の季節にはぜひ活用したい機能となる。
その仕組みはただバックライトの明るさを周辺光に合わせて最適化するだけでなく、ディスプレイに表示される映像の明暗差に解析をかけて、画素単位でコントラストを調整するローカルトーンマッピングの技術を組み合わせている。
「屋外では暗い映像の階調部分が外光の反射により最も見えにくくなります。ただバックライトの輝度を上げるだけでは “見えにくい領域” を残しながら全体的に明るくなるだけです。そこで映像の内容を解析して、環境によって見えにくくなる領域のコントラスト調整を合わせて行って、屋外でも見やすくする機能がアウトドアビューです。屋外の日差しがさほど強くない曇天の時にはバックライトは上げずに映像処理だけを行い、省電力化も同時に図ります」(関氏)
アウトドアビューのメニューには「設定」アプリの「ディスプレイ」からたどり着ける。ただ、AQUOS R3の多彩な機能メニューへ直感的にたどり着けないため、「設定」に「AQUOS便利機能」のメニューを設けて、ディスプレイの表示や画質を用途に合わせて設定できる「リッチカラーテクノロジーモバイル」の各種設定への導線をわかりやすいように配置した。
開くとアウトドアビューはデフォルト設定でオンになっている。あとは画面のブルーライトを低減する「リラックスビュー」や、シャープのスマホが得意としてきた「のぞき見ブロック」、HDR動画の画質設定などもここに統合されている。
インタビューに答えていただいたのはAQUOS R3の商品企画を担当した楠田晃嗣氏と小野直樹氏、ならびに技術開発に携わったディスプレイ担当の関文隆氏、カメラ担当の河野広岳氏だ。
AQUOS Rシリーズは、シャープが発売するスマートフォンのフラグシップに位置付けられる。各キャリアで展開されていたフラグシップモデルが2017年以降にAQUOS Rとしてシリーズを統一した。アルファベットのRにはReality(臨場感)・Response(快適なレスポンス)・Reliability(信頼性)・Robotics(人工知能などロボティクス技術)という意味が込められている。
今は多くのスマホをつくるメーカーがディスプレイとカメラの付加価値を高めることに注力しているが、AQUOS R3の魅力はそれぞれにシャープらしい着眼点を意識して、高度な機能を多くのユーザーが使いたくなるようにまとめ上げていることだと思う。
■明るく高精細なPro IGZOディスプレイ
最初にディスプレイ側の魅力を掘り下げていこう。
AQUOS R3にはシャープが独自に開発した最新世代の約6.2インチ「Pro IGZO液晶ディスプレイ」が搭載されている。スマホは様々な場面で使われるデバイスである。テレビのディスプレイと大きく違うところは、ユーザーが見るだけでなく触ることも想定して、あらゆる環境下で視認性と操作性を高めなければならないことだと、ディスプレイの開発に携わる関氏が説いている。
近年では画質を高めたり、本体の薄型化を図るためにメーカー各社のハイエンドモデルには有機ELディスプレイが採用されることが増えている。AQUOS Rシリーズでは消費電力の効率が高く、明るく色鮮やかな映像が得られることから、あえて液晶を採用することにこだわった。
最新モデルではAQUOS Rシリーズとして初めて、パネル表示とドライバーの駆動も含めて映像処理を10bit化した。これにより高解像できめ細かなグラデーション表現を可能にしている。
パネルは従来モデルのAQUOS R2に比べて透過率が約18%アップして、最大輝度が約2倍になった。HDR対応の映像を画面に映してみると明部の描画力が格段に高まったことが明らかにわかる。映像の深い奥行きと立体感、肌に伝わってくるようなリアルな空気感が6.2インチの画面から生々しく伝わってくる。
基本の画づくりについては培ってきたノウハウを継承しながら、そこに「画質モード」を加えてユーザーが視聴環境に最適な映像を楽しめるようにした。選択肢は標準/ダイナミック/ナチュラルのほか、アプリによって適した画質に変更してくれる「おススメ」があり、こちらがデフォルト値になる。スマホのエントリーユーザーも設定を意識することなく、常にベストコンディションの画質が楽しめるというわけだ。
■屋外での見やすさを追求した
関氏が特に力を込めて解説してくれた機能が、屋外でもディスプレイを見やすくするために初搭載した「アウトドアビュー」だ。これから陽射しがますます強くなる夏の季節にはぜひ活用したい機能となる。
その仕組みはただバックライトの明るさを周辺光に合わせて最適化するだけでなく、ディスプレイに表示される映像の明暗差に解析をかけて、画素単位でコントラストを調整するローカルトーンマッピングの技術を組み合わせている。
「屋外では暗い映像の階調部分が外光の反射により最も見えにくくなります。ただバックライトの輝度を上げるだけでは “見えにくい領域” を残しながら全体的に明るくなるだけです。そこで映像の内容を解析して、環境によって見えにくくなる領域のコントラスト調整を合わせて行って、屋外でも見やすくする機能がアウトドアビューです。屋外の日差しがさほど強くない曇天の時にはバックライトは上げずに映像処理だけを行い、省電力化も同時に図ります」(関氏)
アウトドアビューのメニューには「設定」アプリの「ディスプレイ」からたどり着ける。ただ、AQUOS R3の多彩な機能メニューへ直感的にたどり着けないため、「設定」に「AQUOS便利機能」のメニューを設けて、ディスプレイの表示や画質を用途に合わせて設定できる「リッチカラーテクノロジーモバイル」の各種設定への導線をわかりやすいように配置した。
開くとアウトドアビューはデフォルト設定でオンになっている。あとは画面のブルーライトを低減する「リラックスビュー」や、シャープのスマホが得意としてきた「のぞき見ブロック」、HDR動画の画質設定などもここに統合されている。