米本社のエンジニアにインタビュー
Sonosの新サウンドバー「Arc」が“プレミアム”である理由。開発者に聞いた
■第2世代Sonosアプリのハイレゾ対応はどうなる
Arcと一緒に発表された第3世代のSubとワイヤレススピーカーのFiveは、いずれもホームネットワークに接続してSonosアプリで本体設定や音楽再生の操作を行う。Sonosアプリは6月8日に最新バージョンの「S2」にアップデートされることもSonosから発表された。
ArcとSub、FiveはS2世代のSonosアプリでのみ操作できる製品なので、もし既にほかのSonos製品を使っているユーザーが3つの製品を買い足した場合は、必ずアプリのアップデートが必要だ。アップデートを行う際には、お気に入りの楽曲やサービスなど、ユーザーがカスタマイズした項目はすべて引き継がれるという。
S2世代のSonosアプリではArcのドルビーアトモス再生のほか、ドルビーアトモス Audioのコンテンツ再生に対応している。4月下旬に始まったラジオストリーミングサービス「Sonos Radio」の聴取も可能だ。
プレスリリース等ではアプリの「ハイレゾオーディオ対応」についても言及されているが、インタビューの時点では「まだDolby Atmos対応以外に明かせることはない」とSimmons氏が回答している。今後の追加情報のアップデートに注目したい。
S2世代のSonosアプリは、ユーザーインターフェースがアップデートされる。音楽コンテンツの検索アルゴリズムが改善されるほか、Sonos製品をセットアップした部屋同士をグルーピングし、プリセットに保存できる機能など、マルチルーム再生が強化される。
これまでに発売されたSonos製品はどの世代まで最新のSonosアプリが使えるようになるのか気になるところかもしれない。Simmons氏は第2世代のPlay 5以降に発売された製品が、6月8日以降のソフトウェアアップデートによりS2世代のSonosアプリが使えるようになると説明している。残念ながら第1世代のPlay 5よりも以前に発売された製品については、ソフトウェアの大型バージョンアップの対象にはならないようだ。
Simmons氏は「アプリのサポートは継続しますが、今後提供されるアップデートの内容はバグ修正やセキュリティ強化に止まり、ユーザーインターフェース強化や新機能の追加は、S2世代以降のアプリでのみアップデートされます」と説明している。
■進化を続けるSonosのネットワークプラットフォーム
最後に、CEOのパトリック・スペンス氏がArcの発売に向けて発表したコメントの抜粋を紹介したい。
スペンス氏は、エントリー向けサウンドバーであるBeamの成功が、ホームシアターブランドとしてのSonosのポジションをさらに強固なものにしたとして、「ラインナップにArcを加えることで、家庭のテレビが大型化・高画質化しているトレンドに即した、上質で没入感あふれるコンテンツ体験を多くのユーザーに届けていきます」と述べている。
現在アメリカにはSonosの製品を愛用する約1,000万世帯、2,900万のアクティブカスタマーがいるという。「Arcが皆様の家庭により良いサウウンド体験を届けるためには、Sonosアプリのプラットフォーム強化が必須だと考えています。ローンチしたばかりのラジオストリーミングサービスのSonos Radioも、さっそく好評を得ています。今後も進化するプラットフォームの展開を私自身も楽しみにしています」と、スペンス氏は意気込みを語っていた。
Sonosのネットワーク対応のオーディオ製品はその音質だけでなく、豊かな拡張性とシンプルな操作性が大きな魅力だ。S2世代のアプリも含めて、新製品の使い勝手がどれぐらい進化しているのか。実際の製品に触れる機会を待ちたい。