HOME > インタビュー > 最初から正解を求めず「楽しむ」。コラボヘッドホンに現れる大黒摩季の“ポリシー”とは

「WIZY」にて予約受付中

最初から正解を求めず「楽しむ」。コラボヘッドホンに現れる大黒摩季の“ポリシー”とは

公開日 2020/11/04 12:00 編集部:小澤麻実
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

最初から「正解」だけを求めると、モノってできない

—— ケースも、ご自分で手を動かしてデザインを固めていったとうかがいました。

大黒さん: 私デザイナーじゃないから、今回のヘッドホンを作るにあたって、「どういうロゴがいいかな?」って、手元にあった資料をいろいろと切り貼りして並べてみたんです。

最初はこんなに沢山文字を入れるつもりじゃなかったの。でもこう、手を動かしてくうちに、アンバランスなものが沢山並んでるのが「なんかちょっとアートになってない?」って突然思って。近年お付き合いが増えた他国籍の方たちの影響もあるかも知れません。

遊び心で手を動かしていくうちにデザインの方向性が定まったそう。「遊び心って大事。名曲も、遊んでいるうちにできるんですよね」

—— 明確な方向性があったわけではなく、偶然のひらめきがかたちになった、と。

大黒さん: そう。だいたい、良いものって偶然生まれるんですよ。名曲って言ってもらってる作品も、数時間くらいでできたりして。

偶然をただの過去のように流してしまうと何にもならない。だから偶然を「必然」に変えるために、自分でスイッチを押してジャンプできるかどうかなんですよね。

—— ひらめきを霧散させずつかみ取ってまとめあげる。大黒さんのクリエイティブの胆力を感じます。それにしても、ご自身がリアルに手を動かして作っていたというのに驚きます。

大黒さん: ジーパンのダメージとかも気に入らなかったら自分で引き裂いてますからね(笑)。好きなんだと思いますよ、クリエイティブが。

クリエイティブって面白いの。正解のようで不正解かも知れないし、不正解のようで正解かも知れない。でも最初から「正解」だけを求めるとモノってできない。面白い!と言われる作品の殆どが、“悪ノリに似た遊びごころ”から生まれますもの。

ケースのデザインも、最初見せたとき「えー」って言われたんですよね(笑)。前例がなさすぎるとか、こんなにびっしり文字を並べると印刷範囲が……とか。でも「思ったことをやってしまえ」と。

私、50歳過ぎたらブレイクスルーしてきたんですよ。他人の言うことも聞いたし、期待にも応えたし、一度はお嫁にも行って頑張ったことだし、ここからは好きにやってしまえー!と。「思ったことをやってしまえ、それが私の個性だ。それがどうかを決めるのはお客様だ」と。音楽だって、その結果でヒットとかいうものでしょ、って吹っ切れたんです。


次ページ取り繕わない「ありのままの良さ」という魅力

前へ 1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック: