決めゼリフの演技に注目
『花ふるコロニーロット』は“芝居力が試される”作品? 小野友樹さん特別インタビュー
■小野さん演じる遠野樹の“実は恐ろしいポイント”とは?
ーー小野さんは『花コロ』で、ヒロイン・蕃茄なずなの同僚である遠野樹を演じられています。小野さんから見て、彼はどんなキャラクターですか?
小野:ギルくん……僕はギルくんって呼んでいるんですけど、簡単に言うと庭メガネくんですね(笑)。訳あって庭を大事にしているけど、庭への愛情がとても深く、自然を愛する優しい人で、なずなさんに対してもガーデニングのことを優しく、分かりやすく教えてくれます。
なずなさんだけでなく読者の皆さんもストーリーを追いつつ、ガーデニングのことをちょっとずつ知っていけると思いますので、ギルくんの優しさに触れつつ、彼を通してガーデニングにも詳しくなれる、そんな魅力があるキャラクターですね。
ーー小野さんが実際に演じられて、自分と似てるなと思ったところや、逆に全然違うなって思ったところがありましたら教えてください。
小野:似てるところはメガネです。メガネキャスティングかな? と思うくらい(笑)。それはさておき、困ってる人を助けたいってところは似てるかもしれませんね。1話で庭に迷い込んできたなずなさんを助けてあげたり、その後もガーデニングを教えてあげたりとか、世話焼きな部分は近いと思います。
違うのは……僕は庭をやっていないことですかね。なので『花コロ』を収録させていただいた後で、狭いところでも何かできるのかなって「ガーデニング 狭い」で検索して、コンパクトな植物棚とかを調べたりはしてみました。
ーー私も一足先に漫画だけを読ませていただきましたが、確かにいつでも優しく、物腰穏やかなキャラクターですよね。ただ、一見すると草食系男子なんですが、ところどころ肉食系な部分が垣間見えるような……。
小野:多分、無意識ですよ。まさしく収録のとき、「ここは決めカットだろう」という場面を決め風の演技でやってみたら「そこまでやらなくていいです」とディレクションされたことがありまして、そこから僕は「狙って言ってるわけではないんだな」と読み取りました。つまりセリフだけ見ると肉食系だと思うかもしれませんが、本人はそんなつもりではなく、ごく自然な流れで発している訳ですよ。
ーー胸キュンセリフが……息を吐くように出てくると……?
小野:僕も収録中、何度かダメ出しを食らいました。「エロすぎる」と(笑)。なので実際に読んでいただくときも、決めカット風なところで、ギルくんがどんな風にしゃべっているのかに注目してほしいですね。キメキメなセリフなのに意外とあっさり目に感じられたとしたら、それがギルくんという男なんですよ。皆さん翻弄されていますね。
ーー恐ろしい男です……。ですが漫画+音声というスタイルだからこそ、そんなところにも気付けるわけですね。それでは最後に、『花ふるコロニーロット』の読者、そしてこのインタビューを読んでいらっしゃる皆さんにメッセージをお願いします!
小野:『花ふるコロニーロット』は漫画と音声が同時リリースという、画期的なスタイルの作品です。一般的なボイスコミックですと我々声優は「原作ファンの皆さんのイメージを壊さないだろうか」と気にしたりもするのですが、今回はそんな心配ございません! 僕も皆さんにご満足いただけるといいな、と思っておりますので、ドキドキワクワクしながら読んで、聴いていただけると嬉しいです。
ーーありがとうございました!