PR静電型ヘッドホンの上手な扱い方も聞いた
“静電型ヘッドホン” の最前線、スタックス修理の現場に潜入
“音の良いヘッドホン”と一口に言っても、市場には実にさまざまな選択肢が広がっている。ただ、その候補として名前があがりやすいのが「静電型ヘッドホン」ではないだろうか。
静電型、あるいはエレクトロスタティック型やコンデンサー型とも呼ばれる方式のヘッドホンは、とても薄い振動膜を2枚の電極板ではさみ、振動膜には常に電圧をかけておく。その状態で電極板に音楽信号を流すと、静電気によって振動膜がふるえ、音を発生させるという仕組みである。
この方式では、非常に薄く軽い振動膜をほぼ全面均一に動かせることから、音の鳴りはじめにも機敏に反応し、微細な音楽信号も忠実に再現できるという長所を持つ。その一方、製造にも高い技術力とノウハウがいるので、開発できるメーカーはごくわずか。加えて静電型専用のアンプ(ドライバーユニット)も必須となるため価格も高額になりがちで、導入にあたっては吟味に吟味を重ねることになるだろう。
それだけに、一念発起して購入した静電型ヘッドホンがどれだけ長い間使えるのか、また万一故障してしまった場合は、どのようなサポートが受けられるのかは気になるところ。
そういった疑問を、およそ80年にわたり静電型ヘッドホン(イヤースピーカー)を手掛けている国内メーカーSTAX(スタックス)の修理を担当するサービス課を訪ねて、質問してみた。
では、スタックスのイヤースピーカーおよびドライバーユニットの修理の流れを紹介しよう。修理の申込みは、製品の購入店経由や電話でも受け付けているが、同社の公式Webサイトに「修理/問合せ」フォームも整備されている。不調の原因や使用年数、連絡先など必要事項を打ち込んで送信し、受付完了の返事が届けば、スタックス宛に修理品を送付する。
特に「修理/問合せ」フォームには、モデルごとに修理可能か否か、交換用パーツの在庫の有無が掲載されている。純正部品で直せるのか、代替部品を使うことになるのか、あるいは残念ながら部品が払底していて修理が困難なのか、事前に確認してから申込みができる。
スタックスで受け取った修理品は、まず最初に不調の箇所の点検を行う。最初に修理費用の見積もりを取るためであり、またそもそも修理に耐えるかどうかを確かめるためだ。
特に古いモデルでは、内部の部品同士が貼り付いていたり、部品自体が劣化して脆くなっていることも多い。そういった状況では、修理の過程で部品を壊さないよう、ひときわ気を使って作業を進めなければならない。
このような事情から、スタックスではおよそ20年以上前の製品を修理する場合は、修理の可否に関わらず点検料5,000円を申し受けている。なお、分解すると元に戻せないほど劣化が進み、修理できないと判断された場合は、点検料は不要となるそうだ。
こうして故障内容の点検が終わると、念のため24時間音出しをして確認した後、依頼主に修理の可否と見積もりが連絡される。修理不能の場合や、見積もりや修理内容が受け入れられない場合は、この段階で着払いにて修理品を引き取ることができるが、いずれにせよ本格的な修理作業に取り掛かるのは、依頼主の同意を得てからとなる。
静電型、あるいはエレクトロスタティック型やコンデンサー型とも呼ばれる方式のヘッドホンは、とても薄い振動膜を2枚の電極板ではさみ、振動膜には常に電圧をかけておく。その状態で電極板に音楽信号を流すと、静電気によって振動膜がふるえ、音を発生させるという仕組みである。
この方式では、非常に薄く軽い振動膜をほぼ全面均一に動かせることから、音の鳴りはじめにも機敏に反応し、微細な音楽信号も忠実に再現できるという長所を持つ。その一方、製造にも高い技術力とノウハウがいるので、開発できるメーカーはごくわずか。加えて静電型専用のアンプ(ドライバーユニット)も必須となるため価格も高額になりがちで、導入にあたっては吟味に吟味を重ねることになるだろう。
それだけに、一念発起して購入した静電型ヘッドホンがどれだけ長い間使えるのか、また万一故障してしまった場合は、どのようなサポートが受けられるのかは気になるところ。
そういった疑問を、およそ80年にわたり静電型ヘッドホン(イヤースピーカー)を手掛けている国内メーカーSTAX(スタックス)の修理を担当するサービス課を訪ねて、質問してみた。
■イヤースピーカー&ドライバーユニットの修理の流れ
では、スタックスのイヤースピーカーおよびドライバーユニットの修理の流れを紹介しよう。修理の申込みは、製品の購入店経由や電話でも受け付けているが、同社の公式Webサイトに「修理/問合せ」フォームも整備されている。不調の原因や使用年数、連絡先など必要事項を打ち込んで送信し、受付完了の返事が届けば、スタックス宛に修理品を送付する。
特に「修理/問合せ」フォームには、モデルごとに修理可能か否か、交換用パーツの在庫の有無が掲載されている。純正部品で直せるのか、代替部品を使うことになるのか、あるいは残念ながら部品が払底していて修理が困難なのか、事前に確認してから申込みができる。
スタックスで受け取った修理品は、まず最初に不調の箇所の点検を行う。最初に修理費用の見積もりを取るためであり、またそもそも修理に耐えるかどうかを確かめるためだ。
特に古いモデルでは、内部の部品同士が貼り付いていたり、部品自体が劣化して脆くなっていることも多い。そういった状況では、修理の過程で部品を壊さないよう、ひときわ気を使って作業を進めなければならない。
このような事情から、スタックスではおよそ20年以上前の製品を修理する場合は、修理の可否に関わらず点検料5,000円を申し受けている。なお、分解すると元に戻せないほど劣化が進み、修理できないと判断された場合は、点検料は不要となるそうだ。
こうして故障内容の点検が終わると、念のため24時間音出しをして確認した後、依頼主に修理の可否と見積もりが連絡される。修理不能の場合や、見積もりや修理内容が受け入れられない場合は、この段階で着払いにて修理品を引き取ることができるが、いずれにせよ本格的な修理作業に取り掛かるのは、依頼主の同意を得てからとなる。