インターネット経由で映画やテレビ放送を楽しめるというブロードバンドサービス「4th MEDIA」の視聴に挑戦中の筆者。前回、接続までは完了したものの4th MEDIAへの接続・視聴はかなわなかった。この2週間の間、かかりっきりだったわけではないが、苦戦していたのは事実で、正直、何度途中までにあきらめようと思ったか知れない。しかし、僕の仕事は“地雷”を踏んでそれを読者の皆さんに報告することだ。そう思い、なんとか乗り切った(ちょっと大げさ?−笑−)。
4th MEDIAの設定が複雑なことにはいくつかの理由がある。まずは接続までの流れを図にしてみたのでご覧いただきたい。
4th MEDIAを視聴するためには、ざっとこれだけの手順が必要だ。前回、僕が接続できなかったのは、BフレッツのIPv6サービス「フレッツ・ドットネット」への接続契約をしていなかったことが原因だった。フレッツ・ドットネットは限られたフレッツの通信網内だけで、データを配信するサービスで、4th MEDIAを利用するには欠かせないサービスだ。ただ、4th MEDIAに加入しても、開通するまでの簡単なセットアップガイドが送られてくるわけではなく、かなり迷ってしまった。ここで僕はハマっていたのだ。
話は遡る。接続できずに困ってしまい、東芝のテレビ・ネットワーク専門のサポートへ数回電話した。しかし、あいにく混雑していたので、4th MEDIAの加入をお願いしたプロバイダーのサポートへ電話をした。こちらはスムーズにつながり、接続ができないことを伝えたところ…、悪夢のようなたらい回しとコールバック対応が延々と続いてしまったのだ。
この間の対応については、愚痴にもなるし、恨み節にもなるので、割愛させていただくが、約1日かけてサポートの方にお付き合いただいた結果分かったことは…、サポート担当者の上司ですら、東芝のREGZAを使った設定について詳しく知らなかった、という結果だった。1日かけて残ったのは、さんざん配線を入れ替えさせられてぐちゃぐちゃになった通信機器類と、再起動をさせられた挙げ句に、4th MEDIAをいまだに再生できないREGZAだった。
結局、東芝のサポートに連絡したところ、エラーコードから「お客様、フレッツ・ドットネットへの加入がまだだと思いますよ」という一言で解決。あっけなく片付いた。
さて、東芝サポートのおかげでようやく接続ができた。4th MEDIAは「テレビ」「ビデオ」「カラオケ」「音楽ラジオ」などのコンテンツを利用できる。ラジオはサービスを中止しているので、この中から使うとすれば、僕の場合は「テレビ」と「ビデオ」ということになる。「テレビ」はスカパー!とほぼ同じ専門チャンネルのリアルタイム放送になっており、“全国居酒屋紀行”がおすすめの「旅チャンネル」や海外ドラマの「AXN」など、見どころはたくさんある。
そして、好きなときに好きな作品を楽しめるのが「ビデオ」だ。有料だが最新作を好きなときに楽しめ、ビデオレンタルのように返却日に追われないというのが魅力だ。さっそく最新作の中からシャーリーズ・セロン主演の「イーオン・フラックス」を視聴してみることにした。
いろいろ苦労もした。泣きたくなるほど、配線に入れ替えもさせられた。しかし!好きな時に見たい映画を見ることができるV.O.D環境を手に入れることができたのだ!「イーオン・フラックス」を思う存分楽しもうじゃないか。まぁ、そんな気分で映画の再生を始めた。うん?本編が始まって青くなってしまった。なんと、画面が4:3のスタンダードサイズなのだ。DVDレンタルより高くて、これはあり得ない。なにかの間違いかと、サポートに問い合わせたところ、なんと僕の加入しているプロバイダー経由ではスタンダードサイズの放送しかしていないことが判明した。
いまさらプロバイダーを変更することはできないので、画面サイズについては涙をのむことにした。ただ画質はDVDと比べても遜色なく、これでワイドなら文句はなかったところだ。視聴中2回ほど、ブロックノイズによる障害が発生したが、インターネット経由と言うことを考えればガマンするしかないだろう。
設定の複雑さは気になるが、V.O.D自体の使い勝手は便利だと感じた。要はワイド画面の最新作ではなく、アニメや昔のドラマを見るには、最適なサービスだと感じた。設定については、僕が地雷を踏んでいるので、皆さんは前述した作業手順で設定を行っていただきたい。
しかし、ハイビジョン画質で映画を好きなときに見たいという願望については、何とかならないのだろうか?そのうちプロバイダーの変更ができたら、挑戦してみるつもりだ。
−次号の掲載は2月6日(火)を予定しています。どうぞお楽しみに!−
※4th MEDIAのサービスについては、正しくは「IPv6を利用したNTTのフレッツ網を使うブロードバンド動画配信サービス」となります。今回の4th MEDIA視聴レポートでは、家庭で映像を楽しむ手段として、電波放送やパッケージソフトとの対比を表すため、サービスの利用形態については広義での「インターネット」という言葉で表現させていただきました。