「大画面テレビを手に入れたら、次はサラウンドを!」というユーザーが増え、サウンドの要となるAVアンプへの期待度が日増しに高まっている。それだけでなくAV機能を強化したWindowsの新OS「Vista」の登場でパソコンも“良い音”を求めだしている。いままで以上に多機能を求められるAVアンプの中でも、今回は家電のネットワーク規格DLNAガイドラインにも準拠したAVアンプのデノン「AVC-4320」のネットワーク機能をテストすることにした。
今回はAVC-4320でどんなことができるのか、デノンの担当者にインタビューを行って詳細を訊ねてみた。ご対応いただいたのは(株)デノン コンシューマー マーケティング 販売企画部 宣伝課 チーフプランナーの櫻木康浩氏だ。ネットワーク機能を備えるAVC-4320。今回はテスト環境の関係で同じ機能を備える上位モデルのAVC-A1XVAを使用した。
━━:AVC-4320はDLNA規格にも準拠していますが、本機で活用できるネットワーク関連機能を紹介していただけますか。
櫻木氏(以下 敬称略):ホームネットワーク(以下LAN)に接続しているパソコンに保存した音楽がAVアンプからコントロールして再生できます。パソコンにはアナログの音声出力端子もあるので、スピーカーなど外部機器をピンジャックケーブルから接続することでパソコンに保存した音楽を再生できますが、ネットワーク機能を使えば、AVアンプからパソコン内のファイルを操作して再生することもできます。
━━:ネットワークを使えばワイヤレスでの操作も可能ですね。
櫻木:そうです。たとえば書斎のパソコンに保存した音楽が、リビングのAVアンプから操作して再生できます。最近はiPodなどの携帯音楽プレーヤーを使う方が増えて、まずCDを入手したらパソコンに保存することが増えました。いわばパソコンのハードディスク(以下HDD)が音楽のライブラリーになっています。AVアンプがネットを介してこれらの音楽ファイルを扱えるようになることで、このライブラリーを使ったジュークボックスが完成します。
━━:対応する音楽ファイルの種類を教えて下さい。
櫻木:MP3、WAV(LPCM)、WMAの3種類です。AVC-4320はマイクロソフトの「PlaysForSure」に対応しています。ですので、Windows Media Player10で対応するソフトと、PlaysForSureマークのあるオンライン・ミュージックストアから購入した曲の再生も可能です。
━━:その他にもネットワーク対応ならではの機能はありますか。
櫻木:LAN対応になることでさらに2つの便利な機能を備えています。まず1つはインターネットラジオへの対応です。もう一つはオーディオのセットアップをパソコン上から行う「AV Amp Network Setup機能」も利用できるようになりました。
━━:インターネットラジオの活用方法についても教えてください。
櫻木:インターネットラジオのデータベースvTunerをデノン向けにカスタマイズされてラジオ局にアクセスして音楽を楽しめます。接続できるチャンネルは当初5000局からスタートしましたが、日々増加中なので現在ではかなり増えています。
━━:AV Amp Network Setup機能の詳しい使いこなし方について教えてください。
櫻木:AV Amp Network Setupはインターネットエクスプローラー上からAVアンプのコントロールやセットアップが行えます。リモコンで操作するよりも素早く快適にセッティングができます。本来はプロのインストーラー方向けの機能ですが、接続した機器の名称をキーボードで変更できるなど、使い勝手が良いので一般ユーザーの方から喜ばれています。
本機はこのネットワーク機能以外にも、iPodとの連携機能やUSB端子に接続した音楽プレーヤーとの連携などにも対応する。今回はすでにデノンのスタッフの方々により、セットアップされていた状態でのテストだったが、次回以降では筆者宅にAVアンプ「AVC-4320」をセットして、ネットワーク接続などの使い勝手や、パソコンに保存した音楽を実際に再生する際の使い心地などを細かく検証して行きたいと思う。
−次号の掲載予定は4月17日(火)に変更となりました。誠に申し訳ございませんが、次回更新まで今しばらくお待ち下さいませ。−