前回のBDレコーダー編に引き続き、今回もデジタル放送用チューナー付きのHDD&DVDレコーダーと次世代ディスクレコーダーの連携実験をお伝えしよう。
この実験の趣旨については
前回の記事を参照していただきたい。要は今の時点で手頃な価格のHDD&DVDレコーダーを手に入れたならば、そのHDDにハイビジョン番組をガンガン録画して、将来次世代ディスクレコーダーが安くなったら、録画番組をそのままの画質で光ディスクに保存するという使いこなし方を筆者は提案したいと考え、今回のテストを行っている。前回のレポートにもまとめたが、今回の実験で試みている次世代ディスクへのi.Link(TS)ダビング(ムーブ)に対応する機種は、現在のところシャープ、パナソニック、東芝のそれぞれから発売されている一部対応機器でしか利用できない機能なので、購入される場合にはご確認いただきたい。
前回はBDレコーダー編としてパナソニックの“DIGA”シリーズでテストをした。今回はHD DVD編として東芝の“VARDIA”シリーズから、「RD-S600」とHD DVDレコーダーの「RD-A600」を使ってみることにした。
2台の接続にはi.Linkケーブルを使用する。どちらの機種も前面と背面にi.Link端子があるのだが、前面は入力のみに対応する。そのため配線については、映像を送り出す側の「RD-S600」は背面のi.Link端子を、映像を受け取る側の「RD-A600」は前面の端子を使って接続した。両方とも前面のi.Link端子に接続してしまうとダビングができないのでご注意いただきたい。
接続を済ませてしまえば、あとは操作は簡単だ。RD-A600が録画中の状態だったり、アラート表示などが出ていないことを確認した後は、すべて送り出し側のRD-S600側で操作する。操作は「編集ナビ」で「ダビング」を選び、ダビング先を「D-VHS」に設定すればOKだ。この操作での注意点は、この「RD間 i.LinkダビングHD」機能を使ってムーブできる番組は“1番組のみ”ということ。複数の番組を移動したい場合は、同じ操作を繰り返さなければならない。使い勝手を考えるなら、複数番組移動に対応して欲しかったところだ。
「RD間 i.LinkダビングHD」はデジタル放送をそのままの画質で録画したTSモードのみ対応する。ではDVD画質(VRモード)で録画した番組を機器間で移動する際はどうすればよいのだろうか?それは従来からあるLANを使用した「ネットdeダビング」機能を使用することになる。RDの操作を熟知しているマニアなら、この辺の使い分けをすぐに理解できるだろうが、初心者は戸惑ってしまうのではないだろうか?将来「TS」「VR」両方の録画コンテンツの移動が一本化できれば、さらに便利に使えるだろう。
もうひとつ、移動したタイトルから番組名の情報が消えてしまったのも気になった。多くの番組を移動するようになると、移動した先で目的の番組が見つけづらく不便だろう。このあたりも改善が必要だと感じた。
「RD間 i.LinkダビングHD」の操作自体は特に難しくない。前回もお伝えしたが、すでに発売済みである多くのRDシリーズがこの機能に対応している。もし「RD間 i.LinkダビングHD」に対応する機種を既に持っているのなら、デジタル放送はまずTSモードでHDDに録画して、DVDに保存する場合はVR画質に変換して保存、どうしてもHD画質で残したいなら、いったんHDDに保存しておき、近い将来HD DVDレコーダーを購入した際にこの機能を使って次世代ディスクに保存するという使い方はどうだろうか。
前回お伝えしたDIGAのダビング機能、そして今回のVARDIAの「RD間 i.LinkダビングHD」ともに、次世代ディスク時代の到来を見越した注目すべき連携機能だ。ぜひ次世代ディスクへの移行を視野に入れてレコーダーを選ぶ際には参考にしていただきたい。
−次号の掲載は8月28日(火)を予定しています。どうぞお楽しみに!−