<高橋敦のTIAS2008レポート>大きなショウの小さな主役=iPod
オーディオソースとしての秘めたる可能性は以前から認められていたが、接続環境が整わず、「いつまで”秘めたる”のままなんだよ」と突っ込まざるを得ない状況が続いていたiPod。
しかし「Wadia 170 iTransport」が発売されたことで、その実力は秘めたるものではなくなった。遂にiPodからのデジタル出力を備えたピュアオーディオ機器が登場したのである。
というわけで、アクシスブースには、その「Wadia 170 iTransport」が展示されている。
単体での展示のみとなっており音は聴けないが、とりあえずはそのルックスを確認してほしい。同社製品らしい落ち着きと高級感があり、オーディオシステムに組み込むのにふさわしい、思わずニヤついてしまう佇まいだ。
なお音質については参考までに、筆者が別の機会に試聴した際の印象を付け加えておくと、「CD規格(44.1kHz/16bit)の限界に肉薄」である。つまりハイエンドクラスのCDプレーヤーにも劣らない音質と感じた。
ただこれはあくまでも”トランスポート”であるから、単体ではソース機器として完成しない。単体DACもしくはデジタル入力搭載アンプとの組み合わせが必須だ。逆に言えば、このデジタルトランスポーターの登場で、単体DACやデジタル入力搭載アンプにも注目が集まるかもしれない。もちろん会場にはそれらの製品も多数展示されているので、あわせてチェックしてみてほしい。
そして今回のショウではさらにもうひとつ、同様のトランスポートが初披露されている。GOLDMUNDの「iEIDOS Transport」だ。
こちらも参考展示のみで音は聴けないが(筐体もまだ完成版ではなく、製品は展示機より多少大きくなる見込みとのこと)、とにもかくにも、これが発表された意義は大きい。Wadiaに続いてGOLDMUNDと、ハイエンドオーディオの両雄がこの分野に参入したという事実は、音作りのプロからiPodの可能性が認められている証拠である。
「iEIDOS Transport」の予価は102,900円。これもやはりGOLDMUND製品としては安く感じる。戦略的な意味合いもあるのだろう。
なおGOLDMUNDは、さらにDACまで一体化して高品位なアナログ出力を実現する「iEIDOS Player」も用意するとのこと。搭載DACはもちろんGOLDMUNDクオリティというから、それが予価207,900円というのはこれまた破格のお値段だ。
一方でこちらはおなじみの分野だが、スピーカー一体型のiPodシステムも多数出展されている。
前述のWadiaやGOLDMUNDのトランスポートをメインのシステムの中核として、デスクトップやベッドサイドにはこういったコンパクトなシステムを導入。そんなiPod中心の音楽生活を思い浮かべることができる。
もちろん現段階ではまだまだ、ハイエンド・オーディオのソース機器の主役はCD/SACDプレーヤー。しかしここで紹介したiPodトランスポート、そしてLINNが展開するネットワーク・オーディオ”DS”シリーズなど、新たな流れが確実に生まれてきている。ショウというこの機会で、その一端に触れてみてほしい。
(高橋敦)
執筆者プロフィール
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。
しかし「Wadia 170 iTransport」が発売されたことで、その実力は秘めたるものではなくなった。遂にiPodからのデジタル出力を備えたピュアオーディオ機器が登場したのである。
というわけで、アクシスブースには、その「Wadia 170 iTransport」が展示されている。
単体での展示のみとなっており音は聴けないが、とりあえずはそのルックスを確認してほしい。同社製品らしい落ち着きと高級感があり、オーディオシステムに組み込むのにふさわしい、思わずニヤついてしまう佇まいだ。
なお音質については参考までに、筆者が別の機会に試聴した際の印象を付け加えておくと、「CD規格(44.1kHz/16bit)の限界に肉薄」である。つまりハイエンドクラスのCDプレーヤーにも劣らない音質と感じた。
ただこれはあくまでも”トランスポート”であるから、単体ではソース機器として完成しない。単体DACもしくはデジタル入力搭載アンプとの組み合わせが必須だ。逆に言えば、このデジタルトランスポーターの登場で、単体DACやデジタル入力搭載アンプにも注目が集まるかもしれない。もちろん会場にはそれらの製品も多数展示されているので、あわせてチェックしてみてほしい。
そして今回のショウではさらにもうひとつ、同様のトランスポートが初披露されている。GOLDMUNDの「iEIDOS Transport」だ。
こちらも参考展示のみで音は聴けないが(筐体もまだ完成版ではなく、製品は展示機より多少大きくなる見込みとのこと)、とにもかくにも、これが発表された意義は大きい。Wadiaに続いてGOLDMUNDと、ハイエンドオーディオの両雄がこの分野に参入したという事実は、音作りのプロからiPodの可能性が認められている証拠である。
「iEIDOS Transport」の予価は102,900円。これもやはりGOLDMUND製品としては安く感じる。戦略的な意味合いもあるのだろう。
なおGOLDMUNDは、さらにDACまで一体化して高品位なアナログ出力を実現する「iEIDOS Player」も用意するとのこと。搭載DACはもちろんGOLDMUNDクオリティというから、それが予価207,900円というのはこれまた破格のお値段だ。
一方でこちらはおなじみの分野だが、スピーカー一体型のiPodシステムも多数出展されている。
前述のWadiaやGOLDMUNDのトランスポートをメインのシステムの中核として、デスクトップやベッドサイドにはこういったコンパクトなシステムを導入。そんなiPod中心の音楽生活を思い浮かべることができる。
もちろん現段階ではまだまだ、ハイエンド・オーディオのソース機器の主役はCD/SACDプレーヤー。しかしここで紹介したiPodトランスポート、そしてLINNが展開するネットワーク・オーディオ”DS”シリーズなど、新たな流れが確実に生まれてきている。ショウというこの機会で、その一端に触れてみてほしい。
(高橋敦)
執筆者プロフィール
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。