新開発の中高域用「MDC」同軸ユニットを採用
オタリテック、GENELECのDSP内蔵アクティブスピーカー「8260A」を発表
オタリテック(株)は、同社が取り扱うフィンランドのオーディオブランド“GENELEC”より、DSPを内蔵したアクティブスピーカーシステム「8260A」を発売した。価格は税込で609,000円(1本)。
新スピーカー「8260A」では、同社が新開発した同軸ユニット「MDC(Minimum Diffraction Coaxial Mid/High Driver)」が中高域用として搭載されている。ドライバーは高域に19mmアルミドーム、中位機に120mmラミネートコアを採用。バッフル面との段差を排除し、トゥイーターのメタルドームを含めたフラッシュサーフェス化を行うことで、音響回析の要因を一掃している。これにより広帯域をピンポイント音源として扱えるメリットも得られるという。本ユニットを核に、エレクトロニクス部とアコースティック部を連携させて、従来機と比べて大きな改良が加えられている。
スピーカー上部に配置されたMDCユニットは、バッフル面とコーンとの段差を無くし、理想的な指向特性を実現。凹凸のないバッフル表面とし、わずかな周波数特性の乱れも抑制する構造としている。
バッフル面にはGENELEC独自の技術である「DCW(Directivity Control Waveguide)」構造を採用。バッフル面を湾曲させ、指向性を高度にコントロールする本技術を、本機では先述のMDCと組み合わせることで、反射・間接音をさらに抑制し、より直接音をストレートに伝達できるようになったという。
低域再生用には255mm口径のウーファーユニットを搭載。本体背面にはバスレフポートを配置する。高効率なバスレフポートやアンプ回路を最適化したことにより、ローエンドの特性は26Hz(-3dB時)を達成している。MDCユニットとは490Hzでクロスオーバーする設計とし、中高域とのナチュラルなつながりを持たせている。
エレクトロニクス部ではDSPデバイスを採用し、デジタル領域でEQやディレイ、帯域分割などプロセッシング制御を行う。そこにはGENELECが30年以上にわたってアクティブスピーカーを開発し、獲得してきたノウハウが活かされているという。
エンクロージャーは音響回折の低減とリアルな音像定位の実現のために最適化された、ラウンドエッジ形状の「MDE(Minimum Diffraction Enclosure)」を採用。素材はアルミダイキャストを採用し高剛性を確保。素材の特性により、エンクロージャーの厚みを薄型化できることから、内容積のアップが実現でき、引いてはローエンドの特性が高められるというメリットももたらされるという。パワーアンプの発熱を効果的に放熱し、安定動作を実現できる点も特長だ。
箱全体は卵のようなラウンド形状を採用。剛性を高めるとともに、構造的な共振周波数が高いことから簡単にデッドニングでき、音のにじみの原因ともなる箱鳴きが抑制される点も特長となる。さらにアルミは完全にリサイクルし再利用が可能なことからも、エコロジー性能が高い点もアピールしている。頑丈なエンクロージャーの特性を活かし、本体背面にはオプションのウォールマウント金具とボルト固定が行える。
リアパネルにはAES/EBU端子のデジタル入力/デジタルスルー出力のほか、アナログ入力を搭載。ネットワーク接続はRJ-45仕様のCAT5 LANケーブル対応。DSP処理は4つのシェルビングフィルターと6つのノッチフィルターでアラインメントが行える。ネットワークから外して、スピーカー単体で動作させるスタンド・アローン・モードも搭載する。音量調整は音源以外にもネットワーク制御や本体ボリュームからも行える。
脚部には、設置時の角度調整や不要振動の抑制効果も持たせた「Iso-Pod(Isolation Positioner/Decoupler)」を標準装備。設置場所における、本体への不要振動の伝達をカットし、音の濁りを抑える効果ももたらしている。スピーカーのリアパネルには先述のオプションとして発売されるウォールマウント金具が取り付けられるほか、オプションのスタンド固定プレートやフロアスタンドも用意されている。
本機に合わせて、本機を含むスピーカーネットワークの管理が行える「GLM(Genelec Loudspeaker Manager)ソフトウェア・パッケージ」も合わせて販売される。価格は税込で99,750円。対応するOSはWindows Vista/XP、Mac OS X 10.4以降。30台までのスピーカーを同時に管理でき、従来の8200DSPモニタリング・シリーズや7200サブウーファー・シリーズと本機を同じシステム内で同時に併用することも可能だ。自動音響補正の「AutoCal」機能も従来通り活用できる。
本日オタリテックは新製品8260Aの発表会を都内で開催した。はじめに同社営業部 部長の溝渕匠氏が挨拶を行った。
溝渕氏は「本機は昨年のInterBEEにプロトタイプを出展して、注目をいただいたモデルだが、ようやくこのほど製品化を完了し、発売できる運びとなった。新開発のMDCユニットをはじめ、本機はGENELECの最新オーディオ技術が数多く採用されている一押しのモデル。ぜひ多くの方々に魅力を体験して欲しい」と語った。
またジェネレック本社からは国際セールスマネージャーのラルス・ウーロフ・ヤンフルード氏が来日し、発表会に出席した。ヤンフルード氏は同社が1978年の創業時からアクティブスピーカーを専門に手がけてきたエキスパートであることを強調し、同社のサウンドの哲学が「ニュートラルな音を再現するスピーカーであること」だと語る。「ユーザーの方々が実際の使用環境で簡単にキャリブレーションを行えるスピーカーをつくっている。何より周波数特性がリスニングポイントでフラットになることが大事と考え、これまでのスピーカー開発におけるモットーとしてきた。スピーカーを評価する際、その製品の“音が良いか、悪いか”を基準にする見方もあるが、本来はソースの音に余計な色づけをしないスピーカーこそが良いのであり、ソースに忠実な再現力が大事と考えている」と述べるヤンフルード氏。新製品8260Aについては「当社が胸を張って送り出す新製品。世界で最も素晴らしいスピーカーをつくり上げたという自負を持っている」と自信をあらわにした。
【問い合わせ先】
オタリテック(株)
TEL/03-3332-3211
新スピーカー「8260A」では、同社が新開発した同軸ユニット「MDC(Minimum Diffraction Coaxial Mid/High Driver)」が中高域用として搭載されている。ドライバーは高域に19mmアルミドーム、中位機に120mmラミネートコアを採用。バッフル面との段差を排除し、トゥイーターのメタルドームを含めたフラッシュサーフェス化を行うことで、音響回析の要因を一掃している。これにより広帯域をピンポイント音源として扱えるメリットも得られるという。本ユニットを核に、エレクトロニクス部とアコースティック部を連携させて、従来機と比べて大きな改良が加えられている。
スピーカー上部に配置されたMDCユニットは、バッフル面とコーンとの段差を無くし、理想的な指向特性を実現。凹凸のないバッフル表面とし、わずかな周波数特性の乱れも抑制する構造としている。
バッフル面にはGENELEC独自の技術である「DCW(Directivity Control Waveguide)」構造を採用。バッフル面を湾曲させ、指向性を高度にコントロールする本技術を、本機では先述のMDCと組み合わせることで、反射・間接音をさらに抑制し、より直接音をストレートに伝達できるようになったという。
低域再生用には255mm口径のウーファーユニットを搭載。本体背面にはバスレフポートを配置する。高効率なバスレフポートやアンプ回路を最適化したことにより、ローエンドの特性は26Hz(-3dB時)を達成している。MDCユニットとは490Hzでクロスオーバーする設計とし、中高域とのナチュラルなつながりを持たせている。
エレクトロニクス部ではDSPデバイスを採用し、デジタル領域でEQやディレイ、帯域分割などプロセッシング制御を行う。そこにはGENELECが30年以上にわたってアクティブスピーカーを開発し、獲得してきたノウハウが活かされているという。
エンクロージャーは音響回折の低減とリアルな音像定位の実現のために最適化された、ラウンドエッジ形状の「MDE(Minimum Diffraction Enclosure)」を採用。素材はアルミダイキャストを採用し高剛性を確保。素材の特性により、エンクロージャーの厚みを薄型化できることから、内容積のアップが実現でき、引いてはローエンドの特性が高められるというメリットももたらされるという。パワーアンプの発熱を効果的に放熱し、安定動作を実現できる点も特長だ。
箱全体は卵のようなラウンド形状を採用。剛性を高めるとともに、構造的な共振周波数が高いことから簡単にデッドニングでき、音のにじみの原因ともなる箱鳴きが抑制される点も特長となる。さらにアルミは完全にリサイクルし再利用が可能なことからも、エコロジー性能が高い点もアピールしている。頑丈なエンクロージャーの特性を活かし、本体背面にはオプションのウォールマウント金具とボルト固定が行える。
リアパネルにはAES/EBU端子のデジタル入力/デジタルスルー出力のほか、アナログ入力を搭載。ネットワーク接続はRJ-45仕様のCAT5 LANケーブル対応。DSP処理は4つのシェルビングフィルターと6つのノッチフィルターでアラインメントが行える。ネットワークから外して、スピーカー単体で動作させるスタンド・アローン・モードも搭載する。音量調整は音源以外にもネットワーク制御や本体ボリュームからも行える。
脚部には、設置時の角度調整や不要振動の抑制効果も持たせた「Iso-Pod(Isolation Positioner/Decoupler)」を標準装備。設置場所における、本体への不要振動の伝達をカットし、音の濁りを抑える効果ももたらしている。スピーカーのリアパネルには先述のオプションとして発売されるウォールマウント金具が取り付けられるほか、オプションのスタンド固定プレートやフロアスタンドも用意されている。
本機に合わせて、本機を含むスピーカーネットワークの管理が行える「GLM(Genelec Loudspeaker Manager)ソフトウェア・パッケージ」も合わせて販売される。価格は税込で99,750円。対応するOSはWindows Vista/XP、Mac OS X 10.4以降。30台までのスピーカーを同時に管理でき、従来の8200DSPモニタリング・シリーズや7200サブウーファー・シリーズと本機を同じシステム内で同時に併用することも可能だ。自動音響補正の「AutoCal」機能も従来通り活用できる。
本日オタリテックは新製品8260Aの発表会を都内で開催した。はじめに同社営業部 部長の溝渕匠氏が挨拶を行った。
【問い合わせ先】
オタリテック(株)
TEL/03-3332-3211
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