ワイヤレスやネットオーディオが今後のカギに

<IFA>山之内 正が見た「IFA 2012」のオーディオトレンド

公開日 2012/09/03 14:23 山之内 正
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IFAの展示は年々広がりを見せているが、そのなかでもオーディオ関連の展示は毎年見逃せない充実した内容を見せ、見どころも多い。

また、IFAならではの楽しみもある。CESなど他のトレードショーとIFAの間の大きな違いの一つが、家族連れを含む広範な年齢層の一般来場者が多数訪れることで、当然ながら出展メーカーもそれを視野に入れた展示を行っている。会場を回っていると、欧州の音楽ファンがいまどんなオーディオ製品に関心を寄せているのか、あるいは最新トレンドがどんな方向に向かっているのかなど、いろいろなことが見えてくるのだ。

ハイエンドオーディオにターゲットを絞った専門性の高いイベントではなかなか見えてこない部分だし、日本市場との違いは高級機以上に大きいので、両者の比較という意味でも興味深い。

■ワイヤレスでのHI-FIオーディオがトレンドに

ファイル再生の潮流が欧州でも確実に広がっていることは、今年のIFAの展示からも伝わってきた。特に重要なトレンドはAirPlayとBluetoothの2つが急速に浸透していることで、いうまでもなくワイヤレスでつながることが重要な共通項だ。その2つに無線接続のDLNAを加えてもいいだろう。いずれにしてもモバイルオーディオとパソコンを音源にしてワイヤレス再生を楽しむというスタイルは、家庭用オーディオシステムの主流になる勢いだ。

ディスク再生機能を省略するだけでなく、アンプをスピーカーに内蔵させることによって、1ピースまたは2ピースで完結するシンプルさを実現している点もワイヤレスシステムの特徴の一つだ。

ディスクメディアと決別することでデザインの自由度が上がったことにも注目したい。形態はワイヤレススピーカーだが、実質的にはシステムオーディオそのもので、今後ますます成長する分野の一つであることは間違いない。

Fidelioシリーズを拡充したフィリップスに加え、まだ日本に紹介されていないブランドもいくつかあり、形態も千差万別だ。欧州の主要ブランドはすでにこの方向に舵を切っているが、ソニー、ヤマハ、JVCケンウッド、オンキョーなど日本メーカーも意欲的な製品を投入して話題を集めた。

英国グラスゴーのSimple AudioのRoom Player。アンプを内蔵したストリーミングプレーヤーで、スピーカーをつなぐだけでオーディオシステムが完結する


フィリップスも積極的に新製品を展示


JVCのNX-SA1は4ユニット+サブウーファーで高密度なステレオ音場の再現を狙う


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