ワイヤレスやネットオーディオが今後のカギに
<IFA>山之内 正が見た「IFA 2012」のオーディオトレンド
■ネットオーディオで注目を集める日本メーカー
パソコンやNASを音源に用いる高音質再生でも日本メーカーは重要な役割を演じている。IFA会場では、パイオニアのN-50が2012年のEISAアワードを受賞したニュースが紹介されたほか、ヤマハがエントリークラスのネットワークプレーヤーCD-N500を発表したり、ティアックが501シリーズのUSB-DACやヘッドホンアンプをいち早く公開するなど、注目度の高い製品が顔を揃えた。
ヤマハはフラグシップ機のNP-S2000を2010年のIFAで初公開した経緯もあり、ドイツのオーディオファンの注目度は非常に高い。今回もその期待に応えてCD-N500を発表したわけだが、それに加えてプロトタイプながらプリメインアンプの高級機A-S3000を公開し、ひときわ高い注目を集めた。
発売までまだ時間があるとはいえ、この2機種は日本でも大きな注目を集めることは確実だ。特にA-S3000はアナログメーターの採用をはじめ、意匠面でのこだわりも目を引く。本格仕様の製品を投入するにあたり、社内で熱い議論が交わされたのだという。ヘッドホンのPROシリーズもそうだが、ピュアオーディオ分野への本格回帰を加速させるヤマハの動きからは目が離せない。
ティアックのReference501シリーズは、内容、デザインともにドイツでも大きな注目を集めた。横幅280mmの凝縮した筺体デザインは明らかにTASCAMブランドを意識したものだが、外見だけでなく回路設計やパーツへのこだわりにも徹底したものがあり、期待が高まる。ティアックはESOTERICのエッセンスを継承したコンポーネントを欧州で発売しており、ドイツのオーディオファンにはエントリーからハイエンドまでカバーする重要なブランドとして認識されている。
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