厳選された音質パーツを惜しみなく投入

マランツ、上位機の技術を投入したプリメインアンプ「PM-14S1」

公開日 2013/09/02 10:34 ファイル・ウェブ編集部
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■パワーアンプにも電流帰還型回路を採用。各パーツも厳選

パワーアンプには上位機「PM-11S3」と同様に安定度の高いV/Iサーボ方式の電流帰還回路を採用。また、入力回路とDCサーボ回路にはHDAM-SA3回路を使用。オペアンプを使用しないフルディスクリート構成となる。位相補償回路のコンデンサーには、PM-11S3にも採用されている純銅箔とPPS樹脂を用いたフィルムコンデンサー「ブルースターキャップ」を用いている。その他、基板のレイアウトや信号ラインの最短化と平行配置、アースラインにまでこだわることで、高い瞬時電流供給能力を獲得している。

大型ヒートシンクに直に設置されたパワーアンプ部

フィルムコンデンサー「ブルースターキャップ」は外装の樹脂にまで徹底的にこだわった

電源トランスには1.5mm圧のアルミケースとケース内に配置したコアリングによる二重シールド構造の大型トロイダルトランスを搭載。巻き線にはこの価格帯で初の採用となる、PM-11S3と同様のOFCを使用している。ブロックコンデンサーには、3分割巻構造を採用したニチコン製の本機専用品を採用。ブリッジダイオードの容量は従来品の2倍となる20Aに強化し、電源インピーダンスを下げ、アンプの瞬発力を向上させた。

二重シールド構造の大型トロイダルトランス

ブロックコンデンサーはニチコン製で、本機専用につくられたもの

澤田氏は部品の選別で苦労したエピソードも披露。「フィルムコンデンサーは青い樹脂の液体につけて表面を固めるが、固め具合で音が変わる。様々な樹脂で試作品を作ったが、粘っこい樹脂のものが最も音が良かった。しかし、その粘りのために生産が難しく、その工場の工場長しか作ることができなかった」という。

フォノ入力も搭載し、独自の「コンスタント・カレント・フィードバック・フォノイコライザー」を搭載。オープン・ループ時の周波数特性をRIAAカーブとし、CR型のRIAAネットワークを介して帰還をかけることで負帰還量を一定化した。これにより、低域から高域までサウンドキャラクターが変化しない再生が可能となったという。

スピーカーターミナルは従来のWBT製から、PM-11S3でも採用された独自開発のスピーカー端子「SPKT-100」に変更。コア部分の素材に電気誘導製の高い銅を用い、経年変化を防止するために金メッキを施している。2系統のスピーカー出力端子を搭載し、バイワイヤリングやスピーカー切り替えに対応している。

スピーカーターミナルは従来のWBT製から、PM-11S3でも採用された独自開発のスピーカー端子「SPKT-100」に変更。コア素材に銅を用いている

CD、フォノ入力端子には真鍮削り出しのピンジャックを採用。大型プラグの着脱を考慮して各端子の間隔を広くとっている。また、全て入出力端子には金メッキ処理が施されている。

蛍光表示管に比べて駆動電力が少なく輻射ノイズも少ない液晶ディスプレイを搭載。また、本機よりディスプレイの照明ON状態のノイズを従来機の3分の1とし、ディマー機能を使わなくても純度の高い再生が可能となった。

背面端子部

入力端子はアナログLR(RCA)×5、フォノ×1、パワーアンプダイレクト×1。出力端子はRECアウト×2、プリアウト×1、ヘッドホン×1。

本機のリモコン

主な仕様は以下の通り。定格出力(20Hz~20kHz両ch同時駆動)は90W×2(8Ω負荷)、140W×2(4Ω負荷)。全高調波歪率 (20Hz - 20kHz両ch同時駆動、8Ω負荷)は0.05%、周波数特性(CD,1W,8Ω負荷)は5Hz~100kHz(±3dB)、入力感度/入力インピーダンスは240mV/20kΩ(CD/LINE)。

消費電力は220W(待機時0.2W)、外形寸法は440W×123H×457Dmm、質量は18.5kg。

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