SSDから自社開発。HDDモデルの「N1A」も

バッファロー、新ブランド「DELA」から80万円前後のオーディオ用NAS「N1Z」

公開日 2014/02/21 10:30 編集部:小澤貴信
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■バッファローはなぜオーディオ用NASを作ったのか

冒頭で荒木氏は、オーディオ専用NASの開発に至った経緯を説明。バッファローを含むメルコホールディングスの出自はオーディオメーカーであり、オーディオファンからニーズを聞き出してモノづくりに反映させるというノウハウは創業時から持っていたとのこと。N1Z/N1A開発にあたっても、まずはネットワーク機器への不満・要望の聴き取りを徹底的に行ったという。

会場ではN1ZとLINNのフラグシップ・ネットワークプレーヤー「KLIMAX DS/K」を組み合わせたデモを行った

これまでは既存品の中からオーディオにお薦めの製品を提案してきたが、昨年はオーディオ向けに仕様変更した「LS421」を発売。そして、もっとオーディオ的に配慮された製品が欲しいという要望に答えるべく、一切の妥協を捨てたハイエンド・オーディオNASを実現させたという。

また、CDドライブの調達難を背景に、ファイル再生対応機器の加速、さらには音楽配信やハイレゾ再生が普及していくなかで、音楽ファイルを保存・配信するための機器への需要、そして重要性が高まっていることも、オーディオ用NASの開発の背景になったとコメントしていた。

荒木氏は今回の製品の特徴を「NASメーカーがオーディオ機器としてNASを作った」と説明。そのためにSSDから開発を行った上で、日本製の部品を用いて日本で組み立てまでを行った点を強調した。


■オーディオ評論家の角田氏がゲスト出演

発表会では、本機の開発にあたってアドバイスも行ったオーディオ評論家の角田郁雄氏も登壇し、コメントを寄せた。同氏は「ハイレゾ再生、ネットワーク再生を長年やってきたが、こんなNASを心待ちにしていた」とN1への正直な感想を吐露した。

オーディオ評論家の角田郁雄氏

オーディオファンである以上、いかに簡単に良い音を出せるかも角田氏は重要視しているという。しかし、ネットワークオーディオはシステム規模も大きく、黎明期には角田氏自身もその設定に苦労した。「昨年登場したバッファローのLS421Dが、オーディオ的な使いやすさという点で格段の進化を見せたが、そうなってくると、今度は本格的にオーディオに特化したモデルが欲しいと感じていました」。

角田氏はN1Z/N1Aの使い勝手の良さにも言及。「本体ディスプレイで曲名表示ができるのは素晴らしい。NASを使っていて気になるのは容量だが、その残量もフロント画面からひと目でわかる。パソコンでダウンロードした音源をUSBメモリーに入れて、本機に差し込んで直で読み込んでくれるのも非常に便利。電源が早く切れるのも素晴らしい」とコメントした。

音質については「一聴して感じるのは、静寂感がものすごいということ。弱音がきれいに出るのは、ダイナミックレンジが拡張されている証拠。LANによる伝送はアイパターンが重要ですが、それもうまくいっているのでしょう」と述べていた。また、「一般的なNASからほど遠いところにまで到達したという印象です。オーディオ機器で言えば、ほとんどトランスポート。本機はぜひ“ハイレゾデジタルトランスポート”と呼んでほしい」とも発言していた。



同社のリファレンスにも用いられている真空管アンプとJBLのスピーカーを組み合わせたデモ

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