AK380ベースのスタンダードモデル
Astell&Kern「AK320」は約25万円、12月18日発売。製品発表会をレポート
(株)アユートは、Astell&Kernブランドの新製品となるハイレゾオーディオプレーヤー「AK320」を12月18日に発売する。直販サイト価格は249,980円(税込)。
AK320については、11月24日に先行して発表されていたが(関連ニュース)、本日開催された発表会で実機が初披露され、発売日と価格が明らかにされたかたち。なお、12月4日より先行予約が開始される。
発表会では、iriver社のバイスプレジデントであるジェームス・リー氏が挨拶し、Astell&Kernのこれまでの歩みやAK320のコンセプトを紹介。またアユートの藤川氏がAK320の詳細についてプレゼンテーションを行った。
AK320は、AK380で実現したサウンドをより多くのユーザーに届けるべく開発したモデルで、AK380の基本設計を踏襲した新スタンダード機という位置づけ。基本的なデザインは踏襲しつつも、筐体の細部の形状、カラー、背面の仕上げは変更されている。サイズはAK380とほぼ同じで、AK380が79.8W×約112.4H×約17.9Dmm/約230gなのに対して、AK320は約75.2W×約112.4H×約16.5Dmm/約217gとなっている。
AK380との最大の違いは、ネイティブ再生できるフォーマットが、最大192kHz/24bitのPCMとなる点で、DSDのネイティブ再生は行えない。DSD再生は176.4kHz/24bitへのPCM変換となり、なおかつ再生できるのは最大5.6MHzまでとなる。
またAK320では、384kHz/32bitのPCMは192kHz/24bitにダウンコンバートして再生される。なお、AK380はDSD256(11.2MHz/1bit)や384kHz/32bit PCMのネイティブ再生が可能だ。
アユートの藤川氏はAK380のコンセプトについて「AK380はフラグシップモデルであり、プロフェッショナルモデルでもありました。よって価格も非常に高価なものとなりました。しかし、AK380で達成したサウンドをより多くの方に聴いてもらいたいと、そのDNAを継承した“スタンダードモデル”として、AK320を市場投入することになったのです」と説明していた。
内蔵メモリーは128GBで、AK380の256GBの半分。ほかにmicroSDスロットを1基備え、最大128GBまでのカードを使用可能。あわせて256GBまで容量を増設できる。
筐体のデザインは一見するとAK380と似てはいるが、細部を比べると違いがある。筐体のフォルムやカットのバランスが異なるほか、最大の差異としてボリュームの位置が挙げられる。AK380では本体側面に配置されていたボリュームが、AK320では本体背面側に搭載されている(ちょうどAK Jrと同じような配置のされ方だ)。これは「手に持ったままでより簡単にボリューム調整をできるように配慮した結果」(藤川氏)とのこと。メタルタッチセンサー・ホームボタンを備えているのはAK380と同様だ。
筐体の素材も、AK380やAK240がジュラルミン(AK240にはステンレスモデルも存在)だったのに対して、AK320は高剛性のアルミを採用。これはAK120IIやAK100IIと同じ仕様だ。このアルミ筐体はアルミブロックからコンピューター制御された切削機で削りだされたもので、525gのアルミブロックから41.5gになるまで削り出すという。会場にはその製造過程を示すボディの展示も行われていた。
ボディカラーもAK380が「メテオリックチタン」でやや黒みがかっているのに対して、AK320はガンメタルとなった。画面の下の金属部にメタルタッチセンサー・ホームボタンも備えている。背面部のデザインおよびカラーも変更された。
■AK 4490のデュアル搭載や測定数値はAK380と同様
DACはAK380と同じく、旭化成エレクトロニクスの「AK4490」をデュアルDAC構成で採用。これについてもAK380と同じ構成となる。クロックには、VCXO(電圧制御水晶発振器)リファレンスクロックを搭載。ジッターを200femto秒まで抑えている。
端子類も3.5mmのアンバランス/光デジタル兼用出力、2.5mmのバランス出力端子を搭載。また拡張ユニット用のバランス出力端子も備えている。USB-DAC機能も搭載するが、AK380が384kHz/32bit PCMおよび11.2MHz DSDに対応するのに対して、AK320は96kHz/24bitまでの対応となる。
AK380と同等の拡張性も備えており、AK380用のオプションであるヘッドホンアンプ「AK380 AMP」や、近日発売予定の直接CDリッピング対応ドライブ「AK CD-RIPPER」、XLRバランス出力を可能にする「Cradle」なども接続できる。
ディスプレイは4インチ液晶で、解像度は480×800ドット。機能面ではAK380と同様にパラメトリックEQを搭載。20バンド、0.1dB刻みで調整できる。
そのほか、DLNA対応のネットワーク機能「AK Connect」も搭載。NASやPC、スマホ、タブレットなどの音源をストリーミング再生できるほか、楽曲ファイルを転送することも可能。さらにスマホやタブレットにアプリをインストールし、そこからAK320をリモートコントロールすることもできる。
様々な測定数値はAK380とまったく同一とのこと。周波数特性、S/N、ステレオクロストーク、THD+N、IMD、クロックジッターなどは同様の数値となっている。
Wi-FiはIEEE 802.11 b/g/nに対応。Bluetoothはバージョン4.0で、コーデックはSBCとaptXに対応している。外形寸法は約79,8W×約112.4H×約17.9Dmm、質量は約230g。microUSBケーブルやレザーケース、背面要保護シート、カードスロットカバーなどを同梱する。
ファイル形式はWAV、AIFF、FLAC、ALAC、、APE、AAC、MP3、WMA、OGG、DFF、DSFに対応する(前述のとおりDFF/DSFはPCM変換再生)。出力レベルはアンバランスが2.1Vrms、バランスは2.3Vrms(いずれも負荷無し)。出力インピーダンスはアンバランスが2Ω、バランスが1Ωとなる。
■AKのサポート体制も強化。ハイレゾ配信サイト「groovers+」は年末までに5万曲配信。
冒頭で挨拶したジェームス・リー氏は、AK380とAK320のサウンドについても言及。「これまでAK240のスチールモデルなどを開発したことで、筐体素材によって音が変化することは既知の事実だ」とし、「基板のちがいはもちろん、筐体がジェラルミンかアルミかのちがいが両モデルのサウンドキャラクターを大きく決定づけている」と述べていた。また、Astell&Kernの製品開発において日本のユーザーからのフィードバックを非常に大切にしていると強調した。
発表会ではiriverが手がけるハイレゾ配信サービス「groovers+」の最新動向についても説明。Wi-Fi内蔵のAKシリーズからは直接groovers+からハイレゾ音源が購入できることが改めて紹介された。また12月末までに配信するハイレゾ楽曲数を50,000曲にまで増やすことをアナウンス。キャンペーンも実施され、AKユーザーは特典として、2016年9月まで全アルバム・全楽曲を3%オフで購入できるという。合わせて、AKユーザーがUniversal Jazz名盤5作品から、好きな1曲を無料ダウンロードできるキャンペーンも行われる(2016年1月末まで)。
また、アユートがAstell&Kern製品のサポートを強化したこともアピールされた。従来はバッテリー交換を含む修理は韓国のiriver社へ送付して行われていたが、現在はアユートが日本国内にて、iriver本社でトレーニングを受けたスタッフの手で行われている。これにより修理にかかる時間も短縮。発表会冒頭で挨拶したアユートの代表取締役社長の渡辺慎一氏は「より安心して、多くの皆様にAstell&Kernの製品を使っていただけるようにサポート体制は今後もさらに強化していきます」と意気込みを語っていた。
AK320については、11月24日に先行して発表されていたが(関連ニュース)、本日開催された発表会で実機が初披露され、発売日と価格が明らかにされたかたち。なお、12月4日より先行予約が開始される。
発表会では、iriver社のバイスプレジデントであるジェームス・リー氏が挨拶し、Astell&Kernのこれまでの歩みやAK320のコンセプトを紹介。またアユートの藤川氏がAK320の詳細についてプレゼンテーションを行った。
AK320は、AK380で実現したサウンドをより多くのユーザーに届けるべく開発したモデルで、AK380の基本設計を踏襲した新スタンダード機という位置づけ。基本的なデザインは踏襲しつつも、筐体の細部の形状、カラー、背面の仕上げは変更されている。サイズはAK380とほぼ同じで、AK380が79.8W×約112.4H×約17.9Dmm/約230gなのに対して、AK320は約75.2W×約112.4H×約16.5Dmm/約217gとなっている。
AK380との最大の違いは、ネイティブ再生できるフォーマットが、最大192kHz/24bitのPCMとなる点で、DSDのネイティブ再生は行えない。DSD再生は176.4kHz/24bitへのPCM変換となり、なおかつ再生できるのは最大5.6MHzまでとなる。
またAK320では、384kHz/32bitのPCMは192kHz/24bitにダウンコンバートして再生される。なお、AK380はDSD256(11.2MHz/1bit)や384kHz/32bit PCMのネイティブ再生が可能だ。
アユートの藤川氏はAK380のコンセプトについて「AK380はフラグシップモデルであり、プロフェッショナルモデルでもありました。よって価格も非常に高価なものとなりました。しかし、AK380で達成したサウンドをより多くの方に聴いてもらいたいと、そのDNAを継承した“スタンダードモデル”として、AK320を市場投入することになったのです」と説明していた。
内蔵メモリーは128GBで、AK380の256GBの半分。ほかにmicroSDスロットを1基備え、最大128GBまでのカードを使用可能。あわせて256GBまで容量を増設できる。
筐体のデザインは一見するとAK380と似てはいるが、細部を比べると違いがある。筐体のフォルムやカットのバランスが異なるほか、最大の差異としてボリュームの位置が挙げられる。AK380では本体側面に配置されていたボリュームが、AK320では本体背面側に搭載されている(ちょうどAK Jrと同じような配置のされ方だ)。これは「手に持ったままでより簡単にボリューム調整をできるように配慮した結果」(藤川氏)とのこと。メタルタッチセンサー・ホームボタンを備えているのはAK380と同様だ。
筐体の素材も、AK380やAK240がジュラルミン(AK240にはステンレスモデルも存在)だったのに対して、AK320は高剛性のアルミを採用。これはAK120IIやAK100IIと同じ仕様だ。このアルミ筐体はアルミブロックからコンピューター制御された切削機で削りだされたもので、525gのアルミブロックから41.5gになるまで削り出すという。会場にはその製造過程を示すボディの展示も行われていた。
ボディカラーもAK380が「メテオリックチタン」でやや黒みがかっているのに対して、AK320はガンメタルとなった。画面の下の金属部にメタルタッチセンサー・ホームボタンも備えている。背面部のデザインおよびカラーも変更された。
■AK 4490のデュアル搭載や測定数値はAK380と同様
DACはAK380と同じく、旭化成エレクトロニクスの「AK4490」をデュアルDAC構成で採用。これについてもAK380と同じ構成となる。クロックには、VCXO(電圧制御水晶発振器)リファレンスクロックを搭載。ジッターを200femto秒まで抑えている。
端子類も3.5mmのアンバランス/光デジタル兼用出力、2.5mmのバランス出力端子を搭載。また拡張ユニット用のバランス出力端子も備えている。USB-DAC機能も搭載するが、AK380が384kHz/32bit PCMおよび11.2MHz DSDに対応するのに対して、AK320は96kHz/24bitまでの対応となる。
AK380と同等の拡張性も備えており、AK380用のオプションであるヘッドホンアンプ「AK380 AMP」や、近日発売予定の直接CDリッピング対応ドライブ「AK CD-RIPPER」、XLRバランス出力を可能にする「Cradle」なども接続できる。
ディスプレイは4インチ液晶で、解像度は480×800ドット。機能面ではAK380と同様にパラメトリックEQを搭載。20バンド、0.1dB刻みで調整できる。
そのほか、DLNA対応のネットワーク機能「AK Connect」も搭載。NASやPC、スマホ、タブレットなどの音源をストリーミング再生できるほか、楽曲ファイルを転送することも可能。さらにスマホやタブレットにアプリをインストールし、そこからAK320をリモートコントロールすることもできる。
様々な測定数値はAK380とまったく同一とのこと。周波数特性、S/N、ステレオクロストーク、THD+N、IMD、クロックジッターなどは同様の数値となっている。
Wi-FiはIEEE 802.11 b/g/nに対応。Bluetoothはバージョン4.0で、コーデックはSBCとaptXに対応している。外形寸法は約79,8W×約112.4H×約17.9Dmm、質量は約230g。microUSBケーブルやレザーケース、背面要保護シート、カードスロットカバーなどを同梱する。
ファイル形式はWAV、AIFF、FLAC、ALAC、、APE、AAC、MP3、WMA、OGG、DFF、DSFに対応する(前述のとおりDFF/DSFはPCM変換再生)。出力レベルはアンバランスが2.1Vrms、バランスは2.3Vrms(いずれも負荷無し)。出力インピーダンスはアンバランスが2Ω、バランスが1Ωとなる。
■AKのサポート体制も強化。ハイレゾ配信サイト「groovers+」は年末までに5万曲配信。
冒頭で挨拶したジェームス・リー氏は、AK380とAK320のサウンドについても言及。「これまでAK240のスチールモデルなどを開発したことで、筐体素材によって音が変化することは既知の事実だ」とし、「基板のちがいはもちろん、筐体がジェラルミンかアルミかのちがいが両モデルのサウンドキャラクターを大きく決定づけている」と述べていた。また、Astell&Kernの製品開発において日本のユーザーからのフィードバックを非常に大切にしていると強調した。
発表会ではiriverが手がけるハイレゾ配信サービス「groovers+」の最新動向についても説明。Wi-Fi内蔵のAKシリーズからは直接groovers+からハイレゾ音源が購入できることが改めて紹介された。また12月末までに配信するハイレゾ楽曲数を50,000曲にまで増やすことをアナウンス。キャンペーンも実施され、AKユーザーは特典として、2016年9月まで全アルバム・全楽曲を3%オフで購入できるという。合わせて、AKユーザーがUniversal Jazz名盤5作品から、好きな1曲を無料ダウンロードできるキャンペーンも行われる(2016年1月末まで)。
また、アユートがAstell&Kern製品のサポートを強化したこともアピールされた。従来はバッテリー交換を含む修理は韓国のiriver社へ送付して行われていたが、現在はアユートが日本国内にて、iriver本社でトレーニングを受けたスタッフの手で行われている。これにより修理にかかる時間も短縮。発表会冒頭で挨拶したアユートの代表取締役社長の渡辺慎一氏は「より安心して、多くの皆様にAstell&Kernの製品を使っていただけるようにサポート体制は今後もさらに強化していきます」と意気込みを語っていた。
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