DSDなど3フォーマットで
クリプトンHQM STORE、ウィリアムス浩子のアルバム2作品を独占ハイレゾ配信 − 発表会レポート
クリプトンが運営するハイレゾ配信サイト「HQM STORE」は、ジャズボーカリスト、ウィリアムス浩子のアルバム 2作品を、本日19日より同社独占で配信する。
・『a time for Ballads』
HQM Green(FLAC 176.4kHz/24bit・DSD 2.8MHz)¥2,592(税込)
HQMクラウド(ALAC 44.1kHz/24bit) ¥1,800(税込)
・『A Wish』
HQM Green(FLAC 176.4kHz/24bit・DSD 2.8MHz) ¥2,592(税込)
HQMクラウド(ALAC 44.1kHz/24bit) ¥1,800(税込)
今回ハイレゾ化された音源は、ウィリアムス浩子さん自身が手がけるバークリースクエアミュージックによるアルバムで、Amazon.co.jpの「J-Jazz部門」のベストセラー第1位を記録して話題を集めた『a time for Ballads』と、それに続くニューヨーク録音の最新作『A Wish』の2作品となる。この『A Wish』についても、Amazon.co.jpの「Jazz」「Jazz vocal」「J-Jazz」の3部門で同時に1位を記録した。
本日開催された発表会にはウィリアムス浩子さん本人が登場。またクリプトンのオーディオ事業部部長である渡邉勝氏が、HQM Green処理の過程や各フォーマットの仕様を説明した。
今回のハイレゾ化にあたって使われたマスター音源は、44.1kHz/24bitで録音されたもの。HQMクラウドにはこのマスターがそのまま用いられ、“HQM Green”のFLACは「HRコンバーター」を応用した高音質アップコンバート技術「HQM Green」(関連ニュース)にて176.4kHz/24bitにアップコンバートしている。DSDは、同技術でアップコンバートした音源をDXD形式(352.8kHz/24bit)で編集し、DSD化したものとなる。なお、今回の「HQM Green」化の作業は中央林間にある「J&Kマスタリングセンター」にて、杉本一家氏の手によって行われた。
なお、3種類のフォーマットは共に同社HQM STOREからダウンロード購入が可能。HQMクラウドの音源については、同社アプリ「HQM Cloud Player」を用いてiPhoneやiPadで再生できる(関連ニュース)。
JVCマスタリングセンターにおけるハイレゾ化のマスタリングにも実際に立ち会ったウィリアム浩子さんが、今回のハイレゾ音源の印象について語ってくれた。ウィリアムス浩子さんは、自身が父の影響でオーディオ好きであることが知られているが、だからこそ自身がプロデュースした今回ハイレゾ化される2枚のCDについても「良いオーディオルームで聴けるクオリティーのものを目指して作った」のだという。
「CDの音も私なりに目指したものが達成できたと思っていますが、J&Kマスタリングセンターでまず最初に聞いた44.1kHz/24bitのマスター音源では、ボーカリストの“女性像”がより明確でした。ここでまず、マスター音源にはもっと良い音が入っていたのだなあと改めて実感させられました」(ウィリアムス浩子さん)
さらにHQM Green処理よってアップコンバートされた176.4kHz/24bitの音源を聴くと、マスターからさらに音が良くなったのに驚いたとのこと。「マスター音源のより明確な印象から、さらに豊かさが増したように感じました。音が染みわたるような感覚を受けました」。
また、その変化は、高域以上に低域再現において感じられたという。「チャック・バーゴファーが弾くベースの音の、本来持っていた安定感がよりしっかりと表現されていると感じました。そしてベースが引き締まった分、その上に乗るボーカルやピアノも明確になった印象です。素晴らしい演奏家たちの演奏が持つ本来のスピード感が聴き取れて、バラード曲でもはっきりとしたグルーヴを描きだしてくれました」。また、「本来の演奏スキルの高さと音色のすばらしさが伝わってきて、目が覚める思いでした」とも語っていた。
そしてDSDについては「音が明確になり、つややかさも出てきたところに、少しまろやかさが足されたイメージです。よりアナログに近いニュアンスを持っているDSDの音色に好感を持ちました」と自身の印象を紹介していた。渡邉氏は「DSDについては、特にウィリアムス浩子さんに“この音が好き”だと言っていただけたことが、発売の後押しになりました」とコメントしていた。
渡邉氏は、「今回配信する音源は、そもそもマスター音源が44.1kHz/24bitです。CDの16bitに比べると、24bitでは階調が256倍になりますので、その点は大きく音質に寄与しています」と紹介。しかし、さらなる高音質化を目指して、HQM Greenによるアップコンバートを実施したという。
また、この2作品のDSD音源は、44.1kHz/24bitのマスターから作成されたが、同社が配信するDSDの中でデジタル音源をマスターとしたもの(およびHQM Greenによるもの)は、今回が初めてだという。
J&Kマスタリングセンターでのマスタリングには前述のようにウィリアムス浩子さん自身が立ち会ったが、こうしたケースは希だという。浩子さんは「ハイレゾ化にあたって自分の声のニュアンスが変わってしまうのではと懸念もあったのですが、杉本さんは私の非常に好きな音で、今回の音源をまとめてくださいました」と感想を語っていた。また、基本的にマスターの音質に忠実に行われたが、1ヶ所だけノイズシェービングによりノイズの除去を行ったとのこと。渡邉氏は「よりきれいに聴こえるようになったからこそ、目立ってしまっていたマスター起因のノイズを除去しました」と説明していた。
渡邉氏はHQM STOREの配信状況についても説明。現時点で2,083アルバム、総曲数37,000曲を配信しており、そこにHQM Greenが127タイトル、DSDが29タイトル、HQMクラウドが323タイトルが含まれているとのこと。ここに今回のウィリアムス浩子さんのタイトルが加わるかたちとなる。
発表会では、クリプトンのフラグシップ・スピーカーシステム「KX-1000P」を使って、3種の配信フォーマットにCDも合わせた4つの音源での比較試聴も行われた。
最後にウィリアムス浩子さんは「本来は女性こそ、良い音が好きだという方が多いと思います。でも、聴くきっかけがあまりないだけなのでしょう。そうした方々に、本作がハイレゾの魅力を知っていただけるきっかけになれば」とコメントしていた。なお、ウィリアムス浩子さんは今後の録音を192kHz/24bitで行っていくとのこと。今後のハイレゾ配信にも期待したい。
・『a time for Ballads』
HQM Green(FLAC 176.4kHz/24bit・DSD 2.8MHz)¥2,592(税込)
HQMクラウド(ALAC 44.1kHz/24bit) ¥1,800(税込)
・『A Wish』
HQM Green(FLAC 176.4kHz/24bit・DSD 2.8MHz) ¥2,592(税込)
HQMクラウド(ALAC 44.1kHz/24bit) ¥1,800(税込)
今回ハイレゾ化された音源は、ウィリアムス浩子さん自身が手がけるバークリースクエアミュージックによるアルバムで、Amazon.co.jpの「J-Jazz部門」のベストセラー第1位を記録して話題を集めた『a time for Ballads』と、それに続くニューヨーク録音の最新作『A Wish』の2作品となる。この『A Wish』についても、Amazon.co.jpの「Jazz」「Jazz vocal」「J-Jazz」の3部門で同時に1位を記録した。
本日開催された発表会にはウィリアムス浩子さん本人が登場。またクリプトンのオーディオ事業部部長である渡邉勝氏が、HQM Green処理の過程や各フォーマットの仕様を説明した。
今回のハイレゾ化にあたって使われたマスター音源は、44.1kHz/24bitで録音されたもの。HQMクラウドにはこのマスターがそのまま用いられ、“HQM Green”のFLACは「HRコンバーター」を応用した高音質アップコンバート技術「HQM Green」(関連ニュース)にて176.4kHz/24bitにアップコンバートしている。DSDは、同技術でアップコンバートした音源をDXD形式(352.8kHz/24bit)で編集し、DSD化したものとなる。なお、今回の「HQM Green」化の作業は中央林間にある「J&Kマスタリングセンター」にて、杉本一家氏の手によって行われた。
なお、3種類のフォーマットは共に同社HQM STOREからダウンロード購入が可能。HQMクラウドの音源については、同社アプリ「HQM Cloud Player」を用いてiPhoneやiPadで再生できる(関連ニュース)。
JVCマスタリングセンターにおけるハイレゾ化のマスタリングにも実際に立ち会ったウィリアム浩子さんが、今回のハイレゾ音源の印象について語ってくれた。ウィリアムス浩子さんは、自身が父の影響でオーディオ好きであることが知られているが、だからこそ自身がプロデュースした今回ハイレゾ化される2枚のCDについても「良いオーディオルームで聴けるクオリティーのものを目指して作った」のだという。
「CDの音も私なりに目指したものが達成できたと思っていますが、J&Kマスタリングセンターでまず最初に聞いた44.1kHz/24bitのマスター音源では、ボーカリストの“女性像”がより明確でした。ここでまず、マスター音源にはもっと良い音が入っていたのだなあと改めて実感させられました」(ウィリアムス浩子さん)
さらにHQM Green処理よってアップコンバートされた176.4kHz/24bitの音源を聴くと、マスターからさらに音が良くなったのに驚いたとのこと。「マスター音源のより明確な印象から、さらに豊かさが増したように感じました。音が染みわたるような感覚を受けました」。
また、その変化は、高域以上に低域再現において感じられたという。「チャック・バーゴファーが弾くベースの音の、本来持っていた安定感がよりしっかりと表現されていると感じました。そしてベースが引き締まった分、その上に乗るボーカルやピアノも明確になった印象です。素晴らしい演奏家たちの演奏が持つ本来のスピード感が聴き取れて、バラード曲でもはっきりとしたグルーヴを描きだしてくれました」。また、「本来の演奏スキルの高さと音色のすばらしさが伝わってきて、目が覚める思いでした」とも語っていた。
そしてDSDについては「音が明確になり、つややかさも出てきたところに、少しまろやかさが足されたイメージです。よりアナログに近いニュアンスを持っているDSDの音色に好感を持ちました」と自身の印象を紹介していた。渡邉氏は「DSDについては、特にウィリアムス浩子さんに“この音が好き”だと言っていただけたことが、発売の後押しになりました」とコメントしていた。
渡邉氏は、「今回配信する音源は、そもそもマスター音源が44.1kHz/24bitです。CDの16bitに比べると、24bitでは階調が256倍になりますので、その点は大きく音質に寄与しています」と紹介。しかし、さらなる高音質化を目指して、HQM Greenによるアップコンバートを実施したという。
また、この2作品のDSD音源は、44.1kHz/24bitのマスターから作成されたが、同社が配信するDSDの中でデジタル音源をマスターとしたもの(およびHQM Greenによるもの)は、今回が初めてだという。
J&Kマスタリングセンターでのマスタリングには前述のようにウィリアムス浩子さん自身が立ち会ったが、こうしたケースは希だという。浩子さんは「ハイレゾ化にあたって自分の声のニュアンスが変わってしまうのではと懸念もあったのですが、杉本さんは私の非常に好きな音で、今回の音源をまとめてくださいました」と感想を語っていた。また、基本的にマスターの音質に忠実に行われたが、1ヶ所だけノイズシェービングによりノイズの除去を行ったとのこと。渡邉氏は「よりきれいに聴こえるようになったからこそ、目立ってしまっていたマスター起因のノイズを除去しました」と説明していた。
渡邉氏はHQM STOREの配信状況についても説明。現時点で2,083アルバム、総曲数37,000曲を配信しており、そこにHQM Greenが127タイトル、DSDが29タイトル、HQMクラウドが323タイトルが含まれているとのこと。ここに今回のウィリアムス浩子さんのタイトルが加わるかたちとなる。
発表会では、クリプトンのフラグシップ・スピーカーシステム「KX-1000P」を使って、3種の配信フォーマットにCDも合わせた4つの音源での比較試聴も行われた。
最後にウィリアムス浩子さんは「本来は女性こそ、良い音が好きだという方が多いと思います。でも、聴くきっかけがあまりないだけなのでしょう。そうした方々に、本作がハイレゾの魅力を知っていただけるきっかけになれば」とコメントしていた。なお、ウィリアムス浩子さんは今後の録音を192kHz/24bitで行っていくとのこと。今後のハイレゾ配信にも期待したい。