24.6MHz DSD対応のUSB-DACがアナログ回路を強化
iFI-Audio、人気モデルを進化させた「micro iDSD BL」を先行発表 ー 「micro iTube2」も初公開
ENZO j-Fi LLC.は、東京・秋葉原のオリオスペックにて同社が取り扱うiFI-Audioの新製品発表イベントを開催。「micro iDSD BL」や本邦初公開となる新製品を先行発表した。
■micro iDSD BL(2016年12月発売予定)
micro iDSD BLは、世界に先駆けていち早く24.6MHz DSDへ対応したことや圧倒的なコストパフォーマンスの実現で驚異的なセールスを記録した「micro iDSD」の進化版となるモデルだ。
ENZO j-Fi LLC.の代表を務める嶋田亮氏は、「micro iDSDのオリジナルモデルが発売されたのが3年前でした。その当時から最大で24.6MHz DSDの再生に対応するなど、当時は1歩も2歩も先を行った製品として非常に高いご評価をいただきましたが、この先進性は、3年が経過したいまでも十分すぎるほど通用するものです。今回のmicro iDSD BL(ブラックレーベル)では、このデジタル部はそのままに、主にアナログ部を大幅にアップグレードした製品となっています」とmicro iDSD BLについて解説する。
そもそも、iFI-Audioが他のブランドに先駆けて24.6MHz DSD対応という驚異的なスペックを実現できた理由には、XMOSの内部に自社開発のソフトウェアを開発できたことが大きく関係している。
「通常のオーディオメーカーの場合は、XMOSのチップ本体と内部のソフトウェアを同時に購入することが一般的ですが、iFI-Audioの場合はそのソフトウェアを軍用のプログラムを応用して開発することができました。実際にはXMOSそのものは384kHzまでしか通すことができませんが、iFI-Audioのソフトウェアを入れたXMOSでは仮想的に768kHzを通すことを可能としました。これが、DoPでも11.2MHz DSDや24.6MHz DSDを通すことを可能とした大きな理由となっています。このデジタル部の仕様はいまでも十分なものですので、今回のブラックレーベルでは主にアナログ部をアップデートいたしました」と嶋田氏は語る。
micro iDSD BLとなっての最も大きな注目点は、完全自社オリジナル設計となるオペアンプ「OPA2627/2628」。通常は汎用デバイスを使用することが一般的なオペアンプを今回専用設計としたことで、アナログの諸特性やmicro iDSD BLに必要な機能をプラッシュアップさせることに成功。これにともなって、コンデンサーにはパナソニック(三洋)のOS-CONを搭載して電源部を強化したほか、フェムトクロックの強化を行うなどチューニングも一新させている。
micro iDSD BLでは、前作で投入されたスイッチ類に基本的な変更はないが、これまでにも搭載されていた3DホログラフィックやXBassは「+」としてアップデード。アナログ回路の基幹を成すオペアンプの変更によって、単なるアップデートに留まらない進化を遂げた。
なお、micro iDSD BLから採用されるカラーのポリシーも変更。これまでのiFI-Audioの製品では統一してシルバーフィニッシュが用いられてきたが、今後はmicro iDSD BLのようなバッテリー搭載機にはブラックを、そのほかの製品に関しては、すでに発売済のUSBアイソレーターiPurifierシリーズに先行して採用されているスペースグレイを採用することになるという。
価格についてはまだ未定なものの、「前作のmicro iDSDに同じか、近い価格帯」を検討していることも明かされた。より細かな詳細は12月上旬の正式リリースにて公開される予定となっている。
■micro iTube2(発売日、価格未定)
新製品先行発表会にてもう一つの目玉となったのが、真空管プリアンプ/バッファーアンプの最新モデル「micro iTube2」だ。こちらは今回のイベント直前に完成品が届いたという、本邦初公開であると同時に世界初公開とな正真正銘の最新モデルとなる。
詳細についてはまだ明かされていない部分は多いものの、現時点で公開されているのが機能面と電源面での変更だ。
前作のmicro iTubeで搭載されたDigital Anridote Plueは、「Tube+」と表記された「ハーモニックコントロール」スイッチへと変更。これは「モダンな真空管アンプのサウンド」と「モダンな真空管プッシュプルアンプのサウンド」、「シングルエンドの真空管アンプのサウンド」の3つを切り換えるためのものと表記され、Pro iCANで搭載された真空管モード切り換えとはまた異なるものとなるようだ。また、3Dホログラフィックに加え新たに「XBass」のスイッチも追加されている。
さらに、底面に用意されたゲイン切り換えのディップスイッチもプリアンプモード/バッファーアンプモードともに従来の0/6dBの切り換えから0/9dBへと変更。電源部も9VDCから15VDCへ強化されるなど、随所に改良が加えられることが見受けられる。
現時点ではどうやら最終的なプロトタイプとのことで、細かな仕様には変更が加わる可能性もあるとのことだ。
■この他にも将来の新製品についてを解説
今回の新製品発表会では、micro iDSD BLとmicro iTube2の他にも今後登場予定のiFI-Audioの新製品について言及された。
直近では、こちらもベストセラーとなったnano iDSDのジュニアモデルとなるnano iDSD LE。この「LE」は「ライト・エディション」の略で、nano iDSDではデジタル入力端子やオプション対応だったDSD11.2MHz再生への対応はなし。その代わりに価格を下げたラインアップとして登場する。また、nano iDSDについては、今後Wi-Fiモジュール搭載機をはじめ、いくつかのバリエーションが登場する予定となっているという。
また、同じくD/Aコンバーター製品では、現在開発中となるPro iDSDの写真も公開された。こちらはまだまだ詳細未定なものの、ハイレートのDSD対応をはじめとしてiFI-Audioのフラッグシップ機としてふさわしい仕様とサウンドの実現を目指して開発が進められている。
Pro iDSDの写真はすでに登場しているPro iCANと同じく開発中となるスタックスやキングサウンド等のエレクトロスタティックヘッドホン用に用意されるエナジャイザーモジュールと共に公開。今後のProシリーズの充実を予感させる内容となった。
iFI-Audioのもう1つの主軸となるUSBアクセサリー製品では、直近に登場が予定されている「iDifender」と「iSilencer」の実機が登場。iDifenderは、USB伝送時に起きるグランドループを抑制することに加え、USBバスパワーの電源の質を改善するというもの。側面に用意されたBタイプのmicro USB端子は同社の電源アダプタiPowerを接続することが可能で、これより大きな改善効果を発揮する。
一方のiSilencerは、iFI-Audioのお家芸とも言えるノイズキャンセリング技術「ANC+」の実現を中心としたアクセサリー。いずれもが「Reclock/ReBalance/ReGenelate」といったiFi-Audioの基幹技術を必要に応じて搭載したモデルで、これまでのiFI-Audioのアクセサリーのなかでも最も低価格帯のアクセサリーとして販売される予定となっている。
また、micro iDSDでも実装されたイヤフォン/ヘッドホンにおける音量最適化技術を独立させたアダプター「IE Match」の登場もアナウンスされた。
嶋田氏はイベント終盤、iFI-Audioの製品について「iFi-Audioの考え方は、基本的にスタックして使用することを前提としているところがあります。例えば、USB-DACの中に多機能なヘッドホンアンプ機能を実装して、USB伝送を最適化するための機能も実装した一体型の製品を発売しているブランドもあります。iFI-Audioも、母体となるハイエンドブランドのAMRにてこういった製品をリリースしていますが、iFI-Audioの場合はあくまで自分の予算や耳の要求に応じて、必要なものを足して欲しいという発想をしています。こうしたAMRで培った技術を買いやすい価格帯で発売するというのはブランド立ち上げ時から変わらない考え方です」と解説。ユーザーのシチュエーションに合わせて最適なソリューションを提供するiFI-Audioならではのポリシーをアピールした。
なお、今回発表された新製品群は、後日正式なリリースを予定している。
■micro iDSD BL(2016年12月発売予定)
micro iDSD BLは、世界に先駆けていち早く24.6MHz DSDへ対応したことや圧倒的なコストパフォーマンスの実現で驚異的なセールスを記録した「micro iDSD」の進化版となるモデルだ。
ENZO j-Fi LLC.の代表を務める嶋田亮氏は、「micro iDSDのオリジナルモデルが発売されたのが3年前でした。その当時から最大で24.6MHz DSDの再生に対応するなど、当時は1歩も2歩も先を行った製品として非常に高いご評価をいただきましたが、この先進性は、3年が経過したいまでも十分すぎるほど通用するものです。今回のmicro iDSD BL(ブラックレーベル)では、このデジタル部はそのままに、主にアナログ部を大幅にアップグレードした製品となっています」とmicro iDSD BLについて解説する。
そもそも、iFI-Audioが他のブランドに先駆けて24.6MHz DSD対応という驚異的なスペックを実現できた理由には、XMOSの内部に自社開発のソフトウェアを開発できたことが大きく関係している。
「通常のオーディオメーカーの場合は、XMOSのチップ本体と内部のソフトウェアを同時に購入することが一般的ですが、iFI-Audioの場合はそのソフトウェアを軍用のプログラムを応用して開発することができました。実際にはXMOSそのものは384kHzまでしか通すことができませんが、iFI-Audioのソフトウェアを入れたXMOSでは仮想的に768kHzを通すことを可能としました。これが、DoPでも11.2MHz DSDや24.6MHz DSDを通すことを可能とした大きな理由となっています。このデジタル部の仕様はいまでも十分なものですので、今回のブラックレーベルでは主にアナログ部をアップデートいたしました」と嶋田氏は語る。
micro iDSD BLとなっての最も大きな注目点は、完全自社オリジナル設計となるオペアンプ「OPA2627/2628」。通常は汎用デバイスを使用することが一般的なオペアンプを今回専用設計としたことで、アナログの諸特性やmicro iDSD BLに必要な機能をプラッシュアップさせることに成功。これにともなって、コンデンサーにはパナソニック(三洋)のOS-CONを搭載して電源部を強化したほか、フェムトクロックの強化を行うなどチューニングも一新させている。
micro iDSD BLでは、前作で投入されたスイッチ類に基本的な変更はないが、これまでにも搭載されていた3DホログラフィックやXBassは「+」としてアップデード。アナログ回路の基幹を成すオペアンプの変更によって、単なるアップデートに留まらない進化を遂げた。
なお、micro iDSD BLから採用されるカラーのポリシーも変更。これまでのiFI-Audioの製品では統一してシルバーフィニッシュが用いられてきたが、今後はmicro iDSD BLのようなバッテリー搭載機にはブラックを、そのほかの製品に関しては、すでに発売済のUSBアイソレーターiPurifierシリーズに先行して採用されているスペースグレイを採用することになるという。
価格についてはまだ未定なものの、「前作のmicro iDSDに同じか、近い価格帯」を検討していることも明かされた。より細かな詳細は12月上旬の正式リリースにて公開される予定となっている。
■micro iTube2(発売日、価格未定)
新製品先行発表会にてもう一つの目玉となったのが、真空管プリアンプ/バッファーアンプの最新モデル「micro iTube2」だ。こちらは今回のイベント直前に完成品が届いたという、本邦初公開であると同時に世界初公開とな正真正銘の最新モデルとなる。
詳細についてはまだ明かされていない部分は多いものの、現時点で公開されているのが機能面と電源面での変更だ。
前作のmicro iTubeで搭載されたDigital Anridote Plueは、「Tube+」と表記された「ハーモニックコントロール」スイッチへと変更。これは「モダンな真空管アンプのサウンド」と「モダンな真空管プッシュプルアンプのサウンド」、「シングルエンドの真空管アンプのサウンド」の3つを切り換えるためのものと表記され、Pro iCANで搭載された真空管モード切り換えとはまた異なるものとなるようだ。また、3Dホログラフィックに加え新たに「XBass」のスイッチも追加されている。
さらに、底面に用意されたゲイン切り換えのディップスイッチもプリアンプモード/バッファーアンプモードともに従来の0/6dBの切り換えから0/9dBへと変更。電源部も9VDCから15VDCへ強化されるなど、随所に改良が加えられることが見受けられる。
現時点ではどうやら最終的なプロトタイプとのことで、細かな仕様には変更が加わる可能性もあるとのことだ。
■この他にも将来の新製品についてを解説
今回の新製品発表会では、micro iDSD BLとmicro iTube2の他にも今後登場予定のiFI-Audioの新製品について言及された。
直近では、こちらもベストセラーとなったnano iDSDのジュニアモデルとなるnano iDSD LE。この「LE」は「ライト・エディション」の略で、nano iDSDではデジタル入力端子やオプション対応だったDSD11.2MHz再生への対応はなし。その代わりに価格を下げたラインアップとして登場する。また、nano iDSDについては、今後Wi-Fiモジュール搭載機をはじめ、いくつかのバリエーションが登場する予定となっているという。
また、同じくD/Aコンバーター製品では、現在開発中となるPro iDSDの写真も公開された。こちらはまだまだ詳細未定なものの、ハイレートのDSD対応をはじめとしてiFI-Audioのフラッグシップ機としてふさわしい仕様とサウンドの実現を目指して開発が進められている。
Pro iDSDの写真はすでに登場しているPro iCANと同じく開発中となるスタックスやキングサウンド等のエレクトロスタティックヘッドホン用に用意されるエナジャイザーモジュールと共に公開。今後のProシリーズの充実を予感させる内容となった。
iFI-Audioのもう1つの主軸となるUSBアクセサリー製品では、直近に登場が予定されている「iDifender」と「iSilencer」の実機が登場。iDifenderは、USB伝送時に起きるグランドループを抑制することに加え、USBバスパワーの電源の質を改善するというもの。側面に用意されたBタイプのmicro USB端子は同社の電源アダプタiPowerを接続することが可能で、これより大きな改善効果を発揮する。
一方のiSilencerは、iFI-Audioのお家芸とも言えるノイズキャンセリング技術「ANC+」の実現を中心としたアクセサリー。いずれもが「Reclock/ReBalance/ReGenelate」といったiFi-Audioの基幹技術を必要に応じて搭載したモデルで、これまでのiFI-Audioのアクセサリーのなかでも最も低価格帯のアクセサリーとして販売される予定となっている。
また、micro iDSDでも実装されたイヤフォン/ヘッドホンにおける音量最適化技術を独立させたアダプター「IE Match」の登場もアナウンスされた。
嶋田氏はイベント終盤、iFI-Audioの製品について「iFi-Audioの考え方は、基本的にスタックして使用することを前提としているところがあります。例えば、USB-DACの中に多機能なヘッドホンアンプ機能を実装して、USB伝送を最適化するための機能も実装した一体型の製品を発売しているブランドもあります。iFI-Audioも、母体となるハイエンドブランドのAMRにてこういった製品をリリースしていますが、iFI-Audioの場合はあくまで自分の予算や耳の要求に応じて、必要なものを足して欲しいという発想をしています。こうしたAMRで培った技術を買いやすい価格帯で発売するというのはブランド立ち上げ時から変わらない考え方です」と解説。ユーザーのシチュエーションに合わせて最適なソリューションを提供するiFI-Audioならではのポリシーをアピールした。
なお、今回発表された新製品群は、後日正式なリリースを予定している。
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