ワンボードオーディオ・コンソーシアムの説明会にて
ラックスマン、ラズパイ搭載ネットワークプレーヤー「AUDIO OSECHI BOX」披露
竹中氏は「USBメモリーで著名なアーティストが作品を出すということはあったが、ここまでのレベルで簡単に再生できる器機がなかった。こういった機器が普及することで、アーティストにも良い影響が与えられるのでは」とその可能性にも言及。また、こうした機能を実装できることはRaspberry Piならではと、この同コンソーシアムへの期待についても語っていた。
■Alexaでラズパイオーディオを音声操作のデモも実施
説明会では、Raspberry Piによるオーディオ再生をAmazon Alexaによって音声操作する試みも紹介された。今回デモが行われたのは、海上氏がテスト用に開発したAlexaスキルで、海上氏Alexa対応のスマートスピーカーに「〇〇を再生して」と話しかけると、実際にJU-001から音楽が再生された。本機能は現時点で実用の可能性を示すための試作というレベルで海上氏も「発展途上」と説明していたが、「Raspberry Piでないとできないこと。新しいものはすぐに取り入れられるのも魅力」と広範にわたるラズパイオーディオの可能性を示唆していた。
■ワンボードオーディオコンソーシアムの目指すもの
海上氏は冒頭で、Raspberry Piをはじめとするシングルボードコンピュータをオーディオ再生に利用するメリットについても改めて説明した。
海上氏は最大のメリットを「I2S(アイ・スクエア・エス、以下I2Sと表記)で出力ができる点だと述べた。I2S出力は一般的なパソコンで行うことはほぼ不可能で、その点でI2Sが簡単に出力できるRaspberry Piは、デジタルオーディオに組み込む際に音質面で大きなメリットがあるとした。
またRaspberry Piは最新カーネルで最大384kHz/32bitまでの再生・出力が可能。ハイレゾ再生も余裕を持って行える処理能力もメリットで、例えばRaspberry Pi 3はARM Cortex A53 1.2GHz/4コアを搭載するなど「数年前のスマートフォンレベルの処理能力を備えている」と海上氏。また、小売りで5千円前後という安さも特筆される。
Raspberry PiのOSはほぼLinuxと同様で、Linux向けのオーディオリソースが利用できること、Raspberry Pi向けの開発リソース(情報、開発者コミュニティの規模)が豊富であることも、オーディオに利用するうえでのメリットになる。海上氏は「安くて高音質が楽しめることがラズパイオーディオの魅力」と語った。
現在、ワンボードオーディオコンソーシアムには8社が加盟。海上氏はその目的について「多くの企業が連携してモノづくりやサービスを提供していくためには、まずは“土俵”と言うべきプラットフォームを定めることが重要」と説明した。
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