TAGO STUDIOが運営するミュージックバーの新しいカタチ
ヘッドホンファンの新たな聖地、「Headphone Bar」で大人の時間を。TAGO STUDIOの新たな取り組み
昨年8月に高崎市にオープンし、ヘッドホンファンの間でじわじわと話題を集めているのが、ジャパニーズ・ヘッドホンブランド、TAGO STUDIOが運営するミュージックバー「Headphone Bar」である。
ミュージックバーといえば、ウイスキーなどを傾けながらゆっくりと店内に流れる音楽を身を任せる…というのが一般的なイメージだろうが、「ヘッドホンバー」とは果たして一体どういう場所なのだろう? 生来の酒好きの血が騒ぎ、仕事もそこそこに新幹線に飛び乗り、「Headphone Bar」を訪問してきた。
TAGO STUDIO、そしてHeadphone Barを運営するのは、作曲家/プロデューサーとしても活動する多胡邦夫さん。「ヘッドホン祭り」のブースで見かけた方も少なくないだろう。TAGO STUDIOといえば、音のいいレコーディングスタジオとして評価が高いことに加え、自社ブランドとして展開しているヘッドホンもユーザーから高い支持を集めている。
オープンのきっかけについて多胡さんは、「私自身がお酒が大好きだということはもちろんありますが、イチローズモルトの仕込みに使われている廃材を使ってヘッドホンを作れないだろうか? と考えたことから始まりました。それを(株)ベンチャーウイスキーさんに相談したところ、なんとご快諾をいただきまして。その流れで、あれ、もしかしてヘッドホンで音楽を聴けるバーがあるとロマンチックなんじゃないか、って考えたんです」と語る。
「Headphone Bar」はJR高崎駅から徒歩5分程度、大通りに面した角地に店を構えている。カウンター奥には、ウイスキーなどと並んでTAGO STUDIOのヘッドホンも各種並べられており、お酒を注文するようにヘッドホンを注文(?)できる。各座席下にヘッドホンアンプが設置され、店内で再生されるレコードの音をヘッドホンで楽しんだり、あるいは各座席に設置されたiPadに繋ぎ、Apple musicで好きな音楽を聴くこともできる。
新型コロナウイルスが猛威を振るい、みな自宅にこもり、お店でお酒を飲むことが憚られた期間が長くあった。「私の家族もみんなリビングにいて、スマホを見たりゲームしたり、それぞれ自由に勝手なことをやっていました。でも『鬼滅の刃』が始まると、みんな一斉にテレビに向かう、みたいな。そういうバラバラだけど一緒にいる、という感じが今の時代の “居心地の良さ” なんじゃないかって考えたんです」(多胡さん)
音楽とお酒の両方が好きな人が集まるミュージックバーの新しいスタイル、自分一人の時間を楽しんでもいいし、人とシェアする時間を楽しんでもいい。自宅でも職場でもない、大人が自由な時間を楽しめる場所として「Headphone Bar」のイメージができあがってきたのだという。
カウンターの反対側にはレコードラックが置かれており、数千枚はあろうかというレコードが収められている。中身を確認すると、キャロル・キングからエアロスミスまで洋楽ビッグアーティスト、サザンオールスターズに松田聖子と邦楽も充実。実はこのレコードの一部は、FMぐんまが事務所を移転する際に譲り受けたものなのだとか。
「Headphone Barをやろうっていう話を周囲のひとにしていたら、たくさんの方からレコードを寄付していただきました。最初は自分の手持ちのものを持ってこようかな、と思っていたのですが、まったくそんな必要はなかったですね(笑)。こういうご縁のつながりも、高崎で音楽スタジオをやってきたからこそだと感じています」(多胡さん)
ラックから聴きたいレコードを見つけて、お店の人にリクエストをすれば、そのレコードを再生してくれる。ちなみにミュージック・チャージなどは取っておらず、かかる金額は頼んだお酒とおつまみの金額だけというのも良心的。
バーカウンターは8席。座席下に設置されているヘッドホンアンプはマス工房製というのも、ヘッドホンファン的には見逃せないところ。
「それぞれの席にヘッドホンアンプが必要になりますが、8席全部にあるとちょっと邪魔になっちゃいますね。2系統出せて、かつ独立してボリューム調整ができるものがないかと探していたら、なんとマス工房さんにぴったりのものがあったんです。マス工房さんは放送局にも納めていますから、そういう業務用途の製品がうまく応用できたんです」(多胡さん)
確かにヘッドホン出力が2系統あるヘッドホンアンプは数多くあれど、独立してボリューム調整ができるモデルはあまり聞かない。またレコードプレーヤーは耐久性を考えてテクニクスの「SL-1200」、アンプはマッキントッシュの「C22」を使用。そこから中央2席のヘッドホンアンプにアナログで出力し、それぞれ外側にパラで送っている。その配線ケーブルはブリス・オーディオが担当したという。
ヘッドホンは手持ちのものを持ち込むこともできるし(ただしヘッドホンアンプの出力は基本3.5mmのアンバランス)、自分のスマホやDAPなどでTAGO STUDIOヘッドホンを借りて聴いてもいい。イチローズモルトの廃材を使った「Cask of Ichiro’s Malt」はもちろん、アイドルマスターコラボモデルやラルク・アン・シエルとのコラボモデルなど、TAGO STUDIOの貴重なラインナップも借りられる。自前のレコードを持ち込んでもいい。そんな自由さが「Headphone Bar」の楽しみ方だ。
ちょうど来店していた男性の方がビル・エヴァンスをリクエストしていたので、お話を聞いてみた。「普段は音楽をアマチュアで楽しんでいますが、外からお店を見ていたらヘッドホンがたくさん並んでいるのでなんだろう? と思って入ってみたんです。そうしたらすっかりハマってしまって」。地元の人だけではなく、地方からTAGO STUDIOヘッドホンファンの人が足を運んでくれることも少なくないという。
お酒の種類はウイスキーを中心に、シャンパン、ワイン、ビール、ラム酒と幅広く取り揃えている。音楽とお酒のペアリングを自分なりに探す、という楽しみ方もできそうだ。
ヘッドホンファンの新たな聖地、Headphone Barでぜひ大人の時間を。
■Headphone Bar INFORMATION
住所:群馬県高崎市あら町170 カナヤビル1F
TEL:027-395-0208
open 19:30 close 24:00
定休日:不定休
ミュージックバーといえば、ウイスキーなどを傾けながらゆっくりと店内に流れる音楽を身を任せる…というのが一般的なイメージだろうが、「ヘッドホンバー」とは果たして一体どういう場所なのだろう? 生来の酒好きの血が騒ぎ、仕事もそこそこに新幹線に飛び乗り、「Headphone Bar」を訪問してきた。
TAGO STUDIO、そしてHeadphone Barを運営するのは、作曲家/プロデューサーとしても活動する多胡邦夫さん。「ヘッドホン祭り」のブースで見かけた方も少なくないだろう。TAGO STUDIOといえば、音のいいレコーディングスタジオとして評価が高いことに加え、自社ブランドとして展開しているヘッドホンもユーザーから高い支持を集めている。
オープンのきっかけについて多胡さんは、「私自身がお酒が大好きだということはもちろんありますが、イチローズモルトの仕込みに使われている廃材を使ってヘッドホンを作れないだろうか? と考えたことから始まりました。それを(株)ベンチャーウイスキーさんに相談したところ、なんとご快諾をいただきまして。その流れで、あれ、もしかしてヘッドホンで音楽を聴けるバーがあるとロマンチックなんじゃないか、って考えたんです」と語る。
「Headphone Bar」はJR高崎駅から徒歩5分程度、大通りに面した角地に店を構えている。カウンター奥には、ウイスキーなどと並んでTAGO STUDIOのヘッドホンも各種並べられており、お酒を注文するようにヘッドホンを注文(?)できる。各座席下にヘッドホンアンプが設置され、店内で再生されるレコードの音をヘッドホンで楽しんだり、あるいは各座席に設置されたiPadに繋ぎ、Apple musicで好きな音楽を聴くこともできる。
新型コロナウイルスが猛威を振るい、みな自宅にこもり、お店でお酒を飲むことが憚られた期間が長くあった。「私の家族もみんなリビングにいて、スマホを見たりゲームしたり、それぞれ自由に勝手なことをやっていました。でも『鬼滅の刃』が始まると、みんな一斉にテレビに向かう、みたいな。そういうバラバラだけど一緒にいる、という感じが今の時代の “居心地の良さ” なんじゃないかって考えたんです」(多胡さん)
音楽とお酒の両方が好きな人が集まるミュージックバーの新しいスタイル、自分一人の時間を楽しんでもいいし、人とシェアする時間を楽しんでもいい。自宅でも職場でもない、大人が自由な時間を楽しめる場所として「Headphone Bar」のイメージができあがってきたのだという。
カウンターの反対側にはレコードラックが置かれており、数千枚はあろうかというレコードが収められている。中身を確認すると、キャロル・キングからエアロスミスまで洋楽ビッグアーティスト、サザンオールスターズに松田聖子と邦楽も充実。実はこのレコードの一部は、FMぐんまが事務所を移転する際に譲り受けたものなのだとか。
「Headphone Barをやろうっていう話を周囲のひとにしていたら、たくさんの方からレコードを寄付していただきました。最初は自分の手持ちのものを持ってこようかな、と思っていたのですが、まったくそんな必要はなかったですね(笑)。こういうご縁のつながりも、高崎で音楽スタジオをやってきたからこそだと感じています」(多胡さん)
ラックから聴きたいレコードを見つけて、お店の人にリクエストをすれば、そのレコードを再生してくれる。ちなみにミュージック・チャージなどは取っておらず、かかる金額は頼んだお酒とおつまみの金額だけというのも良心的。
バーカウンターは8席。座席下に設置されているヘッドホンアンプはマス工房製というのも、ヘッドホンファン的には見逃せないところ。
「それぞれの席にヘッドホンアンプが必要になりますが、8席全部にあるとちょっと邪魔になっちゃいますね。2系統出せて、かつ独立してボリューム調整ができるものがないかと探していたら、なんとマス工房さんにぴったりのものがあったんです。マス工房さんは放送局にも納めていますから、そういう業務用途の製品がうまく応用できたんです」(多胡さん)
確かにヘッドホン出力が2系統あるヘッドホンアンプは数多くあれど、独立してボリューム調整ができるモデルはあまり聞かない。またレコードプレーヤーは耐久性を考えてテクニクスの「SL-1200」、アンプはマッキントッシュの「C22」を使用。そこから中央2席のヘッドホンアンプにアナログで出力し、それぞれ外側にパラで送っている。その配線ケーブルはブリス・オーディオが担当したという。
ヘッドホンは手持ちのものを持ち込むこともできるし(ただしヘッドホンアンプの出力は基本3.5mmのアンバランス)、自分のスマホやDAPなどでTAGO STUDIOヘッドホンを借りて聴いてもいい。イチローズモルトの廃材を使った「Cask of Ichiro’s Malt」はもちろん、アイドルマスターコラボモデルやラルク・アン・シエルとのコラボモデルなど、TAGO STUDIOの貴重なラインナップも借りられる。自前のレコードを持ち込んでもいい。そんな自由さが「Headphone Bar」の楽しみ方だ。
ちょうど来店していた男性の方がビル・エヴァンスをリクエストしていたので、お話を聞いてみた。「普段は音楽をアマチュアで楽しんでいますが、外からお店を見ていたらヘッドホンがたくさん並んでいるのでなんだろう? と思って入ってみたんです。そうしたらすっかりハマってしまって」。地元の人だけではなく、地方からTAGO STUDIOヘッドホンファンの人が足を運んでくれることも少なくないという。
お酒の種類はウイスキーを中心に、シャンパン、ワイン、ビール、ラム酒と幅広く取り揃えている。音楽とお酒のペアリングを自分なりに探す、という楽しみ方もできそうだ。
ヘッドホンファンの新たな聖地、Headphone Barでぜひ大人の時間を。
■Headphone Bar INFORMATION
住所:群馬県高崎市あら町170 カナヤビル1F
TEL:027-395-0208
open 19:30 close 24:00
定休日:不定休
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