≪CEATEC≫ 山之内 正のCEATECレポート〜デジタルサーバー編
<左>松下電器のAVCサーバー <右>ソニーのHDD+DVD-RW/Rコクーン |
パイオニアは、2002年1月のCESで発表した「デジタルライブラリー」を日本でも公開。ハブを介してサーバーDL-1000とクライアントDL-500AVを組み合わせ、CDやダウンロードコンテンツなど音楽データを中心に、複数の部屋で異なるソースを同時に楽しむことができる。接続には高速なイーサネットを使用するので、ビデオクリップの再生も可能だ。独自のコンテンツを用意したポータルサイトを設けて様々な機能を提供することも特徴だ。
松下電器は、HDD、記録型DVD、SDカードスロットを組み合わせたAVCサーバーを参考出品した。やはりイーサネット接続で機器間を接続し、DVDを含む多様なコンテンツを共有することができる。プログラムナビ機能を使って記録済みコンテンツのサムネイル画像を一覧表示し、好みのプログラムを瞬時に選べる仕組みも提供する。パソコンなど接続機器の一部は無線での接続にも対応するが、基本は有線イーサネットなので、配線が必要になる。
松下電器はAVCサーバーのほかにも、ブロードバンド接続に対応したプラズマディスプレイやIEEE802.11a規格対応の無線LAN送受信ユニットを参考展示し、ホームネットワークをサポートする多様な機器の可能性を探っている。なお、無線LANシステムの場合、MPEG2デコーダーは展示されている無線LAN受信ユニットではなく、プラズマディスプレイ側に内蔵している。電波状況にもよるが、HD信号なら1ストリーム、DVDの再生信号なら2ストリームの同時送受信ができるという。802.11aは家具や壁などで電波が遮られるケースが多く、十分な伝送レートを確保することが課題になっているが、展示モデルは可動式アンテナを導入することで、電波状態の改善を狙っている。
パイオニアと松下電器は、インターネットのブロードバンド向けコンテンツをテレビで楽しむためのセットトップボックスを公開した。松下電器はパナセンスで限定販売するブロードバンドチューナー「ブロードナウ」、パイオニアは参考出品のブロードバンドSTBと、どちらもブロードバンド対応を前面に打ち出している。地上波チューナーに限定したソニーのCocoonも含めて、デジタルサーバーの機能を先取りした機器が次第に身近な存在になってきたことを感じさせる。(山之内 正)