ペンタックス「Optio S」発表会レポート〜Q&A全問全答つき〜
<左>ペンタックス(株)社長 浦野文男氏 <右>同社イメージングシステム事業本部長 鶴田昌隆氏 |
まず、同社代表取締役社長の浦野文男氏があいさつし、次のように語った。
「弊社は、さらなる成長のため、3つの柱を軸に事業を展開する。一つは医療機器、二つ目は光学機器、三つ目はデジカメ事業の発展である。特にデジカメは、残念ながら、いままでPENTAXブランドの存在感は大きくなかった。社内で『デジカメの森』と呼んでいる開発研究チームが、この1年のあいだ新機種の開発を続けてきた。今年はこの森から続々と木を切り出していくつもりだ。特に、今日発表の『Optio S』は大木に育つものと期待している。」
また同氏からは、本機に搭載しているLSIはカシオ計算機から供給を受けたものであること、本機で開発したレンズユニットは逆にカシオに供給し、カシオ側からも同ユニットを搭載したデジカメを発売する予定があることが発表された。
続いて、同社イメージングシステム事業本部長の鶴田昌隆氏が登壇。現在の市場シェア2%を、2003年は5%程度に引き上げる予定であり、この目標を達成するため、「Optio S」をはじめとして、年内に10機種以上のデジカメを投入すると語った。
続いて「Optio S」の商品企画を担当した中野氏が、実機を携えて説明を行った。くわしい内容は別項のニュースでお伝えしたとおりだが、“スライディング・レンズ・システム”の開発だけで約30件の特許出願を行ったことが明らかにされた。
以下、本発表会席上で行われた質疑応答の全問全答をご紹介する。
Q:カシオから供給を受けるのはどの部分か?
A:LSIの供給のみ受ける。
Q:生産はどこで行うのか? また生産の規模は?
A:フィリピンのセブ工場で行う。月産は7-8万台を目指している。
Q:カシオとの協力の経緯を教えて欲しい。
A:以前からカシオのデジカメ用に、レンズの供給などを行っていた。そのような関係があったから、「うちの弱いところを助けて欲しい」と声をかけ、気持ちよく了承いただいた。これからもお互いに良い関係を保っていきたい。
Q:年内に10機種の製品を投入するということだが、小型モデルに注力するのか?
A:ほかのモデルについては、現在開発中ということもあり、くわしくは発表できない。ユーザーフレンドリーでカメラメーカーらしい製品を作っているので、ご期待いただきたい。
Q:これまでCFカードを採用していたが、本機からSDカードにシフトするのか? それとも機種ごとに使い分けるのか?
A:機種によって使い分けることは検討している。小型・軽量という意味ではSDカードが有力と判断しているが、これにこだわっているわけではない。
Q:開発費はどのくらいかかっているのか?
A:昨年の倍以上はかかっている。
Q:今年の売上げはどのくらいを見込んでいるのか?
A:今期は、1,055億の売上げの内、約20%、200億円程度をデジカメが占めた。来期は、シェア5%を狙っているので、少なくとも160万台程度は出荷したいと考えている。
(Phile-web編集部)