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利用者/権利者両団体が共同で第三者機関を設立

音楽著作権の一括処理を担当する「著作権情報集中処理機構」が誕生

公開日 2009/03/06 17:16 Phile-web編集部
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著作物等の適正かつ円滑な利用促進のため、本日、非営利の一般社団法人「著作権情報集中処理機構」(英字表記:Copyright Data Clearinghouse - 略称:CDC)が設立された。

略称は「CDC」。機構のロゴも披露された

同法人は、(社)日本音楽著作権協会(JASRAC)や(株)イーライセンスなどの著作権管理団体と、(株)第一興商や(株)ドワンゴなどのコンテンツプロバイダーが共同で設立した第三者機関。インターネットにおけるコンテンツ配信に関し、利用者と管理者団体それぞれが行っている共通の作業を同機構に集約し、コストと作業負荷を軽減する。なお、処理を行うのは音楽コンテンツに関してのみ。

コンテンツの利用者団体と権利者団体それぞれが行っている権利処理業務のうち、重複している作業を機構が一括して担当することにより効率化を図る

現在、音楽配信などインターネット上で音楽コンテンツを取り扱う事業者は1,000社10,000サイト以上にのぼっているが、権利処理業務は個々に行われている。この業務を一元化するシステムを構築することにより、将来に向け無限に広がるコンテンツ流通を支えていくという。事業概要は下記の通り。

・デジタルコンテンツが改ざんされていないことを証明する技術「フィンガープリント」(直訳で「拇印・指紋」の意味)を導入し、利用楽曲IDの特定と権利者への利用実績報告データの作成
・著作権等の権利関係に関する情報のハブとなるデータベースの構築
・その他、上記に関連する事業

今後は、実験システムの稼働および本システムの入札実施を経てから、システムの本格運用開始を目指す。なお、理事には利用者団体であるネットワーク音楽著作権連絡協議会(NMRC)から佐々木隆一氏が、管理者団体であるJASRACから菅原瑞夫氏が選任された。

著作権情報集中処理機構 理事 佐々木隆一氏

著作権情報集中処理機構 理事 菅原瑞夫氏

また、同法人には慶応義塾大学大学院の岸博之教授や自身でコミュニティFMも主宰するジャーナリストの木村太郎氏ら4名が発起人として名を連ねている。なお、発起人は下記の4名。

慶応義塾大学大学院 岸博之教授

ジャーナリスト・Community SimulRadio Alliance代表 木村太郎氏


(株)に・よん・なな・みゅーじっく 取締役会長 丸山茂雄氏

(株)渡辺プロダクション 代表取締役会長 渡辺美佐氏

そのほか、同法人では今後の運営について幹事会を構成して協議していくという。現時点では、下記の各社が幹事候補として予定されている。なお、幹事候補は運営資金の捻出などといった面から比較的大手の企業・団体が並んでいるが、構築されたシステムはだれでも利用可能だ。

幹事候補
(株)エクシング
(株)エムティーアイ
ギガネットワークス(株)
(株)サミーネットワークス
(株)第一興商
(株)ドワンゴ
(株)ヤマハミュージックメディア
(株)USEN
(株)イーライセンス
(株)ジャパン・ライツ・クリアランス
ダイキサウンド(株)
(社)日本音楽著作権協会

次ページ設立の経緯などが会見で明らかに

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