[IFA2003山之内正のベルリンショー・レポート1]〜フィリップス その1〜「コネクテッド・プラネット」を実現する製品群
IEEE802.11g規格の無線伝送規格に対応、WiFiに準拠しているポータブル液晶ディスプレイ「iPronto」 |
音楽や映画などのコンテンツにいつでもどこでもアクセスできる環境を実現するためには、まず機器同士の接続をワイヤレス化することが先決だ。DVDホームシアターシステム「MX6000i」、ポータブル液晶ディスプレイ「iPronto」、マルチメディアレシーバー「SLi400」の3つがキーになる製品で、いずれもIEEE802.11g規格の無線伝送規格に対応し、WiFiに準拠している。現在広く普及している802.11bに加えて802.11gを採用したのは、音楽だけでなく、映像のワイヤレス伝送をスムーズに行うことが目的だ。
これらの機器で楽しむ音楽、映像は、DVDなどのディスクメディアのほかに、インターネット経由のストリーミングビデオや音楽、さらにパソコンに保存している音楽、動画、静止画データなどが含まれる。それらのデータにリビングルームや寝室から自在にアクセスする環境を実現するという。
フィリップスは、以前は「コネクテッド・ホーム」というコンセプトを掲げてホームネットワークに取り組んでいたが、今回は「ホーム」を「プラネット」に拡大し、インターネットの豊富なコンテンツまで家庭に取り込もうというわけである。
パソコンではなく、さらに使いやすいホームサーバーを開発すべきではないかと同社の広報担当者に質問したところ、「開発予定はあるが、既存のシステムを利用してなるべくはやく実現したい。ホームサーバーは次の段階で導入する」という答えが返ってきた。いずれのシステムもインターネット経由でソフトウェアをアップグレードできるので、機器の追加にも無理なく対応するのだという。
(評論家・山之内正)
[IFA2003REPORT]