<山之内正のCES2004レポート 1>次世代光ディスクが大きく前進〜HD DVD vs BD
東芝から参考出展のHD DVD/DVDプレーヤー(左)と HD DVDレコーダー(右) |
再生機は、1レンズ方式の自社開発ピックアップを搭載し、HD DVDとDVDを1台で再生できる初めての試作機で、DVDとHD DVDの連続性をアピールする意味が大きい。1レンズ方式のピックアップは生産コストを抑えられるメリットがあり、DVDと生産設備の多くを共用できるディスクメディアと同様、ハードウェアの障壁を下げることが期待されている。同様なピックアップはNECもすでに技術発表を行っているが、両者はそれぞれ独自に開発したものだという。
録画機はHD DVD専用だが、予想以上にコンパクトに仕上がっており、技術的完成度の高さをうかがわせた。
一方の次世代光ディスク陣営のブルーレイディスクファウンダー10社は、新たに書き換え型のBD-ROMと追記型BD-Rの規格策定が最終段階を迎え、いずれも今年前半に最終仕様が決まる見通しであることを明らかにした。CES会場での発表によると、映画スタジオの支援と規格決定を受けてまもなくBD-ROMの仕様が完成し、対応製品が2005年末までに登場する予定だという。発表当日はコロンビアトライスターからBD-ROMを支持するコメントが発表された。同フォーマットを支持する理由は複数あるが、なかでも強力な著作権管理技術を筆頭に挙げていた。
映画会社と並んで、有力PCメーカーのHDとデルもブルーレイディスクのサポートを表明。できるだけ容量の大きいメディアを必要とする分野だけに、2層で50GBを実現する技術がほぼ固まっているブルーレイへの支持を決めたという。
両陣営ともに2004年は大きな前進の年となることが期待されている。ライバルを意識した発言がこれまでになく目立っていたこともその表れだろう。
(山之内 正)
[ces2004]