ADIとTzero、JPEG2000を使ったHDMIの無線伝送システムを開発
Analog Devices(アナログ・デバイセズ・ADI)社と米Tzero Technology(ティーゼロ・テクノロジー)社は、HDMI信号を無線で伝送可能な「ワイヤレスHDMIソリューション」を共同で開発したと発表。本日記者発表会を開催した。
今回発表されたのは、HDMIの無線伝送が可能な送信機と受信機から構成されるシステムで、Tzeroの「TZ7000」チップセットとADI製 JPEG2000圧縮IC「ADV202」が搭載されている。伝送可能なのはHDMI ver1.2aで、映像は1080i/720pに対応。著作権保護技術「HDCP」に対応するほか、CEC(Consumer Electronics Control)にも対応している。
送信側に入力された映像はJPEG2000に圧縮され音声信号と組み合わされ、Tzeroのチップを通じて無線で受信側に伝送される。受信側ではTzeroチップが信号を受け取り、映像・音声信号に解凍され、HDMI信号として出力される。入力信号はHDMIに限らず、アナログ音声やコンポーネント映像などにも対応しているのが特長だ。
本システムは、低いレイテンシにより映像と音声の同期を実現しており、「完璧なリップシンク」を可能にしているという。
ADIならびにTzeroは9月よりサンプル基盤の出荷を開始し、12月より市販を開始する予定だ。AV機器メーカーは、このシステムを製品内に組み込むことでHDMI無線伝送対応機器の製造が可能となる。
発表会にはTzero社 マーケティング&セールス担当 上級副社長のDan Karr氏が出席。OEM供給先として考えているメーカーは、パケット・エラーレートが10-8であること、既存の無線機器との干渉に十分に耐えうること、10mでHDストリームを3本以上伝送できることなどを要求しており、これらをクリアしたシステムの開発に成功したと自信を見せた。
またADIのアドバンスド・テレビジョン・セグメント・ディレクターのBill Bucklen氏は、JPEG2000の優位性をアピール。「JPEG2000を採用することで、人間の目には気にならない程度までブロックノイズを抑えたほか、エラー回復でも高い性能を実現することができた」と説明した。
以下に発表会で行われた質疑応答の主な内容を掲載する。
Q.HDMIのバージョンが1.2aだが、1.3への対応は?
A.1.3はたくさんの拡張機能が入っている。例えば1.3は16bitカラーに対応しているが、表示できるディスプレイは現在ほとんどない。今後、要望次第で対応を考えていく。
Q.サンプル価格は?
A.スタンドアローン型と統合型の2種類の提供方法を用意している。9月の時点ではスタンドアローン型を200ドル以下に設定している。
Q.今回のJPEG2000チップはどのようなものか?
A.第一世代のチップでフレキシビリティに重点を置いている。コストは積極的に下げていきたいと思っている。
(Phile-web編集部)
今回発表されたのは、HDMIの無線伝送が可能な送信機と受信機から構成されるシステムで、Tzeroの「TZ7000」チップセットとADI製 JPEG2000圧縮IC「ADV202」が搭載されている。伝送可能なのはHDMI ver1.2aで、映像は1080i/720pに対応。著作権保護技術「HDCP」に対応するほか、CEC(Consumer Electronics Control)にも対応している。
送信側に入力された映像はJPEG2000に圧縮され音声信号と組み合わされ、Tzeroのチップを通じて無線で受信側に伝送される。受信側ではTzeroチップが信号を受け取り、映像・音声信号に解凍され、HDMI信号として出力される。入力信号はHDMIに限らず、アナログ音声やコンポーネント映像などにも対応しているのが特長だ。
本システムは、低いレイテンシにより映像と音声の同期を実現しており、「完璧なリップシンク」を可能にしているという。
ADIならびにTzeroは9月よりサンプル基盤の出荷を開始し、12月より市販を開始する予定だ。AV機器メーカーは、このシステムを製品内に組み込むことでHDMI無線伝送対応機器の製造が可能となる。
発表会にはTzero社 マーケティング&セールス担当 上級副社長のDan Karr氏が出席。OEM供給先として考えているメーカーは、パケット・エラーレートが10-8であること、既存の無線機器との干渉に十分に耐えうること、10mでHDストリームを3本以上伝送できることなどを要求しており、これらをクリアしたシステムの開発に成功したと自信を見せた。
またADIのアドバンスド・テレビジョン・セグメント・ディレクターのBill Bucklen氏は、JPEG2000の優位性をアピール。「JPEG2000を採用することで、人間の目には気にならない程度までブロックノイズを抑えたほか、エラー回復でも高い性能を実現することができた」と説明した。
以下に発表会で行われた質疑応答の主な内容を掲載する。
Q.HDMIのバージョンが1.2aだが、1.3への対応は?
A.1.3はたくさんの拡張機能が入っている。例えば1.3は16bitカラーに対応しているが、表示できるディスプレイは現在ほとんどない。今後、要望次第で対応を考えていく。
Q.サンプル価格は?
A.スタンドアローン型と統合型の2種類の提供方法を用意している。9月の時点ではスタンドアローン型を200ドル以下に設定している。
Q.今回のJPEG2000チップはどのようなものか?
A.第一世代のチップでフレキシビリティに重点を置いている。コストは積極的に下げていきたいと思っている。
(Phile-web編集部)