鈴木桂水氏が体験する「NETJUKEのある生活」 − 第2回:セットアップ開始!改めて気が付いた色んなこと
HDDとネットワークを活用するという、オーディオ機器としては新鮮なアプローチのオーディオシステム、ソニーの「NET JUKE」シリーズ。音楽CDや録り貯めたMDを内蔵するHDDに保存したり、ラジオ番組をHDDへ長時間保存ができるなど、音楽との新しいつきあい方を提案するオーディオ機器だ。基本機能については「第1回:NET JUKEのどこがスゴイのか?」を参照していただくとして、今回からは実機を使ったレビュー形式でお伝えしよう。
まずはMDが利用できるネットジュークシリーズの中堅機NAS-M70HDを使ってレビューをしてみよう。デザインの印象は…。アルミを使用した本体は、材質などには心を砕いているのだろうが、シルバーとブラックのツートンカラーが無骨なデザインを印象づけてしまい、好みが分かれそうだ。
NAS-M70HDは仕事で使っているパソコンデスクに設置してテストすることにした。いままではソニーのミニコンポ、“キューブリック”「CMT-C7NT」(2001年12月発売)を使用していたので、そちらと交換することにした。
ちょっと脱線するが、なぜ僕がNET JUKEシリーズに興味を持ったかお話しておきたい。僕はCMT-C7NTを使って、毎週FMの番組を2本録音している。録音している番組名を明かすのは照れくさいが、金曜夜のNHK FM「ワールドロックナウ」と土曜朝の「ウィークエンドサンシャイン」。これを毎週欠かさず録音している。どちらも長丁場の番組でワールドロックナウは70分、ウィークエンドサンシャインは105分だ。これをCMT-C7NTのMDのLP4モードで録音していたのだが、MDの容量がすぐにいっぱいになり録り逃すことが多かった。そして録音したMDは貯まる一方なのも悩みの種だった。
HDDを搭載するNET JUKEシリーズなら、長時間録音が可能なので、こんなミスも少なくなると目論んだ。さらに携帯音楽プレーヤーへの転送機能を使えば移動中に録音した番組を消化できるのもありがたい。いままで録り貯めたMDもHDDに保存すれば、散らかった部屋も、ほんの少しは片付くだろう。僕にとってはかなりいいことずくめの製品に思えたのだが、実際はどうなのか、とことん使いたくなり、このコラムをはじめた訳だ。
さて、脱線話はさておき、NAS-M70HDをセットアップし始めると、CMT-C7NTに比べて、スピーカーケーブルや簡易アンテナなどのアクセサリーが貧弱なのが気になった。このあたりはオーディオ機器の文化というよりは、価格競争でもまれることで、目立たないところにはお金がかけられない、パソコン周辺機器的な思想を感じる。
設置が完了したら配線が待っている。ネットジュークは名前のとおりインターネットに接続して使用するミニコンポなので、すべての機能を利用するにはインターネットへの常時接続環境が必要だ。写真は背面のLAN端子にケーブルを接続している状態。LANケーブルを這わすのが嫌ならバッファローの無線LAN USB2.0用アダプタ「WLI-U2-KG54」と対応するワイヤレス機器を使って、LANケーブル無しでインターネットへの接続も可能。ワイヤレス接続については後日お伝えする予定だ。
次はFMとAMのアンテナ接続だ。僕はこのNAS-M70HDでFMをガンガン録音しようと考えているので、すこしでもいいアンテナを使いたいのだが…、付属の簡易FMアンテナが導線に端子をつけただけという、あまりにも頼りないものが入っていた。そこで、近くのDIYショップでT字型のフィーダー線式の簡易FMアンテナを購入。NAS-M70HDのアンテナ端子は、F型のアンテナコネクターなので、接続用の端子も購入した。
そこで買ってきたのが、DXアンテナのテレビコンセントプラグ「HP-73/7ーB」(実売価格630円)だ。これに“T”型のフィーダー線アンテナを使ってFMを受信しようと考えた。もう少し時間に余裕ができたら、専用のFMアンテナを設置するつもりだ。
次はスピーカーの接続だ。ただ、このスピーカーケーブルもちょっと…。NAS-M70HDの本体にはS-MASTER デジタルオーディオアンプまで入っているのだが、そのクオリティーをこの簡単そうなケーブルで伝えられるのだろうか?スピーカーケーブルをより良い物に交換したいと考えるユーザーのために、端子部には一工夫が欲しかった。
スピーカー、ネットワーク(LAN)、ラジオアンテナの接続が完了し、よやく本体の電源スイッチへ手を伸ばす。メニュー画面など、テレビ録画機のHDD&DVDレコーダーに似ているので、初めて起動したときは対話式のセットアップガイドが始まると思っていた。画面の「住んでいる地域はどこですか?」「ネットワークはつながっていますか?」などと言う質問に「はい」「いいえ」で答えると、セットアップが完了する“あれ”だ。
しかい、やはりオーディオの文化なのか、そんな補助機能は一切無い。その割に設定することは多いので、マニュアルを片手にセットアップを行った。多機能故に、設定する項目が多いのだから、ガイド機能の導入など、検討するべきだろう。
作業を進めてチューナーの設定にさしかかったときに、大きな壁が出てきた。どうも「Any Music」というサービスに加入しないと一部の機能が使えないようなのだ。どうしよう。ここで今週はタイムアップ。
次回は「Any Music」とラジオ録音についてお伝えしよう。
■ネットワーク&チューナーの「初期設定」フォトレポート
鈴木桂水(Keisui Suzuki)
元産業用ロボットメーカーの開発、設計担当を経て、現在はAV機器とパソコン周辺機器を主に扱うフリーライター。テレビ番組表を日夜分析している自称「テレビ番組表アナリスト」でもある。ユーザーの視点と元エンジニアの直感を頼りに、日経BP社デジタルARENAにて「使って元取れ! ケースイのAV機器<極限>酷使生活」、徳間書店「GoodsPress」など、AV機器を使いこなすコラムを執筆中。
>>鈴木桂水氏のブログはこちら
まずはMDが利用できるネットジュークシリーズの中堅機NAS-M70HDを使ってレビューをしてみよう。デザインの印象は…。アルミを使用した本体は、材質などには心を砕いているのだろうが、シルバーとブラックのツートンカラーが無骨なデザインを印象づけてしまい、好みが分かれそうだ。
NAS-M70HDは仕事で使っているパソコンデスクに設置してテストすることにした。いままではソニーのミニコンポ、“キューブリック”「CMT-C7NT」(2001年12月発売)を使用していたので、そちらと交換することにした。
ちょっと脱線するが、なぜ僕がNET JUKEシリーズに興味を持ったかお話しておきたい。僕はCMT-C7NTを使って、毎週FMの番組を2本録音している。録音している番組名を明かすのは照れくさいが、金曜夜のNHK FM「ワールドロックナウ」と土曜朝の「ウィークエンドサンシャイン」。これを毎週欠かさず録音している。どちらも長丁場の番組でワールドロックナウは70分、ウィークエンドサンシャインは105分だ。これをCMT-C7NTのMDのLP4モードで録音していたのだが、MDの容量がすぐにいっぱいになり録り逃すことが多かった。そして録音したMDは貯まる一方なのも悩みの種だった。
HDDを搭載するNET JUKEシリーズなら、長時間録音が可能なので、こんなミスも少なくなると目論んだ。さらに携帯音楽プレーヤーへの転送機能を使えば移動中に録音した番組を消化できるのもありがたい。いままで録り貯めたMDもHDDに保存すれば、散らかった部屋も、ほんの少しは片付くだろう。僕にとってはかなりいいことずくめの製品に思えたのだが、実際はどうなのか、とことん使いたくなり、このコラムをはじめた訳だ。
さて、脱線話はさておき、NAS-M70HDをセットアップし始めると、CMT-C7NTに比べて、スピーカーケーブルや簡易アンテナなどのアクセサリーが貧弱なのが気になった。このあたりはオーディオ機器の文化というよりは、価格競争でもまれることで、目立たないところにはお金がかけられない、パソコン周辺機器的な思想を感じる。
設置が完了したら配線が待っている。ネットジュークは名前のとおりインターネットに接続して使用するミニコンポなので、すべての機能を利用するにはインターネットへの常時接続環境が必要だ。写真は背面のLAN端子にケーブルを接続している状態。LANケーブルを這わすのが嫌ならバッファローの無線LAN USB2.0用アダプタ「WLI-U2-KG54」と対応するワイヤレス機器を使って、LANケーブル無しでインターネットへの接続も可能。ワイヤレス接続については後日お伝えする予定だ。
次はFMとAMのアンテナ接続だ。僕はこのNAS-M70HDでFMをガンガン録音しようと考えているので、すこしでもいいアンテナを使いたいのだが…、付属の簡易FMアンテナが導線に端子をつけただけという、あまりにも頼りないものが入っていた。そこで、近くのDIYショップでT字型のフィーダー線式の簡易FMアンテナを購入。NAS-M70HDのアンテナ端子は、F型のアンテナコネクターなので、接続用の端子も購入した。
そこで買ってきたのが、DXアンテナのテレビコンセントプラグ「HP-73/7ーB」(実売価格630円)だ。これに“T”型のフィーダー線アンテナを使ってFMを受信しようと考えた。もう少し時間に余裕ができたら、専用のFMアンテナを設置するつもりだ。
次はスピーカーの接続だ。ただ、このスピーカーケーブルもちょっと…。NAS-M70HDの本体にはS-MASTER デジタルオーディオアンプまで入っているのだが、そのクオリティーをこの簡単そうなケーブルで伝えられるのだろうか?スピーカーケーブルをより良い物に交換したいと考えるユーザーのために、端子部には一工夫が欲しかった。
スピーカー、ネットワーク(LAN)、ラジオアンテナの接続が完了し、よやく本体の電源スイッチへ手を伸ばす。メニュー画面など、テレビ録画機のHDD&DVDレコーダーに似ているので、初めて起動したときは対話式のセットアップガイドが始まると思っていた。画面の「住んでいる地域はどこですか?」「ネットワークはつながっていますか?」などと言う質問に「はい」「いいえ」で答えると、セットアップが完了する“あれ”だ。
しかい、やはりオーディオの文化なのか、そんな補助機能は一切無い。その割に設定することは多いので、マニュアルを片手にセットアップを行った。多機能故に、設定する項目が多いのだから、ガイド機能の導入など、検討するべきだろう。
作業を進めてチューナーの設定にさしかかったときに、大きな壁が出てきた。どうも「Any Music」というサービスに加入しないと一部の機能が使えないようなのだ。どうしよう。ここで今週はタイムアップ。
次回は「Any Music」とラジオ録音についてお伝えしよう。
■ネットワーク&チューナーの「初期設定」フォトレポート
元産業用ロボットメーカーの開発、設計担当を経て、現在はAV機器とパソコン周辺機器を主に扱うフリーライター。テレビ番組表を日夜分析している自称「テレビ番組表アナリスト」でもある。ユーザーの視点と元エンジニアの直感を頼りに、日経BP社デジタルARENAにて「使って元取れ! ケースイのAV機器<極限>酷使生活」、徳間書店「GoodsPress」など、AV機器を使いこなすコラムを執筆中。
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