鈴木桂水氏が体験する「NETJUKEのある生活」 − 第3回:さあ!いよいよラジオを録音しよう
前回のレポートでは、ようやく「NAS-M70HD」の設置を終え、セットアップにさしかかったところで「Any Music」の設定という難所を迎え終了した。
Any MusicとはCDの購入や音楽のダウンロードをパソコンを使わずに、本体だけで行えるサービスだ。利用は有料で月額315円が必要になる。これを使うとそれなりに面白いことができるのだが、いきなり有料サービスの話ではしょっぱすぎるので、機能の紹介は後日に回すことにする。設定の流れとして必要なのでお伝えしておこう。もちろんAny Musicを使わなくてもネットジュークは便利に使えるので、ご安心いただきたい。
結論から言えばネットジューク本体で「Any Music」の利用登録をしたのが間違いだった。マニュアルとしては正しいのだが、「あぁ〜」と何度も叫ばなければならないほど、苦しい思いをする。リモコンを使って“濃厚な”個人情報の入力をしなければならないからだ。後日分かったのだが、これには裏ワザがあり、パソコンを使ってAny Musicのサイトから登録を済ませておけば、簡単に登録ができてしまう。あとはネットジュークからIDである「ニックネーム」とパスワードを入力するだけでアクセスできるというわけだ。
さてようやく本体の設定が完了した。まずは僕が一番ハマっているラジオ録音機能についてご紹介しよう。ネットジュークシリーズはAM・FM合わせ、全部で10件のラジオ番組予約が可能だ。これには目覚まし機能のウェイクアップ再生も含まれるので、バリバリ録音しようと考えるなら少ない。
予約設定はさほど難しくはない。小型コンポと言えば文字のみの単色液晶表示が多く、予約録音の設定に苦労を感じることも多いが、本機には大型のカラー液晶が搭載されているので、家電のレコーダーのような感覚で快適に録画予約できる。ちなみに背面には映像出力端子があり、液晶の画面をテレビなどに表示できる。小さな文字が読みづらい場合など重宝しそうだ。
予約は当日から4週先まで対応。繰り返し予約は「毎日」、「月−金」、「月−土」まで。とても残念なことに、NHKのAMで放送される語学番組を録画したいユーザー向けの「月、水、金」予約がなかったのは痛い。NHKの「ラジオ第2」は、月、水、金で初回が放送されるので、語学番組を簡単に録音するのに便利なのだ。あともう一つはウィークデーの深夜番組向けの「火−土」予約も必要だ。ラジオ録画に注力した機種なら、このあたりの細かな気遣いがほしかったところだ。
録画後のファイル名に反映されるので、面倒でも予約番組のタイトルは入力しておきたい。文字入力は携帯電話などで使われる「予測変換」対応なのでリモコンのポチポチ入力ながらも使いやすい。録音時にチャプターを自動的に入力する「トラックマーク」は、10/30/60/120分ごとと、レベルシンク、オートに対応する。
録音した番組を再生するには「HDDジュークボックス」を選択すればいい。録音した曲は見つけやすいように録音ソースやジャンル、アーティスト名、アルバム名ごとに仕分けされている。80GBのHDDには数千曲以上の音楽ファイルを保存することが可能なので、欠かせない機能だ。
録音したラジオ番組は「録音ソース」から「チューナー」を選べば、日付、番組名入りで表示される。表示エリアの制限により、タイトル名に一部しか表示できないが、聞きたい番組がすぐに見つかるので大量の番組を録音しても使いやすい。
ネットジュークにはラジオ録音の切り札とも言える機能が備わっている。予約時にチャプターマークを自動的に入力する「トラックマーク」をオートに設定しておけば、「トーク」部分と「音楽」部分を自動的に切り分けて録音できる。この機能を使えばデジタルレコーダーの「CMカット」のように音楽だけをまとめて保存可能だ。
ウオークマンなどの携帯音楽プレーヤーで聞く場合も、トークや音楽を気軽に飛ばし聴きできる。これはかなり重宝する。さらに、音楽にはグレースノート社のCDデータベースを使い、曲名やアーティスト名の入力も可能だが…。
録音したファイルを開くと「T(トーク)」「M(ミュージック)」として、切り分けられている。NHKの番組のように音楽とトーク部分がしっかり分かれている場合は、ほぼ90%近い確率で切り分けが可能。ただしノイズの影響を受けるので、安定した受信場所でないと正常に機能しない。オプションで曲名の自動入力もできる。
「録音した番組に曲名が自動でつく!」と、かなり鼻息を荒くして楽しみにしていたのだが、実際に使ってみると、曲名がついたのは10曲のうち2曲程度だった。グレースノートは音楽の頭から15秒間の波形を計測し曲名をつけるので、少しでもチャプターの位置がずれていたら認識しない。さらにトークと音楽が重なる「フェードイン」をされるとまったくのお手上げとなる。
とはいえ、全く駄目かというとそうでもないようで、チャプターを切り直したりすれば曲名を再認識させることもできそうだ。次回、挑戦してみようと思う。
鈴木桂水(Keisui Suzuki)
元産業用ロボットメーカーの開発、設計担当を経て、現在はAV機器とパソコン周辺機器を主に扱うフリーライター。テレビ番組表を日夜分析している自称「テレビ番組表アナリスト」でもある。ユーザーの視点と元エンジニアの直感を頼りに、日経BP社デジタルARENAにて「使って元取れ! ケースイのAV機器<極限>酷使生活」、徳間書店「GoodsPress」など、AV機器を使いこなすコラムを執筆中。
>>鈴木桂水氏のブログはこちら
Any MusicとはCDの購入や音楽のダウンロードをパソコンを使わずに、本体だけで行えるサービスだ。利用は有料で月額315円が必要になる。これを使うとそれなりに面白いことができるのだが、いきなり有料サービスの話ではしょっぱすぎるので、機能の紹介は後日に回すことにする。設定の流れとして必要なのでお伝えしておこう。もちろんAny Musicを使わなくてもネットジュークは便利に使えるので、ご安心いただきたい。
結論から言えばネットジューク本体で「Any Music」の利用登録をしたのが間違いだった。マニュアルとしては正しいのだが、「あぁ〜」と何度も叫ばなければならないほど、苦しい思いをする。リモコンを使って“濃厚な”個人情報の入力をしなければならないからだ。後日分かったのだが、これには裏ワザがあり、パソコンを使ってAny Musicのサイトから登録を済ませておけば、簡単に登録ができてしまう。あとはネットジュークからIDである「ニックネーム」とパスワードを入力するだけでアクセスできるというわけだ。
さてようやく本体の設定が完了した。まずは僕が一番ハマっているラジオ録音機能についてご紹介しよう。ネットジュークシリーズはAM・FM合わせ、全部で10件のラジオ番組予約が可能だ。これには目覚まし機能のウェイクアップ再生も含まれるので、バリバリ録音しようと考えるなら少ない。
予約設定はさほど難しくはない。小型コンポと言えば文字のみの単色液晶表示が多く、予約録音の設定に苦労を感じることも多いが、本機には大型のカラー液晶が搭載されているので、家電のレコーダーのような感覚で快適に録画予約できる。ちなみに背面には映像出力端子があり、液晶の画面をテレビなどに表示できる。小さな文字が読みづらい場合など重宝しそうだ。
予約は当日から4週先まで対応。繰り返し予約は「毎日」、「月−金」、「月−土」まで。とても残念なことに、NHKのAMで放送される語学番組を録画したいユーザー向けの「月、水、金」予約がなかったのは痛い。NHKの「ラジオ第2」は、月、水、金で初回が放送されるので、語学番組を簡単に録音するのに便利なのだ。あともう一つはウィークデーの深夜番組向けの「火−土」予約も必要だ。ラジオ録画に注力した機種なら、このあたりの細かな気遣いがほしかったところだ。
録画後のファイル名に反映されるので、面倒でも予約番組のタイトルは入力しておきたい。文字入力は携帯電話などで使われる「予測変換」対応なのでリモコンのポチポチ入力ながらも使いやすい。録音時にチャプターを自動的に入力する「トラックマーク」は、10/30/60/120分ごとと、レベルシンク、オートに対応する。
録音した番組を再生するには「HDDジュークボックス」を選択すればいい。録音した曲は見つけやすいように録音ソースやジャンル、アーティスト名、アルバム名ごとに仕分けされている。80GBのHDDには数千曲以上の音楽ファイルを保存することが可能なので、欠かせない機能だ。
録音したラジオ番組は「録音ソース」から「チューナー」を選べば、日付、番組名入りで表示される。表示エリアの制限により、タイトル名に一部しか表示できないが、聞きたい番組がすぐに見つかるので大量の番組を録音しても使いやすい。
ネットジュークにはラジオ録音の切り札とも言える機能が備わっている。予約時にチャプターマークを自動的に入力する「トラックマーク」をオートに設定しておけば、「トーク」部分と「音楽」部分を自動的に切り分けて録音できる。この機能を使えばデジタルレコーダーの「CMカット」のように音楽だけをまとめて保存可能だ。
ウオークマンなどの携帯音楽プレーヤーで聞く場合も、トークや音楽を気軽に飛ばし聴きできる。これはかなり重宝する。さらに、音楽にはグレースノート社のCDデータベースを使い、曲名やアーティスト名の入力も可能だが…。
録音したファイルを開くと「T(トーク)」「M(ミュージック)」として、切り分けられている。NHKの番組のように音楽とトーク部分がしっかり分かれている場合は、ほぼ90%近い確率で切り分けが可能。ただしノイズの影響を受けるので、安定した受信場所でないと正常に機能しない。オプションで曲名の自動入力もできる。
「録音した番組に曲名が自動でつく!」と、かなり鼻息を荒くして楽しみにしていたのだが、実際に使ってみると、曲名がついたのは10曲のうち2曲程度だった。グレースノートは音楽の頭から15秒間の波形を計測し曲名をつけるので、少しでもチャプターの位置がずれていたら認識しない。さらにトークと音楽が重なる「フェードイン」をされるとまったくのお手上げとなる。
とはいえ、全く駄目かというとそうでもないようで、チャプターを切り直したりすれば曲名を再認識させることもできそうだ。次回、挑戦してみようと思う。
元産業用ロボットメーカーの開発、設計担当を経て、現在はAV機器とパソコン周辺機器を主に扱うフリーライター。テレビ番組表を日夜分析している自称「テレビ番組表アナリスト」でもある。ユーザーの視点と元エンジニアの直感を頼りに、日経BP社デジタルARENAにて「使って元取れ! ケースイのAV機器<極限>酷使生活」、徳間書店「GoodsPress」など、AV機器を使いこなすコラムを執筆中。
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