コスト力強化のため薄型テレビ工場投資など見直し/欧州白物家電市場へ参入
パナソニック、2009年年頭会見を開催 − 「徹底的な体質改善と構造改革の年に」
以上のような事業構造改革を行うことはもちろん、「商品で真価を示してこそ成長できる」(大坪氏)との考えも忘れないことをアピール。「お客様視点の徹底」「安全・品質の確保」「環境配慮」の三つをベースに、各事業の製品づくりを行っていくことを明言した。
■薄型テレビ事業は「市場の減速に対応しつつも成長を狙う」
不況により需要拡大ペースが鈍化している現状を踏まえ、設備投資費を見直し。尼崎のPDP国内第5工場は、2012年までの投資予定総額を当初計画の2,800億円から2,100億円へ減額。IPSα 姫路工場についても同様に3,000億円から2,350億円へ抑制することを明らかにした。両工場の本格量産開始時期も当初予定より遅らせる予定とのこと。「今後市場の状況を鑑みて投機を見ていきたい」(大坪氏)という構えだ。
ただし「薄型テレビはまだまだ成長分野」という見解は崩しておらず、「Neo PDP」技術による省エネ・動画性能の追求や、新興市場などへの増販といった販売間口の拡大を推進。さらに基本モデルを4モデルから8モデルへ増やし、機種数も大幅に増強するといったラインナップ強化を行う。これにより、2009年度は前年比150%となる1,550万台の販売を目標とし「市場の減速に対応しつつ、業界以上の成長を目指す」ことを狙う。2012年度には2,000万台の販売達成を目標としているという。
■三洋電機との協業は2012年度800億円増益目指し発進
両社は将来の組織再編も視野にいれた緊密な協業関係を構築すべく昨年12月24日よりコラボレーション委員会を設置し、幅広いテーマで「関係者がホンネの議論をしている」(大坪氏)ところだという。
三洋電機が得意とするエナジー事業は「ポテンシャルの高い分野」だと位置付け、今後の成長を担う事業へと発展させるべく更なる注力を行うことを改めて発表。2012年度には800億円の増益を目指すという目標を示した。
環境対策も強化し「省エネNo.1」製品は200機種へ
現在大きなフィーチャーとなっている「エコ」についても、CO2の排出量を2006年度比で総量30万トン削減を目標とする。さらに省エネ性能カタログに掲載される製品のうち、「省エネNo.1」の製品を200機種まで増やし、低位製品をなくすべく取り組むという。
■ポストGP3計画のキーワードは「まるごと」
以上を総覧すると、2009年度のパナソニックが目指すものは、徹底した体制見直しによる「コスト力強化」「グループ内の総合力の強化」「グローバル事業展開の強化」に集約される。これらを踏まえ大坪氏は、2009年度以降の「ポストGP3計画」のキーワードとして、グループ内事業を総合した「家まるごと提案」「世界まるごと市場」を掲げた。今年度行う事業再構築や新規事業創出への取り組みを基盤としてポストGP3計画の枠組みを作り上げ、世界No.1のエレクトロニクス企業を目指す姿勢を明確にした。